自分と何かした関係がある人が入院した際に、「お見舞金」を渡す場合があります。入院をされる人は心身が弱っているでしょう。訪問したとき、不快にはさせたくないですよね。この記事では知っておきたい「お見舞金」の礼儀やマナーについても紹介します。
「お見舞金」の意味とは?
「お見舞金」とは親戚や友人、会社関係の人などが怪我や病気で入院した際、または火事や台風などの災害に遭った際に、「お見舞金」として贈るお金のことです。お見舞金を渡す目的は、相手を慰める気持ちとして渡すことです。
お見舞金に特に決まりはなく、相手に喜ばれるお見舞いの品がわからず、代わりとしてお見舞金を用意する場合が多いようです。
ただ、あくまで自分の気持ちを表すものなので、持参しなければならないといったルールはありません。
「お見舞金」の金額相場について
お見舞金の意味について紹介しましたが、いくらが望ましいのか、または望ましくないものがあるのか気になりますよね。実際にお見舞金を持っていく場合、その相場や、お見舞金を用意する上での注意点について紹介します。
関係性によって変化する
お見舞金は関係性によって相場が変化します。お見舞金は多すぎても短すぎても好ましくないものです。これから紹介する相場を参考に、自身との間柄や、お世話になった程度によって金額を決めましょう。
親や兄弟などの親族
親、兄弟などの、親族は5,000円から10,000円が相場です。ただ、普段から親しい間柄であれば10,000円以上用意する場合もあります。また、地域の風習によって相場が決まっている場合があるので、親族にお見舞金を用意する場合は事前に相談するのもいいでしょう。
友人
プライベートの友人は3,000円から5,000円が妥当とされています。親族あてのお見舞金より低い理由は、快気祝いのお返しで負担をかけさせてしまい、かえって相手を委縮させてしまう可能性があるからです。こうなるとお見舞いの意味がないので、お見舞金の代わりに、お見舞いの品を用意するのもいいですね。
仕事関係の人
仕事関係の人に対するお見舞金は立場によってさまざまです。同僚や部下には3,000円から5,000円が妥当とされています。
一方、上司や目上の人に対してですが、相場は3,000円から10,000円とされています。しかし、目上の人に対してお見舞に現金を贈ることは、失礼であるといった意見もあります。なので、現金の代わりに、金額相当のお見舞いの品を用意するのがよいでしょう。ちなみに、現金を渡す場合は、包みに「御見舞」ではなく「御伺い」と書くのが礼儀とされています。
その他にも社長や取引先への相場は10,000円から30,000円とされています。ただしこれは、個人として渡すのではなく、連名を募って、会社名義で渡されることが一般的です。
お見舞品について
お見舞いの品は先ほど紹介した相場を参考にした品物を用意するのが一般的です。お見舞いの品としてふさわしいのは、お花や、パジャマ、寝具、フルーツとなっています。しかし、すべてにおいてふさわしいというわけでもなく、お花は病院によっては歓迎されない場合があり、マイナスイメージを連想させる花は避けた方がいいですね。お見舞いのお花で好ましいのは、花言葉に「希望」があるひまわりなどです。
パジャマも病床生活を連想させることから、種類は慎重に選ぶ必要があります。フルーツも本人が食べられる状態であることを確認したうえで、盛り合わせよりは保存ができる加工品やジュースがおすすめですね。
新札はNG
お見舞金には新札を用意することはNGとされています。理由は、新札には「入院することを望んで、あらかじめ用意していた」と感じさせてしまう可能性があるからです。もし手元に新札しかない場合は折り目をつけることがマナーとなっています。
用意する金額に注意が必要です。死と無と苦を連想させることから、4と6と9の金額は避ける必要があります。
「お見舞金」の封筒の選び方・書き方
お見舞金の金額が用意できたら、次は封筒の選び方・書き方を紹介します。
不祝儀は使用しない
お見舞金は必ず包んで渡す必要がありますが、ここでは不祝儀ではなく紅白の結びきりを使った祝儀袋を使うのが正解です。結びきりには病気を繰り返さないで欲しいといった願いが込められています。
病気が事故による入院は不幸な出来事なので、不祝儀袋を選んだ方がいいのではと思われがちですが、本来、不祝儀袋は通夜や葬儀で使われるものなので、失礼とされています。また、祝儀袋に抵抗がある場合は白い封筒でもいいようです。
表書きの書き方
袋に表書きする際は縁起の悪い「四文字」を避けつつ、「御見舞」と書きましょう。また、目上の人には先述したように「御伺い」とすることで失礼なく渡せます。
「お見舞金」に手紙を添える場合
お見舞金に手紙を添えるケースは他の事情があってお見舞いにいけないときや、遠方のため来院できないときになります。そのときにお見舞いに手紙を添えて、郵送します。手紙を書く際の注意点は不吉な出来事を連想させる「忌み言葉」や「忌み数」を使わないことです。例えば、4という数字は死を連想しますよね。このように、不幸をイメージしやすいものはときとして、相手を不安にさせてしまう可能性があるので、注意が必要です。
「お見舞金」の渡し方
お見舞いが用意できたら次は渡し方です。順に紹介していきます。
訪問の際の注意点
訪問するときの注意点は相手の迷惑にならないよう訪問することです。入院直後や手術前後、約束なしの訪問は避けましょう。事前に面会時間を確認し、お見舞いをする旨を相手などに伝えておくことを忘れないようにしましょう。
「お見舞金」を渡すタイミング
実際にお見舞いすることが決まりましたら、次は渡すタイミングです。お見舞いを贈るタイミングは病室に入った後、お見舞いの言葉をかけた直後はふさわしいとされています。また、面会時間は相手に負担をかけないよう15分から、長くても30分程度に留めましょう。
もし「お見舞金」をもらったら
もし自身が仮に怪我などで入院した場合、お見舞金をもらう場合があるでしょう。ここでは逆にもらう立場になったとき、お返しするタイミングや品物はなにかを紹介します。
お返しのタイミング
お見舞金をいただいたら退院後早くて10日以内、遅くても1カ月以内が返すタイミングとされています。
お返しの品物
お返しの品物はもらった額の半分から3分の1程度がよいそうです。具体的な品物は砂糖や石鹸などの消耗品・嗜好品といったように形に残らないものが最適といわれています。ただ、お返しの品を選ぶ際に大切なことはお見舞金にいらっしゃった人への感謝の気持ちですね。
「お見舞金」の英語表現
アメリカでは直接的なお見舞いという意味の言葉はありません。なので、以下のような方法でお見舞いを表現します。
A present to express sympathy for the patient in the hospital.(入院中の患者さんへのお見舞いの気持ちを込めてプレゼントを贈ります。)
入院中の患者さんに同情を表して、その気持ちを表すプレゼントをお見舞いの品と訳して使います。
まとめ
「お見舞金」とは親族や仕事先の人など、近しい人が災害などで入院した際に、贈るお金のことです。間柄によって値段が変化します。
「お見舞金」を目上の人に贈ることは失礼とみなされる可能性があるため、金額相応の「お見舞いの品」を用意するのがいいですね。
お見舞金を包む袋は不祝儀袋ではなく、結びきりの水引を用いた祝儀袋になります。また、用意する金額は4と6と9のように、不幸を連想させる「忌み数や」、「忌み言葉は」避けましょう。
来院の際は入院直後や、手術前後はさけ、事前に訪れることを先方に伝えてからお見舞いをしましょうね。お見舞金を渡すタイミングは病室でお見舞いの言葉をかけたあとがふさわしいです。
また、相手の負担をかけぬよう、長居は避けた方がいいですね。
お見舞いの際に大事なことは、相手の状態を気遣い、体調の回復を願うことです。あらゆる点において気遣いが必要な場面なので、失礼のないよう、ポイントはしっかり押さえましょう。