馬の骨の意味と語源とは?使い方や類語・対義語・英語表現も例文解説

「馬の骨」の意味と語源とは?使い方や類語・対義語・英語表現も例文解説
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「馬の骨」とは、「どこの馬の骨だかわからない」のように使われる、素性のわからない人をあざける意味を持つ言葉。日常会話ではほとんど使われませんが、どこかで一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。「馬の骨」の意味や使い方を解説します。

目次

「馬の骨」の意味と語源

「馬の骨」の意味と語源

「馬の骨」とは、「うまのほね」と読み、「どこの馬の骨とも知れない男」「どこの馬の骨だけわからないやつ」のように使います。「馬の骨」の意味と語源を詳しく見ていきましょう。

素性のはっきりしない者をあざける言葉

「馬の骨」とは、素性がはっきりしない者をあざける際に使われる言葉で、「どこの誰だかわからない」「素性がはっきりしない」といった意味で用いられます。どのような出自や育ちで、どんな人柄の人間なのかわからない人物を罵る言葉なので、使い方には注意が必要です。

参照:Weblio辞書「馬の骨」

中国の故事 「一に鶏肋、二に馬骨」 に由来

「馬の骨」とは、中国で役に立たないものの象徴である「一に鶏肋、二に馬骨」に由来しています。鶏の肋骨を意味する「鶏肋」は小さすぎて役に立たず、「馬骨」は反対に大きすぎて役に立たないだけでなく、処分にも困るといった、必要とされない役立たずのたとえとして「馬の骨」が使われていました。一般的に「骨」は動物の骨を指しますが、「人柄」や「品格」という意味もあります。

「馬の骨」の使い方と例文集

「馬の骨」の使い方と例文集

「馬の骨」には、身元がよくわからない人をあざける際に使うので、よくない印象を与える言葉です。付き合いが浅い人や初対面の人が対象のため、理解し合えていない状態で面と向かって使われると、いわれた相手は不快な思いをするだけでなく、怒らせてしまうことにもなるので、その後の関係に影響を及ぼす可能性があります。

「馬の骨」の使い方

「馬の骨」は、「どこの馬の骨ともわからない」のような言い回しで使用します。現代では若者の間ではほとんど使われておらず、年配の方やドラマのシーン、一時代昔の結婚の挨拶などで用いられていました。昔は家柄を気にすることが多かったため、大切な娘を素性の知れない男性には渡せないといった意味で使われていたようです。結婚などでより親密になるであろう相手なら、しっかりと素性を明らかにしてから娘を嫁がせたいという父親の愛情の裏返しともいえます。

「馬の骨」を使用するときの注意点

「馬の骨」はネガティブな要素を含む言葉のため、使い方には十分気をつけなければなりません。相手をさげすむのではなく、自分自身に対して使う場合は、卑下しながら感謝を述べるような使い方ができます。しかしビジネス相手や初対面の人に対して、面と向かって「馬の骨」を使うことは、相手をけなす意味に捉えられてしまうので、公の場では使用は避けた方がよい言葉です。

「馬の骨」の例文

「馬の骨」の言葉を使った例文は以下の通りです

使い方・例文
  • どこの馬の骨ともわからないやつに、うちの大事な娘を渡さんぞ。
  • どこの馬の骨とも知れない私に、このような機会を与えてくれてくださり、本当にありがとうございます。
  • あんなどこの馬の骨だかわからないようなよそ者に、跡継ぎが務まるわけなかろう。

「馬の骨」の類義語・言い換え

「馬の骨」の類義語・言い換え

「馬の骨」の言葉を日常会話やビジネスシーンで、相手に対して使うことはほとんどないかもしれません。「馬の骨」はきつい言い回しになるので、近しい意味合いを伝える場合は、もう少し柔らかい言い回しになる類義語・言い換え表現を使うとよいでしょう。

身元不明・素性の知れない

「馬の骨」の類義語・言い換え表現には、「身元不明」「素性の知れない」があります。「身元不明」は、その人の出自や経歴など素性が明らかではないことを指し、「素性の知れない」は、正体がはっきりしない、性格や本性がわかりづらいさまを表す言葉です。どちらも「馬の骨」と近しい意味になりますが、「身元不明」は相手をあざける意味合いはありません。

いわれも知らぬ者

「馬の骨」を別の言葉に置き換えると、「いわれも知らぬ者」と言い換えられます。「いわれ(謂れ)」とは、由緒や来歴、物事が起こった理由のことをいい、「いわれも知らぬ者」で、出生や育ちがはっきりしない人、素性のわからない人間を指します。

正体不明・正体がわからない

「馬の骨」は「正体不明」「正体がわからない」とも似た表現になります。「正体不明」「正体がわからない」は、本当の姿、本性がわからないこと、謎めいているさまを表す言葉です。掴みどころがない、得体の知れない、何者かわからないといった意味にもなります。「身元不明」と同様に、「馬の骨」のような人を罵るニュアンスはなく、客観的な印象を持ちます。

「馬の骨」の対義語

「馬の骨」の対義語

「馬の骨」の言葉そのものに対する対義語はありませんが、「どこの馬の骨ともわからない」「素性が知れない」と反対の意味になる表現はあります

由緒正しい・由緒のある

「馬の骨」と反対の意味になる言葉に、「由緒正しい」「由緒のある」などがあります。「由緒」とは、物事が始まってから現在に至るまで、きちんとしたいわれのある、経緯・歴史のあるという意味になる熟語です。「由緒正しい」「由緒のある」と表現すると、「素性がしっかりしている」のほかに、「家柄が高貴である」「身分の高い」「名家生まれの」といった意味を持ちます。

家柄のいい・毛並みがよい

「馬の骨」の対義語として、「家柄のいい」「毛並みがよい」なども挙げられます。「家柄のいい」は、「由緒正しい」と同じ意味合いの言葉ですが、「家柄」は先祖代々の家系・歴史、先祖から受け継ぐ家の格式を意味し、家系や格式を褒める言葉です。「毛並みがよい」も名家に生まれたことを表現しています。

「馬の骨」を英語でいうと?

「馬の骨」を英語でいうと?

「馬の骨」は直訳すれば、「a horse’s bone」になりますが、素性の知れない人、身元不明の人といった意味にはなりません。日本語の「馬の骨」と同じ意味合いとなる表現には、「dubious character」や「a strange person」、「a person of doubtful origin」、「don’t know who he is」などがありますが、ほかにも「部外者・門外漢」を意味する「outsider」や「取るに足りない・名もない」といった意味になる「nobody」なども使用できます。

dubious character・a strange person

「馬の骨」を英語で表すと、「dubious character」「a strange person」などと表現できます。「dubious」は怪しい、疑わしいを意味する単語で、同じ意味合いを持つ「doubtful」より、さらに不審な、うさんくさい人物といったニュアンスがあります。「dubious character」は、日本語で得体の知れない人、うさんくさい人物、「a strange person」は奇妙な人、風変わりな人といった意味になるフレーズです。

a person of doubtful origin

「馬の骨」は、英語で「a person of doubtful origin」とも言い表せます。「a person of doubtful origin」は、素性のわからない怪しいやつ、出自がわからない人を意味するので、「馬の骨」と似たニュアンスで使用できる言葉です。「person」の代わりに男性なら「man」、女性なら「woman」にしてもよいでしょう。

don’t know who he is

「馬の骨」を英語で表現する際に使えるフレーズに「don’t know who he is」があります。「don’t know who he is」の前に主語を入れ、「素性がしれない」「誰だかわからない」といった意味になります。「he」はもちろん男性の場合に使いますが、女性であれば「she」、複数人に対してであれば「they are」と変える必要があります。また「nobody knows where he comes from (どこの馬の骨とも知れないやつ)」と英訳もできます。

まとめ

「馬の骨」とは、「どこの馬の骨だかわからない」「どこの馬の骨とも知れない」のように使われる、素性が不明な人をあざけるときに用いられる言葉です。「馬の骨」はあまり快い言葉ではないため、会話で相手に使用する際には、十分気をつける必要があります。「馬の骨」の意味や語源、使い方などを知識として身に着け、教養を深めていきましょう。

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