一年の計は元旦にありの意味と使い方は?由来やことわざの続き、英語表現を解説

「一年の計は元旦にあり」の意味と使い方は?由来やことわざの続き、英語表現を解説
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正月にまつわることわざ「一年の計は元旦にあり」を紹介します。実は、「一年の計は元旦にあり」の続きがあることをしっていましたか?意味や由来、英語表現などを解説します。正月の話題につかえる、ことわざの知識も満載です。

目次

「一年の計は元旦にあり」の意味は?

「一年の計は元旦にあり」の意味は?

ことわざ「一年の計は元旦にあり(いちねんのけいはがんたんにあり)」の意味を解説します。意味に加え、そもそも元旦とはいつなのか、どのようなニュアンスが含まれているかもわかります。

「元旦にその年の計画を立てるべき」

「1年の計画は、その年の元旦に立てるべきである」が、「一年の計は元旦にあり」の意味です。漢字「計」は「数や量をはかる」に加え、「くわだてる」や「はかりごと」も表します。

参照:Weblio辞書「一年の計は元旦にあり」

そもそも「元旦」とはいつか

「元旦」は「1月1日の朝」、つまり「1月1日の午前中」です。漢字「元」は、「はじめ」を表します。「元日」なら「(1年の)はじめの日」で、「1月1日」です。漢字「旦」は、「日が水平線(一)上にのぼる様子」を表す象形文字。「朝」、「明け方」の意味で使います。厳密にいえば「元旦」は太陽が昇るころ、早朝を表しますが、現在では大まかに「元旦の午前中」を指します。なお、「元旦」ではなく「一日の計は正月にあり」ともいいます。正月は1月1日から松の内まで。元旦か正月かの違いはありますが、「年始に計画を立てるべき」の意味は共通しています。

参照:Weblio辞書「元旦」

「何事も最初の計画が大切」

「一年の計は元旦にあり」は、文字通りの意味「1年の計画は、その年の元旦に立てるべきである」が転じて、「何ごとも最初の計画が大切」または「何かをするときは、最初にきちんと計画を立てるべき」の意味でも使われます。たとえば勉強や仕事などの目標に向かう場合、「一日の計は元旦にありだから」と最初に計画を立てます。「最初が肝心」のニュアンスを含むことわざです。

「一年の計は元旦にあり」の由来と出典

「一年の計は元旦にあり」の由来と出典

「一年の計は元旦にあり」は、中国から伝わりました。出典や由来、歴史上の人物の言葉を紹介します。

中国の『月令広義』

「一年の計は元旦にあり」の出典は、中国明時代の書物『月令広義(げつれいこうぎ)』です。『月令広義』は明の学者・馮応京(ふうおうけい)が記した、中国の伝統的な年中行事や儀式を解説した本です。そのなかに「四計」の項があり、「一日の計は晨(あさ)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり」と記されています。1日、1年、一生、一家それぞれの計画について述べているので「四計」です。「四計」のうち「一年の計は春にあり」が、「一年の計は元旦にあり」の由来です。「春」は中国で「新年」を表します。現代の中国でも「一年之計在于春」と、「一年の計は元旦にあり」と同じ意味のことわざが使われています。

毛利元就の言葉

実は、「一年の計は元旦にあり」の由来にはもう1つ説があります。戦国武将・毛利元就(もうりもとなり)が、長男・隆元(たかもと)に宛てた手紙が由来ではないかという説です。手紙には「一年の計は春にあり、一月の計は朔(ついたち)にあり、一日の計は鶏鳴(けいめい)にあり」の一節があります。このなかの「一年の計は春にあり」が、「一年の計は元旦にあり」に該当します。

平賀源内『風流志道軒伝』にも

江戸時代の学者・平賀源内が1763年に出版した滑稽本『風流志道軒伝( ふうりゅうしどうけんでん )』に「一日の計(はかりごと)は朝にあり、一年の計は元日にあり」と記されています。ただし、『風流志道軒伝』は『月令広義』と毛利元就の時代から約200年後の出版です。由来ではありませんが、既に「一年の計は元旦にあり」が広まっていたと考えられます。

「一年の計は元旦にあり」の使い方・例文

「一年の計は元旦にあり」の使い方・例文

「一年の計は元旦にあり」を使った例文を挙げます。「何ごとも最初の計画が大事」のニュアンスに注目してチェックしてください。

使い方・例文
  • 「一年の計は元旦にあり」といいますし、今年の正月休みは公私それぞれの目標を立てました。
  • 「一年の計は元旦にあり」なので、新年早々ダイエットの計画を立てた。にもかかわらず、しっかり正月太りをしてしまった。
  • いきなりプロジェクトに取りかからず、まず行程目安と計画を立てるべきです。「一年の計は元旦にあり」ですよ。
  • 「一年の計は元旦にあり」ではないが、どんなことでも最初の計画が重要だ。

「一年の計は元旦にあり」の類義語と言い換え

「一年の計は元旦にあり」の類義語と言い換え

「一年の計は元旦にあり」と似た意味のことわざを紹介します。

「一日の計は朝にあり」

「一日の計は朝にあり」は、「一日の計は元旦にあり」とともに『月令広義』の「四計」に記されています。意味は「1日の計画は、その日の朝に立てることが大切」、転じて「何ごとも最初に計画を立てるべき」の意味でも使います。

「一日の計は朝にあり」

「一生の計は少壮(しょうそう)にあり」の意味は、「若いときに夢や目標をもち、計画を立てることが大切」です。「少壮」は「若くて意気盛んな様子」を表します。「人生は有限だから、早くから夢や目的をもつべき」という教訓のことわざです。

知っておきたい「正月にまつわることわざ」

知っておきたい「正月にまつわることわざ」

「一日の計は元旦にあり」以外にも、正月にまつわることわざがあります。代表的なことわざを挙げます。

「一富士二鷹三茄子」

「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」は、初夢で見ると縁起がいいものを順に並べたことわざです。江戸時代には広まっていたことわざですが、由来は諸説あり。一説では江戸幕府を開いた徳川家康と縁が深い、駿河(いまの静岡)の名物を並べたといわれます。富士山、そこに住む鷹、徳川家康も好物だったという茄子です。さらに、このことわざには続きがあり、「一富士二鷹三茄子」のあとは「四扇五煙草六座頭(しせんごたばころくざとう)」といいます。「座頭」は「盲目の琵琶法師」、または「盲目で琵琶や三味線の演奏、あるいは按摩や針で生計を立てていた人」の意味です。

「盆と正月が一緒に来たよう」

「盆(ぼん)と正月が一緒に来たよう」の意味は、「非常に忙しい様子」です。「盆」は、初秋におこなう先祖供養の行事「お盆」を指します。いずれも人が集まり、さまざまな準備が必要な行事であるため、その2つが重なったらさぞ忙しいだろうというたとえです。なお、「とても嬉しいことが重なる」意味で使われる場合もありますが、本来はそのような意味はありません。誤用に注意してください。

「門松は冥途の旅の一里塚」

「門松は冥途の旅の一里塚(かどまつはめいどのたびのいちりづか)」は、「正月はめでたいが、歳月が過ぎるたびに死に近づいている側面もある」意味のことわざです。「一里塚」は、江戸時代に全国の街道に作られた旅人の里程のために作られた塚。1里(約3.927km)ごとに土を盛り、樹木を植えたものです。人生を死に向かう旅に、門松を一里塚にたとえています。由来は室町時代中期の僧・一休宗純(いっきゅうそうじゅん)の狂歌「門松は冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし」です。「門松は冥途の道の一里塚」、あるいは「正月は冥途の旅の一里塚」ともいいます。

「一年の計は元旦にあり」の英語表現

「一年の計は元旦にあり」の英語表現

「一年の計は元旦にあり」と「一年の計は朝にあり」、それぞれの英語表現を挙げます。

「一年の計は元旦にあり」

「New Year’s Day is the day for planning the coming year.」が、「一年の計は元旦にあり」の英訳です。「New Year’s Day is the day for making plans for the coming year.」、または「Decisions made on New Year’s Day are the key to a successful year.」ともいいます。

「一日の計は朝にあり」

「一日の計は朝にあり」の英語表現は、「The first hour of the morning is the key of the day.」です。直訳すると「朝の最初の1時間が、その日1日のカギになる」。つまり「よい1日を過ごすには朝が大切」、「なにごとも始まりが肝心」の意味です。

まとめ

「一年の計は元旦にあり」は、「1年の計画は元旦に立てるべき」と同時に「何をするにも最初の計画が大切」の意味で使うことわざです。正月にちなんだことわざですが、初心や計画の大切さも表します。ビジネスシーンにも通じますね。

「一年の計は元旦にあり」の意味と使い方は?由来やことわざの続き、英語表現を解説

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