「報告書の書き方」に慣れないうちは、テンプレートを使うと時短できてスムーズなのでおすすめです。「報告書の書き方」の4つのNGポイントや5つのポイントを解説します。また、研修やセミナーの際の報告書の例文も紹介します。
報告書とは?
「報告書」とは、業務について報告するため部下から上司に提出する書類です。内容は研修やセミナーで学んだことや出張の成果、調査や研究の結果など多岐にわたります。
「報告書」の「書き方」の基本
「報告書」を読む上司は、自身の業務のほか部下の業務の進捗状況を把握したり相談に乗ったりと忙しい立場にいます。そのため、「報告書」は一読してわかるように書くのが基本です。文章を整理してわかりやすくするほか、レイアウトも読みやすく整えます。たとえば、少しのすきまもなく文字がぎっしり詰まっている文章は、それだけで読みにくい印象を与えます。段落の文頭にスペースを入れたり、箇条書きなどを使って見た目にメリハリをつけたりしましょう。
「報告書」の「書き方」【1】構成
「報告書」は、社内用のテンプレートがある会社がほとんどだと思われますが、もれのないように書くため、どのような項目や順番で構成するとよいかお伝えしていきます。
「報告書」の「書き方」の構成(1)年月日・時間・場所
「報告書」は、会社にとって1つの情報です。情報は常に更新されていきますので、いつの時点の情報かは重要なポイントです。年月日については、「報告書」を書いた際の年度では、読み手は当然のように今年度の「報告書」だと思って読みます。しかし、何年かたってその「報告書」を読むことが必要になった場合には、何年に書いた「報告書」なのかも知りたい情報です。そこで、年月日の記入が求められます。
時間と場所については、同様の出張や研修、セミナーを行う際に非常に参考になります。時間と場所を決定するのは、意外と労力のかかる作業です。時間は、先方との都合のすり合わせや準備の都合を考えて決定します。場所は、イベントの規模や参加人数や予算を考えて決定します。そういったことを考えると、例年どおりにしておくのが一番手間がかからないのです。
「報告書」の「書き方」の構成(2)記入者名
「報告書」を誰が書いたかというのも、必要な情報です。「報告書」の内容をもっと詳しく知りたい場合、現場にいた記入者に聞くのが一番正確だといえます。また、書いた「報告書」に責任を持つ意味からも記入者名は忘れずに書きましょう。
「報告書」の「書き方」の構成(3)標題
「報告書」の標題は、これから読む「報告書」が何について書かれているのかを示す役割を持っています。上司が特別に忙しい際には標題だけを読んで、すぐに読むべきか後回しでよいのかを判断する材料になります。
「報告書」の「書き方」の構成(4)要旨
「報告書」のテンプレートに要旨を書く欄が設けられていることは少ないですが、読み手の上司にとっては非常に助かる項目です。仕事は常に優先順位をつけて行うものですが、標題だけでは早い処理が必要かどうかわからない場合もあります。とはいえ、すべての内容に目を通すのは時間がかかりますので、内容をコンパクトにまとめた要旨が役に立ちます。
「報告書」の「書き方」の構成(5)詳細
詳細とは、報告する中身の詳細のことです。「報告書」の「書き方」【3】5つのポイントの「報告書」の「書き方」のポイント(2)のところで詳しく述べますが、ずらずらと長文を書くのではなく、小見出しをつけてわかりやすく書きましょう。
「報告書」の「書き方」【2】4つのNGポイント
「報告書」の「書き方」には、次の4つのNGポイントがあります。
- 結論が最後にある
- 言葉の重複がある長文
- 事実と所感が入り交じる文章
- あいまいな表現
「報告書」では、結論は常に最初に書きます。その結論になったことを踏まえて後の文章を読むほうが、読み手が頭の中を整理しやすく効率的だからです。一文に同じ言葉が重複して使われていると回りくどくて長文になりやすいので、できるだけわかりやすく短文にしましょう。また、事実と自分の所感(=感想)が入り交じっていると読みにくいので、明確にわけて書きます。事実を書く部分には、「~のようです」などのあいまいな表現は避けましょう。
「報告書」の「書き方」【3】5つのポイント
「報告書」の「書き方」には、以下の5つのポイントがあります。
- 結論から書く
- 見た目をすっきりとさせる
- 実際に行った内容と自分の所感をわけて書く
- 具体的な数字を書く
- どのような「報告書」が求められているかを意識して書く
それぞれのポイントを見ていきましょう。
「報告書」の「書き方」のポイント(1)
「報告書」の「書き方」のポイントの1つ目は、「結論から書く」ことです。上司が一番知りたいのは結論ですし、結論を報告することが「報告書」の目的だといえます。結論を書いたあとで、その結論に至った経緯や理由を書くとよいでしょう。ただし研修・セミナーなどの場合は、先に研修・セミナーの内容を書いてから感想・所感を書くという順番のほうが自然な流れになります。調査・研究など結論を書く「報告書」の場合に、結論から書くようにしましょう。
「報告書」の「書き方」のポイント(2)
「報告書」の「書き方」のポイントの2つ目は、見た目をすっきりとさせることです。社内に「報告書」のテンプレートがある場合は、それぞれの項目を入力します。その際に、報告内容の詳細の欄が細かくわかれていないテンプレートもあります。そういう場合は、自分でかんたんな小見出しをつくって書くと上司が読みやすく、内容も頭に入りやすいでしょう。たとえば出張の報告書ですと、次のような小見出しをつけます。
- 目的
- 内容(具体的に何をしたか)
- 成果(〇〇円で契約できたなど)
- 所感(納品にあたって顧客が重要視しているのは品質なので、工場にはその旨伝える必要がある、など)
「報告書」の「書き方」のポイント(3)
「報告書」の「書き方」のポイントの3つ目は、実際に行った内容と自分の所感を明確にわけて書くことです。たとえば研修ですと、研修内容のプログラムが書類で配布されるでしょう。「報告書」の「内容(具体的に何をしたか)」の小見出しには、プログラムをそのまま書きます。そして、それについて自分がどう思ったかは「所感」の小見出しに書きます。内容と所感をわけずに書くと、上司が「報告書」を読みながら頭の中でわけて考えないといけなくなり、読みにくい「報告書」になってしまいます。
「報告書」の「書き方」のポイント(4)
「報告書」の「書き方」のポイントの4つ目は、具体的な数字を書くことです。たとえば展示会ですと、「多くのご来場者がありました」では報告者が「多い」と思ったという所感のようになります。今回の展示会の良かった点、改善すべき点を洗い出して次回の展示会に活かすための「報告書」ですから、以下のように具体的な数字を書きましょう。
- ご来場者256人
- アンケートの回収率40%
「報告書」の「書き方」のポイント(5)
「報告書」の「書き方」のポイントの5つ目は、どのような「報告書」が求められているかを意識して書くことです。自分が書いた「報告書」を誰がどのように利用するのかを考えます。課長に提出するのであれば、課全体の業務を視野に入れた「報告書」が求められますし、部長であれば部全体の業務を視野に入れた「報告書」が求められます。また、「報告書」をどのように利用するのかについては、「報告書」を書く際になって考えるのではなく、出張や展示会、研修やセミナーに行く前にその目的を知っておくことが重要です。目的を知っていれば出張や研修などの肝が見えてくるので、その肝を押さえた「報告書」を書けばよいでしょう。
「報告書」の「書き方」【4】例文・テンプレート
「報告書」の例文・テンプレートを、研修の場合とセミナーの場合にわけて紹介します。参考にしてみてください。
「報告書」の「書き方」の例文(1)研修
研修の際の「報告書」の例文・テンプレートは次のとおりです。所感は、研修をどのように業務に活かすかを中心に書きます。また所感は、簡潔にするため「ですます調」ではなく「である調」でよいのです。
令和○年○月○日
○○部
営業部長 〇〇 〇〇殿
(部署名)
(氏名)
○○研修受講報告書
このたび、標記の研修を受講しましたので下記のとおりご報告いたします。
記
日時 :〇年〇月〇日(〇) 〇時~〇時
場所 :〇〇センター 第三会議室
研修名 :「顧客の心をつかむ営業活動」
講師名 :株式会社〇〇コンサルティング 代表取締役 〇〇 〇〇氏
研修内容
(1)顧客の心をつかむ営業マナー講習
(2)顧客の心をつかむ営業電話応対講習
(3) 顧客の心をつかむビジネスメール講習
(4) 講師による総括
所感
・顧客の心をつかむ営業活動について学び、非常に参考になった。
・特にビジネスメールについては、読んでもらう工夫が必要であることがわかった。
・現状の営業活動における改善点を認識できた。営業部の売上アップをはかるため、今月の営業会議の際に情報共有を行いたい。
以上
(部署名)
(氏名)印
「報告書」の「書き方」の例文(2)セミナー
セミナーの際の「報告書」の例文・テンプレートは次のとおりです。年月日の年については、従来の報告書にならって、「令和」などの元号か西暦かを決めましょう。
令和○年○月○日
○○部
営業部長 〇〇 〇〇殿
(部署名)
(氏名)
「ビジネスマナーの新入社員向けセミナー」受講報告書
表題につきまして、先日受講のビジネスマナーの新入社員向けセミナーに関する報告をいたします。
記
- セミナー名:ビジネスマナーの新入社員向けセミナー
- セミナー会場:大阪支店ミーティングルーム
- セミナー日時:20××年×月×日13:00~15:00
- セミナー講師:××株式会社 大田洋子氏
- セミナー参加者:××年度入社の新入社員
- セミナー内容:
6-1. 基本の挨拶に関する講習と実習
6-2. 基本の電話応対に関する講習と実習
6-3. メール対応に関する講習と実習
6-4. 講師によるセミナーの総括
7. 所感
・社会人として身に付けるべき基本のビジネスマナーを学び、講師や他の参加者からアドバイスも得られた。
・セミナーで学んだことを活かして業務におけるビジネスマナーのスキルを高め、顧客との信頼関係を築いていきたい。
以上
(部署名)
(氏名)印
まとめ
「報告書」の「書き方」には5つのポイントがあります。誰に提出する「報告書」かを考え、「報告書」を書く出張や研修・セミナーの目的を意識して書くことが重要です。また、読み手の上司にとって簡潔でわかりやすい文章で、見た目も読みやすいように整えて書きましょう。