「求道者」の意味は知っていますか?使われている漢字から推測すると、いかにも「その道を極め求めている人のこと」ととらえますが、正しい意味を説明できますか。この記事では、「求道者」の読み方や類語・英語、使い方をわかりやすく例文解説しています。
「求道者」の読み方
「求道者」を深く理解するために、まずは使われている3つの漢字それぞれの読み方を一つずつ深掘りしていきます。
- 「求」は音読みで「キュウ/グ」訓読みで「もと(める)・もと(む)」と読みます。
- 「道」は音読みで「ドウ/トウ」訓読みで「みち/い(う)/みちび(く)」と読みます。
- 「者」は音読みで「シャ/ジャ」訓読みで「もの」と読みます。
それぞれ3つの漢字の音読みを組み合わせ、「求道者」は「きゅうどうしゃ・ぐどうしゃ」と読みます。
「求道者」の意味とは?
「求道者の読み方」で解説したように、「求道者」は「きゅうどうしゃ」または「ぐどうしゃ」と読みますが、読み方により使われる状況や場所が変わってきます。読み方の違いによる意味をひとつずつ見ていきましょう。
「求道者」を「ぐどうしゃ」と読む場合の意味
「求道者」の意味を深く理解するために、使われている3の漢字それぞれの意味を一つずつ深掘りしていきます。まずは「ぐどうしゃ」と読む場合から見ていきましょう。
- 「求」は「さがす・もとめる・さがしもとめる/ほしがる/のぞむ」を意味します。
- 「道」は「人が行き来するためのとおりみち/人が守り行うべき決まり/語る・述べる・唱える/手引きする・導く/日本における昔の地域区分(東海道・山陽道など)/北海道の略(都道府県の道)/学問や芸術の技術」の意味があります。
- 「者」は「特定の人やものを指し示す」言葉です。
それぞれ3つの漢字の持つ意味を組み合わせると、「求道者」は「もとめる・学問や芸術の技術・人」となり、「仏教を求める人」を意味する仏教用語となります。
「求道者」を「きゅうどうしゃ」と読む場合の意味
次に、「求道者」を「きゅうどうしゃ」と読む場合について解説します。「求道者(きゅうどうしゃ)」の意味を深く理解するために、使われている3の漢字それぞれの意味をあらためて一つずつ深掘りしてみましょう。
- 「求」は「さがす・もとめる・さがしもとめる/ほしがる/のぞむ」を意味します。
- 「道」は「人が行き来するためのとおりみち/人が守り行うべき決まり/語る・述べる・唱える/手引きする・導く/日本における昔の地域区分(東海道・山陽道など)/北海道の略(都道府県の道)/学問や芸術の技術」の意味があります。
- 「者」は「特定の人やものを指し示す」言葉です。
それぞれ3つの漢字の持つ意味を組み合わせると、「求道者」は「真理や悟りを求めて修行する人」を表す言葉です。
キリスト教における「求道者」の意味
キリスト教における「求道者(きゅうどうしゃ)」の意味は、上の項で解説したように「真理や悟りを求めて修行する人」ですが、分かりやすい言葉に置き換えると「洗礼を受ける前の人」「洗礼を受ける準備をしている人」「聖書に基づいて祈りを捧げる人」「クリスチャン」「キリスト教信者」になります。
キリスト教以外での「求道者」の意味
キリスト教以外でも「求道者(きゅうどうしゃ)」は使われ、その場合には「修行を積む人」を指します。柔道や書道、剣道や華道などにおいて、それらの道を極めるために修行を積む人のことを指します。
「求道者」の類義語・言い換え
「求道者」の類義語・言い換えは次の言葉があげられます。
- 修行者(しゅぎょうじゃ・すぎょうじゃ)
- 宗教者・信仰者(しゅうきょうしゃ・しんこうしゃ)
- 聖人・聖者(せいじん/しょうにん・せいじゃ)
- 持経者(じきょうしゃ)
- 探究者(たんきゅうしゃ)
ひとつずつ見ていきましょう。
「求道者」の類義語・言い換えその1「修行者」
「求道者」の類義語・言い換えの1つ目は「修行者」。「しゅぎょうじゃ・すぎょうじゃ」と読み、「修行者」の意味を深く理解するために、使われている3の漢字それぞれの意味を一つずつ深掘りしてみましょう。
- 「修」は「おさまる・正しくなる・整う/おさめる・正す/学ぶ・身に着ける/飾る/書物にまとめる/美しい・立派」を意味します。
- 「行」は「いく・あるく・進む/動かす/おこなう・する・成す/道のり/旅/経過する/書物/おこない・ふるまい/列/商店・仲介所」の意味があります。
- 「者」は「特定の人やものを指し示す」言葉です。
それぞれ3つの漢字の持つ意味を組み合わせると、「修行者」は「仏道修行をする人・武芸を修行する人」を表す言葉で、「求道者」の類義語です。
「求道者」の類義語・言い換えその2「宗教者・信仰者」
「求道者」の類義語・言い換えの2つ目は「宗教者・信仰者」。「宗教者」は「しゅうきょうしゃ」と読み、「特定の宗教に深く通じていて、その研究や布教活動に従事する者」を意味します。具体的には、神父さんやお寺の住職などです。
「信仰者」は「しんこうしゃ」と読み、「信者(しんじゃ)・信徒(しんと)」とも言います。「信仰者」とは、「ある宗教を信じている者」を指します。そこから転じて、宗教でなくとも人物やブランドや会社などの思想に傾倒して、それらに熱心になる人のことをいいます。
「求道者」の類義語・言い換えその3「聖人・聖者」
「求道者」の類義語・言い換えの3つ目は「聖人・聖者」。「聖人」は「せいじん・しょうにん」と読み、読み方によりそれぞれ意味が少し異なります。
- 「聖人」を「せいじん」と読む場合の意味は、「人徳や高い学識や深い信仰を持つ人」で「聖者(せいじゃ)」と同義語です。
- 「聖人」を「しょうにん」と読む場合「知恵が広く、慈悲深い人・徳を積んだ僧」を意味します。
ちなみに「聖」には「かしこい/天子の尊称」の意味があります。
「求道者」の類義語・言い換えその4「持経者」
「求道者」の類義語・言い換えの4つ目は「持経者」。「じきょうしゃ」と読み、「持経者」の意味を深く理解するために、使われている3の漢字それぞれの意味を一つずつ深掘りしてみましょう。
- 「持」は「もつ・手にとる・身につける/たもつ・まもる・ささえる」意味があります。
- 「経」は「時間がたつ・経過する/統治する・営む/織物の経糸/たて/南北・上下方向/道筋・道理/測量する/つね・変わらない/法則/物のすじみちや不変の道理を説いた書物」を意味します。
- 「者」は「特定の人やものを指し示す」言葉です。
それぞれ3つの漢字の持つ意味を組み合わせると、「持経者」は「常に経典を受持し、もっぱら読経する人」を表す言葉で、「求道者」の類義語です。
「求道者」を英語でいうと?
「求道者」を英語でいうと、次のような表現ができます。
- investigator
- catechumen
ひとつずつ見ていきましょう。
「求道者」を英語でいうと?その1「investigator」
「求道者」を英語でいう場合の1つ目は「investigator」。一般的には「調査員・審査官・研究者」の意味で使われている単語ですが、「求道者」の意味もあります。どのような使いまわしをするのか、例文で見ていきましょう。
He is a person who feels awesome as an investigator.(彼は求道者としてすばらしい人だ。)
「求道者」を英語でいうと?その2「catechumen」
「求道者」を英語でいう場合の2つ目は「catechumen」。「求道者」以外にも「入門者・初心者」の意味があります。どのような使いまわしをするのか、例文で見ていきましょう。
He is a truly catechumen.(彼は真の求道者だ。)
「求道者」の使い方と例文集
次に、「求道者」の使い方と例文を見ていきましょう。
「求道者」はどんなタイプの人?「求道者」の使い方
「求道者」の本来の意味は「仏教を求める人」「真理や悟りを求めて修行する人」ですが、転じて「一つの道を極める者」の使い方をします。わたしたちの日常生活においての「求道者」は、このような人のことを指します。
- ひとつのある道を極めるために、わき目を触れずに邁進に勤しむ人
- 周囲からの評判や批判などに耳を傾けない人
- ひとつの道を極めるためならば、禁欲する人
- ひとつの道を極めるための、自分自身のやるべきこと・ルーティンを分かっていてそれを実行している人
「求道者」の例文
「求道者」の例文を見ていきましょう。
- 若い頃は散々遊びまわっていた彼が、まさか出家して求道者になるとは誰も予想しなかった。
- スポーツ選手がトレーニングに取り組むその姿は、まるで求道者かのようである。
まとめ
「求道者」は読み方により意味が少し違う言葉。「ぐどうしゃ」と読む場合には「仏教を求める人」を意味し、「きゅうどうしゃ」と読む場合には「真理や悟りを求めて修行する人」を表現します。「求道者(きゅうどうしゃ)」の意味から転じて、柔道や華道や剣道などその道にまい進する人を指し、スポーツ選手などに対してはそのまい進する様子をたとえる使い方もあります。