「アビリティ」は類語表現が多い言葉なので、実際の意味がよくわからないという方も多いのではないでしょうか?今回は類語とセットで紹介するので、それぞれの意味を明確にした上で「アビリティ」についてわかりやすく解説します。
「アビリティ」の意味とは
「アビリティ」はビジネスシーンでよく使われる単語ですが、実際の意味をよく理解せず、フィーリングで使用している方も多いでしょう。まずは、「アビリティ」の持つ意味を解説するので、「アビリティ」が与える印象をイメージしながら理解するようにしてください。
能力や技能を表す言葉
「アビリティ」は、人が持つ物事に対する能力や力量を指す言葉です。「アビリティ」は、専門的な技術や能力をあらわすこともできますが、仕事に対する取り組みや姿勢など、総合的な能力を指すことが多いです。つまり、純粋な業務処理能力のほかに、行動や思想などの理念的な能力についても、「アビリティ」が使用されます。
英語の表記は「ability」
「アビリティ」は元々英語の「ability」から来ています。「ability」がカタカナのビジネス用語として使われるようになったのが「アビリティ」で、意味は英語でもカタカナでも同様の意味を持ちます。ちなみに、英語の「ability」は〜できるという意味を持つ「able」の語源となった言葉ともいわれています。いずれにしても、ポジティブな表現をするときにぴったりな言葉だといえるでしょう。
「アビリティ」の使い方
「アビリティ」はビジネス用語として使われることも多いですが、実はゲームの世界など、私たちの日々の生活の中にも存在しています。ここでは、「アビリティ」が普段どのように使われているのか、具体例をあげながら解説します。
ゲームの世界で用いられることが多い
ゲームの世界では、キャラクターの潜在能力をあらわす言葉として使用されることが多いです。一方、キャラクターが繰り出す技などは「スキル」と表現されることが多いので、ゲームによっては本来の意味を踏襲して使っている作品も少なくありません。
ビジネスの場では称える表現として使う
「アビリティ」はいずれの意味もプラスの表現をあらわす言葉なので、相手を称えるときに使うと有効です。相手が得意としていることや、高い潜在能力を称えるときに使うと、「スキル」との違いが明確になるので、なおいいでしょう。
「アビリティ」の関連語
「アビリティ」には類似した言葉だけではなく、関連性の高いワードもいくつか存在します。音が似ている言葉が多いので、はじめて聞くひとは混乱しやすいですが、ひとつひとつ詳しく解説するので、それぞれの違いを意識ながら覚えるようにしてください。
エンプロイメンタビリティ
「エンプロイメンタビリティ」は、直訳すると企業が持つ雇用能力を指します。英語の「employee(雇用)」と「ability」が合体した言葉です。「エンプロイメンタビリティ」は、企業が採用活動をする際に、人材を引き寄せるための能力と定義されており、雇用されるワーカーにとってずっと働き続けたい企業であるかなどを重視しています。つまり、企業側がワーカーに魅力を伝えられる能力のことを指しています。
エンプロイアビリティ
「エンプロイアビリティ」は、英語の「employ(雇用する)」と「ability」が組み合わさった言葉で、労働者の雇われる力をあらわしています。言い換えれば、企業がその人を獲得したいと思うような能力を指します。つまり「エンプロイアビリティ」を高めることは、自分の市場価値を高めることになり、転職や就職活動において有利になるといえるでしょう。
アクセシビリティ
「アクセシビリティ」は、英語で「accessibility」と表記し、意味は、近づきやすい、利用がしやすいなどの意味があります。一般的には、情報通信の業界で使われる言葉であり、誰でも機器や情報サービスをかんたんに利用できることをあらわす言葉です。「アクセシビリティ」はいろいろな製品に用いられる言葉です。つまり「アクセシビリティ」の高い商製品は、年配の方や障害を持った方でも、かんたんに扱えるものであるといえます、また、ウェブの機能の扱いやすさをあらわす「ウェブアクセスシビリティ」などが類語表現として存在します。
「アビリティ」の類義語・言い換え表現
「アビリティ」は似た形の言葉だけでなく、似た意味を持った言葉も多く存在します。ここでは「アビリティ」に類似した意味を持つ5つのワードを紹介し、「アビリティ」との違いについても解説するので、違いを意識しながら覚えましょう。
スキル
「スキル」は技能や能力という意味を持った言葉であり、努力や修練を積み重ねて会得した能力全般のことを指します。使い方としては、「田中さんの営業スキル」「鈴木さんの法務スキル」など、~スキルと表現し、各人が保有している能力をあらわすときに使用します。また、「スキル」はビジネスシーンにおいても頻繁に耳にする言葉なので、「専門スキルを身につけよう」など、採用の謳い文句としても使用できます。
スペック
「スペック」は仕様という意味があり、主に家電などの機械の性能をあらわす際に使われる言葉です。本来「スペック」が高いという表現は、製品としての能力が高いことを指します。ただし、最近では人に対して使用されるケースも多いです。例えば、お見合いの場で「スペック」を使うと、背が高い、収入が高いなど、その人の能力をあらわす言葉として表現されます。
バイタリティ
「バイタリティ」は、活力があり、いきいきとした様子をあらわします。「スキル」や「スペック」など、能力をあらわす言葉とは異なり、「バイタリティ」はやる気のある様を表現しているので、「アビリティ」のほかには「モチベーション」が類義語表現となります。つまり、「バイタリティ」の高い人は、なにごとも積極的に一生懸命取り組む人を指す言葉なので、理念的な能力を重視する「アビリティ」とは、意味もニュアンスも似ています。
キャパシティ
「キャパシティ」は、受け入れ体制や取りこめる能力を指した言葉で、ビジネスシーンでは頻繁に使われる言葉です。「キャパシティ」の高い人は、一度に管理できる業務の量も多く、幅広く取り組むことが可能となります。つまり、「キャパシティ」も人の能力を表現する言葉として、「アビリティ」と類似しています。ちなみに、許容範囲をこえる意味で使われる「キャパオーバー」は、「キャパシティ」から派生した和製英語です。「キャパオーバー」もよく使う言葉なので、セットで覚えましょう。
ケーパビリティ
「ケーパビリティ」は、能力や才能などの意味があります。「ケーパビリティ」は、組織単位の能力を指しており、「ケーパビリティ」の高い企業は、競合他社よりも総合的に優れている企業をあらわします。
アビリティを用いた例文
「アビリティ」は主にビジネスシーンで聞くことが多い言葉ですが、実際にどのような場面で使うのか例文を用いて解説します。
今回の会議で彼はプレゼンのアビリティを発揮した
この例文では、「アビリティ」を能力の意味で使用しています。ちなみに、技能に対する能力をあらわすのであれば、「スキル」でも代用することは可能です。例文のケースだと「プレゼンスキル」と表現すれば、多くの人に伝わる言葉として使用可能です。
彼はアビリティを備えてはいるがやる気がない
「アビリティ」を潜在能力としての意味で使用している例文です。「アビリティ」にはできることという意味も含まれているので、例文のように、能力はあるけどやる気がない人を表現するのに使えます。
アビリティを備えた人材が見つかった
この例文では、「アビリティ」を潜在能力や、仕事に対する姿勢や行動といった、理念的な能力という意味でも使用可能です。会社の将来を担っていける人材を見つけたときなどに、例文のような表現はぴったりです。
まとめ
「アビリティ」は、ビジネスシーンや日常生活などいろいろな場面で登場しますが、類似した表現の言葉が多いため、誤解して覚える方も多い模様です。ただ、類義語や関連用語も含めて覚えれば、ボキャブラリーが豊富になり、ビジネスシーンで役に立つことも多いので、それぞれの言葉の違いに着目しながら、セットで覚えることをおすすめします。