「ご配慮」という言葉はビジネスシーンでもよく耳にします。類語もたくさんあり、「ご配慮」「お気遣い」「ご考慮」などニュアンスが違います。「ご配慮」の正しい意味と使い方、英語表現も例文を紹介しわかりやすく解説します。
「ご配慮」の意味とは
「ご配慮」は考えたことを相手に配るという意味です。「ご配慮」は「配慮」に「ご」をつけた敬語表現です。「慮」は「おもんぱかる」とも読み、「 用心して考えをめぐらす」という意味があります。自分以外のことでどうしたらよいか考え、相手や物事に対して考えたことを配る、心を配るという意味を持ちます。ビジネスシーンでは、よく使われる言葉です。
「ご配慮」の読み方
「ご配慮」は「ごはいりょ」と読みます。「配慮」は「配」は「くばる」や「わりあてる」という意味を持ちます。「慮」は「思い」や「あれこれと思い巡らせる、あれこれと考える」の意味があります。
「ご配慮」の使い方と例文
「ご配慮」は、ビジネスシーンでは上司や取引先などに対して、会議での挨拶や、メールで非常によく使われます。「配慮」は「ご配慮」になると相手のしたことに対して、「ご」をつけない「配慮」は自分にしたことに対しての使い方です。間違って使うと恥ずかしいことになります。具体的にどのように使かったらよいか、例文を使って解説します。
目上の人に感謝の意味として使う
目上の人や取引先に「心配りをありがとうございます」の意味として使う例文です。
- ご配慮いただきありがとうございます。
- ご配慮に感謝申し上げます。
- いつもご配慮いただき誠に感謝しております。
目上の人にお願いをするときに使う
目上の人や取引先によく考えて返答してもらいときなどに使う例文です。
- この件につきましては、ご配慮いただけるようお願いいたします。
- ご配慮のほど何卒よろしくお願いいたします。
- 大変勝手を申しまして恐縮ですが、ご配慮を賜りますようお願いいたします。
注意を促すときに使う
相手の方に注意してもらいたいときによく使われる例文です。
- 本日の会議では、録画や録音は控えてくださるようご配慮をお願いいたします。(録画や録音はしないでくださいという意味になります。)
- 本日の件に関しましては、正式発表があるまで口外しませんようご配慮をお願いいたします。(正式発表までは口外しないでくださいという意味になります。)
自分の行動に対しては「配慮」を使う
「ご配慮」は敬語表現なので、自分に対しては「配慮」を使います。「配慮」を使った例文です。
- この件につきましては、私の配慮が足らず誠に申し訳ありませんでした。
- 本日は会場設定が遅れてしまいましたこと、私の配慮が足らず大変失礼いたしました。
- 本日は私の配慮が足らずこのような状態を招きましてお詫び申し上げます。
「気をつけます」では軽いイメージですので、ビジネスシーンでは自分が起こしたことに対しては「配慮が足らず」という表現にすると「真摯に受けとめている」という気持ちが伝わります。
「ご配慮」「お気遣い」「ご考慮」の違い
「ご配慮」には言い換えると「お気遣い」や「ご考慮」という言葉があります。ニュアンスが微妙に違いますので使い分けましょう。「お気遣い」と「ご考慮」の例文を使ってその違いを解説します。
「お気遣い」の使い方と例文
「お気遣い」は、「気遣う」の敬語表現です。相手をあれこれと気を使う、心づかいのことを意味します。「お気遣い」は「ご配慮」より、やや「心配」のニュアンスが強くなります。日常的は「気遣い」は「大丈夫?」を意味します。相手が自分を心配してくれているという意味になりますので、返答には「お気遣いありがとうございます」とお礼の気持ちを伝えます。「お気遣い」の例文を紹介します。
- いつもお気遣いいただき、感謝しております。
- 家族のことまでお気遣いいただきありがとうございます。
- 「気遣い」を使った例文では自分の至らなさに対して使います。
- 自分の気遣いが足らず、申し訳ありません。
「ご考慮」の使い方と例文
「ご考慮」は「考慮」の敬語表現です。相手のことを考えをめぐらすこと、よく考え合わせることを意味します。「ご配慮」に比べ、「ご考慮」は相手に対して「考えを巡らせる」というニュアンスが強くなります。「ご考慮」を用いた例文を紹介します。
- 勝手なお願いで誠に恐縮ですが、ご考慮いただければと存じます。
- このたびは人事の件につきまして、ご考慮いただきありがとうございました。
「ご配慮」の類義語・言い換え表現
「ご配慮」の類義語には、ご高配・お心配り、ご厚情、お心づくし、ご愛顧などたくさんあります。類義語の意味の違いを例文を使って解説します。
「ご高配」意味と例文
相手の配慮に対して高く敬意を示す意味があります。「ご配慮」よりあらたまった使い方です。「ご高配」を用いた例文を紹介します。
相手に対して使う言葉ですので、自分に使うことはありません。
「お心配り」意味と例文
「お心配り」は相手がいろいろと気を配ってくれること、気をつかってくれることを意味します。「お心配りを用いた例文を紹介します。
- お心配りいただきまして誠にありがとうございます。
- お心配り賜り、誠に恐縮です。
「ご厚情」意味と例文
「厚情」は相手から受けた「手厚い情け」や「思いやり」、「親切」の意味があります。相手に対してのお礼の言葉として使います。「ご厚情」の例文です。
「厚情」そのものが相手の好意を意味しているので、自分に使うことはありません。
「お心づくし」意味と例文
「お心づくし」は相手のために心をこめておこなうことをいいます。人ばかりでなく物に対しても使います。「お心づくし」を用いた例文を紹介します。
- 先日はお心づくしの贈り物をいただきまして、誠にありがとうございました。
- 本社に戻れたのは、先輩のお心づくしのおかげです。
「ご愛顧」意味と例文
「愛顧」とは目下の人を目をかけて引たてるという意味、引き立てられる側が使う言葉です。「ご愛顧」を用いた例文を紹介します。
- 平素より格別のご愛顧をあずかり、誠にありがとうございます。
- 今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
「ご配慮」英語でいうと?
英語には敬語がありませんので「ご配慮」を「配慮」を使った丁寧な表現にします。英語では「consideration」を使います。
英語の意味
「consideration」は名詞で「考慮・熟慮・じっくり考えること」の意味を持ちます。形容詞は「concirderate」で「思いやりのある」という意味になります。
英語例文
英語での例文と熟語を紹介します。
例文
・Thank you for your so much consirderation.(ご配慮ありがとうございます。)
・I appreiciate concern.(ご配慮ありがとうございます。)
熟語
・consideration of the question of~(~の問題の考察)
・consideration of ways to~(~する方途の考慮)
・consideration someone shows to~(~に対する配慮・おもいやり・気配り)
・consideration point(配慮点)
・accurate consideration(正確な考察)
・additional consideration(追加し考慮しなければならないこと)
・ample consideration(十分な考慮)
まとめ
「ご配慮」は「相手が自分に対して配慮をしてくれたこと」の敬語表現です。ビジネスシーンでは、目上の人が配慮してくれたことへの感謝の気持ちを伝えるときに、非常によく使われます。相手に配慮をお願いをするときにも使います。「ご配慮いただき」や「ご配慮賜り」などを使って目上の人に対しての気持ちを伝えましょう。類義語がたくさんありますので正しく使いこなせるようになれば、ビジネスシーンでワンランクアップできるかもしれません!