「ご相伴」の意味を知っていますか?昔からいままで長い間使われてきて、いまでもたびたび耳にする言葉です。ここでは「ご相伴」の意味や「お相伴」との違い、類語について解説します。一人前の社会人になるためにも覚えておきましょう。
「ご相伴」の読み方
「ご相伴」の正しい読み方を知っていますか?「ご相伴」はよく間違って読まれている言葉。ここでは「ご相伴」の読み方について解説します。「ご相伴」は社会人になるとよく耳にするようになる言葉ですので、読み方を知らないと大問題。いまのうちにしっかりと「ご相伴」の読み方は頭に入れておきましょう。
「ご相伴」は「ごしょうばん」と読む
「ご相伴」は「ごしょうばん」と読みます。間違って「ごあいはん」「ごそうはん」などと読むひとがいますが間違いですので、しっかりと正しいものを覚えましょう。
「ご相伴」は「御相伴」とも書く
「ご相伴」は「御相伴」と書くこともあります。「御」は「ご」や「お」と読み、丁寧さを表現するもの。ほかにも同じような使い方をして「御挨拶」「御揃い」「御便り」などのたくさんの表現についています。
「ご相伴」と「お相伴」はどちらも一緒
「ご相伴」と「お相伴」という2つの言葉がありますが、どちらも同じ意味です。多くのひとが混乱してしまう原因は「御相伴」と書いたときに「おしょうばん」「ごしょうばん」と2つの読み方があるからでしょう。しかしながら、前述のとおり、「ご相伴」も「お相伴」も同じ意味です。
「ご相伴」の意味とは?
「ご相伴」の意味を知っていますか?聞いたことはあるけど正しい意味がなんなのかは知らないひともいますよね。ここでは「ご相伴」の正しい意味について解説します。「ご相伴」の意味を知らないまま使っていると、相手とのあいだに微妙な認識のズレができてしまいます。しっかりと意味を覚えて、「ご相伴」を理解できるようになりましょう。
「ご相伴」は「連れしたがう」という意味
「ご相伴」は「付きしたがうこと」を指しています。具体的には「誰かに付き添うこと」「飲食の場でツレとしてもてなしを受けること」「ほかのひとのつりあいで利益を得ること」を指しています。
「ご相伴」は謙遜を表す言葉
「ご相伴」は謙遜を表す言葉です。「ご相伴」を使うことによって、「もてなしてくれている相手」や「メインゲスト」への敬意と謙遜を表しているのです。自分がいまどのような立場としてもてなしを受けているかが、「ご相伴」を使うかどうかを決めるポイントです。
「ご相伴」の由来・語源
「ご相伴」の由来・語源を知っていますか?実はほかの国から来たものではなく、昔から日本で使われている言葉なのです。ここでは「ご相伴」の由来・語源を紹介。「ご相伴」の由来・語源を知っていると、ほかの社会人とは一味違う会話ができるようになります。会話相手に学があると思わせるためにも、由来・語源は覚えておきましょう。
「ご相伴」の由来は茶道から
「ご相伴」の由来・語源は茶道にあります。茶道においてはメインの客を「正客(しょうきゃく)」といい、メインの客の付き添いを「相伴(しょうばん)」といっていたのです。そこで使われていた「相伴」に対して、丁寧さを表現する「ご」をつけることによって「ご相伴」となります。
茶道における「ご相伴」の役割
茶道においては「ご相伴」として同席したひとにも役割があります。それはお茶をいただいたときに「ご相伴いたします」と正客に対して声をかけることです。茶道では礼儀作法が重んじられているため、このような発言が作法のひとつとして定着していました。ここにももてなしてくれた相手と正客に対する感謝や謙遜が込められています。
「ご相伴」の類義語・言い換え
ここでは「ご相伴」の類義語・言い換えを紹介します。「ご相伴」は謙遜の意味が含まれている言葉ですので、自分の行為に対して使うのが正解。よって、本質的には同じ意味を指していても、場合によっては言い換えたほうがいい場合もあるのです。そんなときに大事になってくるのが「ご相伴」の類義語・言い換えです。社会人としてはぜひ覚えておきたいものです。
「ご相伴」の類義語1「付き添い」
「ご相伴」の類義語1つ目は「付き添い」です。「付き添い」は「世話などをするためにそばについているひとのこと」を指しています。「ご相伴」は「正客に付き添っているひと」のことを指しているので、「付き添い」は「ご相伴」の類義語なのです。
友人の付き添いで合コンに参加した。
「ご相伴」の類義語2「随行」
「ご相伴」の類義語2つ目は「随行」です。「随行」は「ずいこう」と読み、「供として付きしたがって行くこと」を指しています。主に「目上のひとに対して付きしたがうこと」です。また「随行員」という言葉で「大統領などに付きしたがっているひと」のことを指します。
大統領に随行して海外に行くことになった。
「ご相伴」の類義語3「随伴」
「ご相伴」の類義語3つ目は「随伴」です。「随伴」は「ずいはん」と読み、「随行」と同じように「供として付きしたがうこと」を意味しています。「随行」とは違って、ほかにも「あるものごとに伴って発生すること」という意味もあります。
会長に随伴してイタリアに行くことになった。
「ご相伴」の類義語4「お供する」
「ご相伴」の類義語4つ目は「お供する」です。「お供」とは「目上のひとに付きしたがっているひと」「付きしたがっていること」を指しています。「お供」には「付きしたがう」という意味をへりくだっていうことにも使われます。
先輩にお供して営業に向かった。
「ご相伴」の類義語5「饗応にあずかる」
「ご相伴」の類義語5つ目は「饗応にあずかる」です。「饗応」は「きょうおう」と読み、「供応」とも表記される言葉。「飲食物を提供して客をもてなすこと」を指している言葉です。よって、「饗応にあずかる」は「飲食物を提供され、もてなされる」という意味になるのです。
私は相伴として饗応にあずかった。
「ご相伴にあずかる」とは?
「ご相伴にあずかる」という言葉を聞いたことがありますか?多くのひとが聞いたことはあるけれど、その言葉について詳しくは知らないでしょう。ここでは「ご相伴にあずかる」について解説していきます。「ご相伴にあずかる」の意味や書き方を間違ったまま覚えていると恥ずかしいことになるかも。「ご相伴」を覚えるうえではセットで覚えておくべき表現ですので、しっかりと頭に入れておきましょう。
「ご相伴にあずかる」の意味
「ご相伴にあずかる」とは「付き添わせていただく」「お供する」「ご馳走になる」という意味です。「あずかる」は漢字で書くと「与る」となり、「関係する」「好意を受け取る」という意味になります。よって、「ご相伴」と一緒に使われることによって「付き添わせていただく」「お供する」「ご馳走になる」という意味になるのです。
「ご相伴に預かる」は誤記
「ご相伴に与る」のことを「ご相伴に預かる」と書くひとがいますが、これはよくある間違いです。「与る」は「関係している」などの意味を表しますが、「預かる」は「誰かに頼まれて物品などを保管したり世話したりする」という意味。それぞれの「あずかる」の意味を理解していると、間違ったまま使うことを避けられます。
「ご相伴」の使い方と例文集
「ご相伴」の意味や類義語を知っていても、実際に使えなければ意味がありません。ここでは「ご相伴」の使い方、例文を紹介します。実際にどのように使われているのか、どうやって使うのかを学ぶことによって、とっさの判断でも正しく「ご相伴」が使えるようになりましょう。
「ご相伴」の使い方
「ご相伴」は自分がメインではない状態でなんらかの恩恵を受けた場合に使います。そして、主に目上のひとに対して使う言葉。たとえば、「上司の付き添いで食事に行く」というケースにおいては、上司に向かって「ご相伴に与らせていただきます」というのがいいでしょう。以上のように「ご相伴」は自分と相手との関係性に加えて、自分がメインではないときに使う言葉なのです。
「ご相伴」の例文
「ご相伴」の例文は以下のとおりです。
- 友人のご相伴でパーティーに出席した。
- 出張土産のご相伴にあずかった。
- 先輩、ご相伴に与らせていただけませんか?
「ご相伴」を英語でいうと?
「ご相伴」を英語で表現すると「partake of」となります。具体的な使い方は以下のとおりです。
- He partook of the repast.(彼はご馳走のご相伴にあずかった。)
まとめ
「ご相伴」は「付きしたがう」という意味をもつ言葉。その意味をもって「ほかのひとの行きがかりで恩恵を受けること」「同席してもてなしを受けること」を表現します。自分が正客であるときには使わない表現です。使うときには自分がどのような立場として恩恵を受けているのかに注意しましょう。