「仇討ち」の意味や使い方とは?「敵討ち」との違い、歴史・ルール・類語も解説

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    「仇討ち」とはどんな“仕返し”であり、どのような制度であるのかをご存知ですか?これらは、日本人の気質や歴史を語る上で重要な側面を持っています。本記事では「仇討ち」の歴史を紐解き、有名な仇討ち事件や言葉の由来、類語などを書き記していきます。

    目次

    「仇討ち」の意味とは?

    「仇討ち」の意味とは?

    はじめに、「仇討ち」とはどのような言葉なのか、本質的な意味や読み方を理解しましょう

    「仇討ち」の読み方

    「仇討ち」の読み方は「あだうち」です。「仇」は「かたき」とも読みますが、この場合は「かたきうち」と読まないことに注意しましょう。「かたきうち」は「敵討ち」が正しい漢字表記であり、それぞれの字を繋げた「仇敵」は「きゅうてき」と音読みになります。

    「仇討ち」は「仕返しに殺して恨みを晴らすこと」の意

    「仇討ち」が意味するのは、「自分の主君や肉親などを殺した者を討ち取って、恨みを晴らすこと」です。武家社会を中心とした中世期頃から江戸時代までの慣習でしたが、現代では単なる「仕返し」の意味も含まれています。

    「仇討ち」と「敵討ち」は、いずれも「恨みのある相手を討つ(殺す)こと」で意味の大きな違いはありません。しかしながら、「敵(かたき)」が争いに限らず競争や勝負事における相手を広くいうのに対し、「仇(あだ)」は仕返しをするべき憎い相手を指しています。漢字の意味を拾うのであれば、「仇討ち」の方がより真意に近づくといえるでしょう。

    「仇討ち」の由来・語源

    「仇討ち」の由来・語源

    現代では映画の中などでしか見られない「仇討ち」に、今も胸を打たれる日本人が少なくないのはなぜでしょうか。本項では「仇討ち」がどのような制度であったのか、歴史と由来を辿っていきます

    「仇討ち」の歴史とルール

    「仇討ち」は武士の起こりとともに広まり、江戸幕府によって法制化した私刑制度です。江戸時代では公権力で処罰しきれなかった加害者を、被害者側が主君に届け出ることで「仇討ち」をすることが認められていました。原則的に許可されていたのは武士階級のみですが、士分でない身分においても黙認され、所業を誉れとする向きもあったそうです。なお、この時代の「仇討ち」は喧嘩両成敗の思想が大元にあり、武士の面目や矜持を守ることにも繋がっていました
    「仇討ち」の決まり事として挙げられるのは、以下となります。

    ・主君(藩庁)に免状を貰い受けるほかに、他の藩をまたいで討つ場合は、奉行所への届け出が必要になる。
    ・無許可で「仇討ち」を行って役人に認められない場合は、殺人罪として罰せられる。
    ・「仇討ち」を迎え撃つ側が返り討ちにすることは認められているが、討たれた側がさらなる「仇討ち」を重ねることは禁止されていた。

    なお「仇討ち」は明治6年、政府により「復讐ヲ嚴禁ス(敵討禁止令)」が布告されて以来、禁止となっています。

    「仇討ち」の漢字語源

    「仇討ち」の「仇」は、「あだ」や「かたき」のほかに「つれあい」とも読みます。本来「仇」は、対比するものや自分の向かい側の意であり、広い範囲の相手を指している漢字です。自分とは反対の相手であることから、競争する敵や配偶者を意味することになります。また「恩を仇で返す」ということわざがありますが、ここでの「仇」は恩とは反対となる害を与えるということを意味しています。

    「仇討ち」の類義語・言い換え

    「仇討ち」の類義語・言い換え

    本項では「仇討ち」の類語を紹介していきます。いずれの語句も「危害を加えた者に仕返しをすること」が共通点となっています。

    1.報復

    「報復」とは、「被害を受けた側が加害者に対して相応の仕返しをすること」です。とりわけ国際関係に用いられ、他国から不利益を被った国が、相手国に同じような不当な行為で報いることを意味しています。

    2.返報(へんぽう)

    「返報」とは、「他人から受けた被害に対して相応の報いをすること」です。その反対に、「他人が自分にしてくれた恩恵に報いること」でもあり、それらの行為や金品を意味する場合もあります。

    3.御礼参り

    御礼参りとは、「ヤクザなどが自分の悪事を通報したり、不利な証言をしたりした者に仕返しをすること」です。もう一方では、神仏に対して願望が成就した礼に参詣することを指しています。

    4.意趣討ち・意趣返し・意趣晴らし

    「意趣討ち(返し)(晴らし)」とは、いずれも「ひどい目に遭わせた相手に復讐して恨みを晴らすこと」です。そのうち「意趣討ち」は「意趣斬り」ともいい、相手を殺すことをいいます。「意趣」は恨みが積もった心を意味しており、これらを思い知らせることが「討ち」や「返し」などの言葉に含まれています。

    5.遣り返し

    「遣り返し」は、「相手からの仕返しに対抗して自分も同じようなことをする」意味で使われます。相手の非難や攻撃を反対にやり込めることであり、どちらかというと「仇討ち」よりも返り討ちに近い言葉です。そのほか、「遣り返し」には何かをやり直すことの意も含まれています。

    6.竹箆返し(しっぺがえし)

    「竹箆返し」とは、「その場で即座に仕返しをすること」です。「竹箆」は禅宗の指導者が戒めのために用いる仏具で、修行者の肩を打つなどの使い方をします。そのほかにも、修行者同士が互いに打ち合うこともあったようです。「竹箆返し」は竹箆で打たれたところを、その場で打ち返す動作が由来になったものです。

    7.雪辱を果たす

    「雪辱を果たす」とは、「以前負けた相手に打ち勝って、失った名誉を取り戻すこと」です。「雪辱」の「辱」は恥やはずかしめのことで、「雪」はそれらを「雪(すす)ぐ=消し去る」ことに当たります。「雪辱を晴らす」という使い方もありますが、雪ぐと晴らすの意味が重複するため、「雪辱を果たす」の方がより適していると考えられます。

    歴史上の有名な「仇討ち」事件

    歴史上の有名な「仇討ち」事件

    血生臭いようで武士道の鑑でもあった「仇討ち」は、どのような事件として日本史に残っているのでしょうか?ここでは、代表的な「仇討ち」のエピソードを取り上げています。

    日本三大仇討ち

    歴史上の三大仇討ちとは、「曾我兄弟の仇討ち」と「伊賀越えの仇討ち」、「赤穂浪士の討入り」を指しています。
    以下に事件の概要を記しています。

    ・曾我兄弟の仇討ち(現:静岡県富士宮市)
    1193年に、曾我十郎祐成と五郎時致が、父の敵である工藤祐経を討ち取った事件です。兄の十郎祐成はその場で討たれ、弟の五郎時致は後に斬首となりますが、長年の本懐を遂げた「仇討ちの模範」とされています。

    ・伊賀越えの仇討ち(現:三重県伊賀市小田町)
    1634年、渡辺数馬と荒木又右衛門が、数馬の弟の仇である河合又五郎を討ち果たしました。これらは歌舞伎や舞台の題材になることが多く、「鍵屋の辻の決闘」とも呼ばれています。又右衛門の「36人斬り」が有名ですが、実際には誇張されたエピソードだということです。その後の又右衛門の死が不可解であることから、さまざまな陰謀説が流れる事件として知られています。

    ・赤穂浪士の討入り(現:東京都墨田区両国)
    「忠臣蔵」で親しまれている赤穂事件は、赤穂浪士47名が主君の敵である吉良上野介を斬ったお話です。「仇討ち」は目上の近親者の敵を討つ例が多い中で、主君のために復讐を果たした代表的な事件といえます。

    日本史上最後の「仇討ち」が行われたのが、1880(明治13)年のことです。秋月藩家老の長男・臼井六郎が、幼い頃に暗殺された両親の敵を討つまでに13年の月日が流れていました。時代が江戸から明治に移り変わったことによって、本来は称賛されるべきところを断罪される結果となった悲しい事件です

    「仇討ち」を英語でいうと?

    「仇討ち」を英語でいうと?

    「仇討ち」を英語にすると、「revenge」や「vengeance」が該当します。いずれも「復讐」や「報復」などと訳される単語です。「seek vengeance on(~への復讐を企てる)」や「take vengeance on(~に仇討ちをする)」などの使い方をします。

    「仇討ち」の使い方・例文集

    「仇討ち」の使い方・例文集

    「仇討ち」を使った文章のサンプルは以下の通りです

    ・仇討ちを終えるまでは国もとへの帰参はならない、と自らに言い聞かせて旅立った。
    ・積年の怨みつらみのこもった仇討ちの現場は、凄惨を極めた。
    ・亡き両親の仇討ちを果たすまで、あの男のことは決して忘れないだろう。
    ・仇討ちは、日本人の義を重んじる精神の上にあり、武士の美徳とされてきた制度である。

    まとめ

    「仇討ち」とは、親兄弟が殺された復讐を果たすために加害者を討つことです。中世から明治時代に禁止されるまで続き、江戸時代には仇討ち許可証が必要とされていました。「仇討ち」と「敵討ち」に違いはなく、現代では「仕返しをする」意で「敵討ち」を使う場面の方が多くなっています。

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