「食指」の意味や使い方とは?「食指が動く」や類語・英語表現を例文解説

食指

「食指が動く」などという、「食指」の意味を知っていますか?本記事では意味と語源、類語や英語表現を解説します。また「食指」は誤用の多い言葉です。間違いやすい使い方もチェックしてください。例文を読めば、「食指」を正しく使えるようになりますよ。

目次

「食指」の読み方と意味

「食指」の読み方と意味

「食指」の読み方と複数ある意味を解説します。

読み方

「食指」は「しょくし」と読みます。「食」は音読みで「ショク」または「シキ」、訓読みだと「く(う)」や「た(べる)」などと読みます。「指」は音読みで「シ」、訓読みでは「ゆび」または「さ(す)」です。

意味

「食指」の意味は、「人さし指」です。

「食指が動く」で使うときの意味

慣用表現「食指が動く」の意味は「食欲がおこること」、転じて「何かをしたいという欲求、野心が湧くこと」を表します。

「食指が動く」の語源・由来

「食指が動く」の語源・由来

「食指が動く」は、中国から伝わった言葉です。出典と由来を紹介します。

出典は『春秋左氏伝』

中国前漢時代末期ごろ世に出た書物『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』が、「食指が動く」の出典です。『春秋左氏伝』は、中国春秋時代の歴史書『春秋』の注釈書。『春秋』は中国山東省の史官が記したものに、思想家・孔子(こうし)が加筆したと伝わっています。その『春秋』の教えを正しく残そうと、孔子の弟子で歴史家の左丘明(さきゅうめい)が記したのが『春秋左氏伝』です。『春秋左氏伝』は歴史に忠実で、逸話や説話をふんだんに盛り込んだ書だと評価されています。

中国の故事が由来

『春秋左氏伝』の「宣公四年」には、「楚人献黿於鄭霊公。公子宋与子家、将入見。子公之食指動。以示子家曰、他日、我如此、必嘗異味。及入、宰夫将解黿」という故事が登場します。これは中国春秋時代に鄭の国の家臣・子公(しこう)が、「自分の人さし指が勝手にピクピク動くのは、ご馳走にありつける前触れだ」と験担ぎをしていた話です。この話がもとになって、食欲や野望がわくことを「食指が動く」というようになりました。ちなみに「食指」のもとになったエピソードでは、ご馳走が「スッポン」だったそうです。現在の日本でもすっぽんは高級食材ですが、当時の中国でもスッポンは王室に献上されるようなご馳走でした。

誤用に注意!「食指」の使い方

誤用に注意!「食指」の使い方

「食指」の意味は「人さし指」ですが、日常会話では、「食指」ではなく「人さし指」という場合がほとんどです。そこで、慣用表現として「食指」を使う場合に焦点を当てて解説します。間違いやすい言い回しも挙げるので、誤用に注意してください。

「食指が動く」の言い回しで使う

「人さし指」以外の意味で「食指」を使う場合は、「食指が動く」の言い回しで使います。

「食指に触れる」や「食指がそそられる」は誤用

「食指が動く」ではなく、「食指に触れる」や「食指がそそられる」などの言い回しは誤用です。とくに「食欲がわく」の意味で「食指がそそられる」を使う誤用が多いようです。これは「食欲がそそられる」と「食指が動く」が混同したものなので、注意してください。ほかにも「食指を伸ばす」が誤用です。

「食思」と「触手」は混同しやすい言葉

「食指」と混同しやすい言葉が「食思(しょくし)」と「触手(しょくしゅ)」です。「食思」は、「食欲や食い気」を表します。「食欲」の意味は「食指」と共通ですが、「野望」などには使わず、「食思が動く」とはいいません。「触手」は、イカやタコなど無脊椎動物の捕食・触覚のはたらきをする突起です。転じて「欲しいものを手に入れようとはたらきかけること」の意味でも使います。食欲には使わない点が「食指」とは異なります。慣用表現「触手を伸ばす」が、「食指を伸ばす」と誤用しがちです。

「食指が動く」を使った例文

「食指が動く」を使った例文

「食指が動く」を使った例文を挙げます。

・ホテルのビュッフェには大好物のスイーツがずらりと並び、ダイエット中にもかかわらず食指が動いてしまった。
・採用試験の応募者はみな優秀で、食指が動く人材がそろっています。
・友人が映画に誘ってくれたが、前評判のよくない映画だったので食指が動かなかった。
・食指が動くものがあれば大口購入するつもりだったが、あいにく今回の仕入れで掘り出し物は見つからなかった。

「食指」の類義語・言い換え表現

「食指」の類義語・言い換え表現

「食指」の類語と「食指が動く」の類語をそれぞれ紹介します。

「人差し指」を表す類義語

「人さし指」の意味で使う「食指」の類語を挙げます。

「示指」

「示指」は「じし」と読み、「人さし指」の意味です。指し示すために使う指であることから、「示指」といいます。

「塩なめ指」

「塩なめ指」は「しおなめゆび」と読み、「塩嘗め指」とも表記します。「人さし指」を表し、塩をなめるときに使う指であることが語源です。

「食指が動く」の類義語

「食欲がわく」や「手に入れたいと欲する」などの意味で使う、「食指が動く」の類語を挙げます。

「そそられる」

「そそられる」は、「欲求や意識が駆り立てられる様子」を表します。食欲や性欲、興味、好奇心などに使う言葉です。動詞「そそる」は、「ある感情や行動を起こさせる、誘う」意味。たとえば「探求心をそそられる」や「涙をそそられる」などと使います。食欲と何かを欲しいとおもう気持ちの両方に使える点が、「食指」と共通しています。

「色気を出す」

「色気を出す」は「いろけをだす」と読み、「ものごとに対して野心や意欲、興味を示す」意味です。他人への性的、恋愛に関する興味を抱くことが語源になっています。食欲にはあまり使わない点、「あわよくば上手くいくのではないか、という下心から身の丈にあわない欲を出す」ニュアンスを含む点が「食指が動く」との違いです。たとえば「怪しいもうけ話に色気を出した」や、「つい色気が出て、自分の学力より上の学校ばかり受験してしまった」のように使います。

「かき立てられる」

「かき立てられる」は「掻き立てられる」とも表記し、「心を刺激して、ある心情を強く起こさせること」の意味です。「好奇心をかき立てられる」や「食欲をかき立てられる」など、「食指が動く」と同じ使い方をします。しかし、「不安をかき立てられる」や「恐怖をかき立てられる」など、ネガティブな感情に対しても使う点が「食指」と異なります。

「食指」の英語表現

「食指」の英語表現

「食指」の英語表現を、「人さし指」と「食指が動く」の意味ごとに解説します。

「人差し指」

「人さし指」を英語で表すと、「forefinger」です。「The teacher beckoned to me with his forefinger.(先生は人さし指で私を招きました。)」などと使います。また、日本語の「示指」と同じく、英語でも「人さし指」は「指し示すための指」とされています。それにちなみ、「index finger」ともいいます。「index」は、「本の索引」や「目盛り」、または「指標」や「表示」などの意味です。たとえば、「She held up the index finger of his light hand.(彼女は左手の人さし指を立てた。)」のように使います。

「食指が動く」

英語に「食指が動く」の直訳はありません。「何かをしたいと欲する」意味で「feel a strong desire」と表現します。「desire」は「欲望」です。または「have a strong desire」ともいいます。ほかにも「interest(興味)」や「curious(好奇心)」などを使った英語表現が可能です。以下に「食指が動く」の英語表現を挙げます。

・feel a strong desire
・have a strong desire
・interest me
・make me curious

ほかには「want ~ very badly」で「喉から手が出るほど欲しい」などの英語表現があります。いずれも食欲と好奇心、野望などすべてを表す英語表現ではありません。

まとめ

「食指」は、それだけで「人さし指」の意味です。しかし、一般的には「人さし指」の意味ではなく、慣用表現「食指が動く」で「食欲や何かが欲しいという気持ちが起こる」意味で使います。「食指をそそられる」や「食指を伸ばす」などの誤用には要注意。ビジネスシーンでは、何かに強く興味をひかれたときなどに使える言葉です。

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