「ブルジョワ」の意味とは?類義語・対義語、使い方を例文解説!

ブルジョワ

フランスで生まれた「ブルジョア」という言葉には長い歴史があります。この記事では、「ブルジョア」の意味、由来とその変遷について解説します。「セレブ」との違い、歴史用語の「ブルジョワ革命」「ブルジョワ階級」なども紹介します。

目次

「ブルジョワ」の意味とは?

「ブルジョワ」の意味とは?

「ブルジョワ」という言葉は、中世から現代に至る過程の中で意味や定義が変化してきました。歴史を振り返りながら、「ブルジョワ」の意味の変遷を見ていきましょう。

中世ヨーロッパでは「中産階級の市民」

中世ヨーロッパにおいて「ブルジョワ」は、「中産階級の市民」を指す言葉でした。「中産階級」とは上流と下層の間に位置する階層で、富裕な商工業者や財産所有者がそれに当たります。こうした社会層を「有産者階級」と呼ぶこともあります。なお、上流市民に属するのは貴族、下層市民に属するのは労働者や農民です。

18世紀以降、封建的な体制を崩壊させようと人々が立ち上がります。近代社会が作られる発端となったこの「市民革命」は、「中産階級の市民」つまり「ブルジョワ」が主導したことから「ブルジョワ革命」とも呼ばれます。この「ブルジョワ革命」以降、「ブルジョワ」の概念が徐々に変化していきます。

近代資本主義社会では「資本家階級の人」

近世以降のヨーロッパでは、資本主義的な生産様式が形成されるようになりました。その資本主義の形成者が、商工業者たちでした。商工業者を指して「ブルジョア」と呼ぶようになり、やがて「ブルジョア」は資本主義の担い手としての「資本家」の意味を持つようになりました。

経済学者のマルクスと革命家のエンゲルスは1848年に刊行された『共産党宣言』の中で、近代資本主義社会では資本家である「ブルジョワジー」と、生産手段を持たない労働者である「プロレタリアート」の2大階層が社会を構成するという「両極分解論」を主張しました。このことから「ブルジョア」という語は「プロレタリア」に対立する概念として「資本家階級」を表すようになったのです。

おおむね蔑称として用いられるようになり、マルクスとエンゲルスは最終的に「プロレタリア」革命によって「プロレタリアート」が勝利し、資本を社会全体の財産に変えることで階級支配が消滅し協同社会が訪れるだろうと予言しました。

現代社会では「資産家」「金持ち」

20世紀後半以降の現代社会では、「人は皆平等」という考えから階級という概念が消失しました。そのため、階級の意味において「ブルジョワ」という言葉は使わなくなりましたが、姿を変えて存続しています。

現在では、「あの人はブルジョワだから」などと「裕福な人」「資産家」「金持ち」の意味で使います。ただし、皮肉めいた批判や嘲笑的な意味合いを含むことが多いです。

「ブルジョワ」の語源・由来

「ブルジョワ」の語源・由来

「ブルジョワ」の語源・由来を紹介します。

フランス語「bourgeois」が語源

カタカナ語「ブルジョワ」の語源は、フランス語の「bourgeois」が語源です。最初、市(いち)の開催される村、さらに転じて町または都市という意味でした。そして中世および近世になると町の人、町人身分、すなわち聖職者・貴族(上流階級)に属さず、肉体労働(下流階級)に従事せずに、生活を維持する者という概念に変わっていきました。

フランス語の「bourgeois」の由来をさらに遡ると、中世ラテン語の「burgus」であり、元の意味は「城砦・城塞(じょうさい)」でした。なお、英語「bourgeois」はフランス語を外来語としてそのまま取り入れたため同じスペルです。

軽蔑的な意味を含むこともある

現代の一般的な会話で使う「ブルジョワ」には、軽蔑的、嘲笑的な意味を含むこともあります。例えば「君の家はブルジョアだね」と言うと、「貴族気取り」「成金的な金持ち」という皮肉な意味になります。

また、「ブルジョワ」の対象は人に限らず、高価な物品に対しても使われます。「今ではあのブランドの服はブルジョアになったよ」と言うと、「もう手の届かない高級ブランドになった」という意味です。

「ブルジョア」の類義語・対義語

「ブルジョア」の類義語・対義語

「ブルジョア」の類義語・対義語を紹介します。

「ブルジョア」と「セレブ」の違い

「ブルジョア」の類義語には「セレブ」があります。
「セレブ」は「セレブリティー(celebrity)」の略語であり、意味は「名士」「著名人」「有名人」です。近年マスコミなどでは「セレブ」は有名な俳優やモデル、スポーツ選手、成功した実業家を指し、「お金持ち」「一流」などのニュアンスが伴います。

「ブルジョア」は富や資産を持っている「階級」を表す言葉ですが、一方「セレブ」は富裕者として個人の「生活状況」を指すという違いがあります。また、「ブルジョア」に侮蔑的なニュアンスを含むことがありますが、「セレブ」にはそうした意味合いを含まないことがほとんどです。

「ブルジョワジー」とは?

「ブルジョワ」は単数形で個人を指す言葉で、複数形の「ブルジョワジー」は階級としての「ブルジョワ」を表します。個人を指すか、階級を指すかで使い分けができ、「ブルジョワジー」は「ブルジョワ階級」と同じ意味です。

先述したとおり、18世紀において「ブルジョワジー」は市民革命で主体となった「市民階級」を指し、貴族や農民と区別して使われました。また、20世紀以降の共産主義思想の下で「ブルジョワジー」は「資本家」を指す言葉に転化しました。

対義語は「プロレタリア」

「ブルジョワジー」の対義語は「プロレタリアート」です。
「プロレタリアート」は、「労働者階級」の層のことです。つまり賃金で雇用されており、生産手段を有さない社会階級のことです。

雇用する側の資本家階級を指す「ブルジョワジー」に対して「無産階級」と言うこともあります。賃金労働者の個人は「プロレタリア」と呼ばれます。

「ブルジョワ」の使い方・例文

「ブルジョワ」の使い方・例文

「ブルジョワ」の使い方・例文を紹介します。

「ブルジョワ革命」

「ブルジョワ革命」は市民革命とも言い、封建制を一掃し、資本主義の発展を目指す政治的・社会的変革を指します。

一般に史上最初の「ブルジョア革命」とされるのは、17世紀にイギリスで起こった「ピューリタン革命」と「名誉革命」です。続いて18世紀最後の四半世紀に起こった「アメリカ独立革命」と「フランス革命」は「ブルジョワ革命」の典型的な事例とされています。なお、1868年に発生した日本の「明治維新」については、「ブルジョア革命」とする考えと絶対主義の形成とみなす意見が対立しています。

「ブルジョワ階級」

「ブルジョワ階級」は「市民階級」とも言い、戦士階級や農民階級と区別する「都市階級」を指します。

政治的な側面においては、近代民主主義の理念をかかげて封建体制を打破し、経済的には産業革命を主導し近代資本主義経済の体制を確立した人たちの総称です。

「ブルジョワ」は死語?

「ブルジョワ」は死語とまではいえませんが、嫌味、嫉妬や妬みのニュアンスも含まれるため、軽率に使うことを避けるべき言葉です。

「君はブルジョワだから、贅沢ができていいよね」など、人よりお金を持っている人に対して冷やかしたり、皮肉や冗談を込めたりして使います。

「ブルジョワ」を英語でいうと?

「ブルジョワ」を英語でいうと?

「ブルジョワ」は英語でどう表現するのでしょうか?

英語「bourgeois」を使用した例文

英語「bourgeois」を使用した例文を紹介します。

<例文>
It’s the party where only the bourgeois can go. (そのパーティーはブルジョアでないと行けません。)
There was no bourgeoisie here. (ここにはブルジョアのような中産階級は存在しませんでした。)

英語スラングは「boujee」

嫌味や皮肉のニュアンスも含む「ブルジョワ」には、英語スラングも存在します。
それが「boujee」という単語で、「ラグジュアリーな生活をする人、ハイクラスな物、リッチで優れたセンスを持つエリート」などという意味です。

この英語スラング「boujee」は、ラッパー3人で構成されたアメリカの人気ヒップホップグループ 「Migos(ミーゴズ)」 のヒット曲「Bad and Boujee」の歌詞で使用され、若い世代を中心に一気に広まりました。

まとめ

「ブルジョア」という言葉が多義的であるのは、中世以来から現代までその歴史的背景によるものです。現在日本では歴史的文脈から離れた意味を持ち、成金的な金持ちに対して「ブルジョワ」が使われるようになっています。

ブルジョワ

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