「エンドユーザー」の意味とは?類語・対義語、「クライアント」との違いも解説

エンドユーザー
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「エンドユーザー」の意味とは?

「エンドユーザー」の意味とは?

エンドユーザーとは、ある商品やサービスを実際に消費したり使ったりする人や組織を指します。商品やサービスを提供する側からみて、顧客や所有者と、実際の商品やサービスの利用者が異なる場合に用いられる概念です。たとえばエスカレーターをビルに導入する場合、エスカレーターのメーカーや販売会社にとっての顧客はビルオーナー、もしくは設備会社ですが、エンドユーザーはビルで仕事や生活をし、実際にエスカレーターを利用している人々になります。

「顧客」や「消費者」と「エンドユーザー」が同一のケースもありますが、実際に商品やサービスを利用するかしないかではっきり区分されます。「顧客」や「消費者」は商品やサービスを購入しても誰かにプレゼントしたり再販したりする可能性もあり、実際に使うかどうかまではわかりません。「顧客」の概念にはリピーターの要素が含まれ、今後も購入の可能性がある相手を指します。「消費者」も購入者です。購入の有無に関係なく実際に使っている人が「エンドユーザー」です

「ユーザー」も「エンドユーザー」も直訳すると「使う人」ですが、「ユーザー」はモニターや試運転などを含み「エンドユーザー」よりは意味が広くなります。「サブユーザー」は日常的な利用者ではない場合に用います。たとえばガス会社におけるハウスメーカーは「サブユーザー」で、家に住んで実際にガスを使う人が「エンドユーザー」です。商品やサービスの状態に左右され、トラブルが起きたとき、直接被害を受ける人が「エンドユーザー」になります

ある英会話学校が授業料を上げることになり、それに伴い、いっそうのサービスの充実を図ったことがあります。自費で通っていた大学生は授業料を払うのが困難になったのですが、クオリティの高い授業なので何とか続けたいと親に相談しました。すると親はすんなりと授業料を援助。料金を上げたにもかかわらずキャンセルにならず、売り上げが伸びたのです。大学生にとって授業料のアップは「顧客」として受け入れ難いことだったかもしれません。けれども「エンドユーザー」としては授業のクオリティの高さ、いっそうの充実ぶりに満足していたのです。「エンドユーザー」である大学生の声を大事にしていた英会話学校は、大学生の親を新たな「顧客」として獲得し、売り上げを伸ばしていきました

「エンドユーザー」の英語表記と品詞分解

「エンドユーザー」の英語表記と品詞分解

「エンドユーザー」の英語表記は「end user」です。日本語同様、ひとつの名詞として認知されていますが、基本的には「end」と「user」の熟語になります。「エンドユーザーの~」と表す場合には「end-user」と表記されることもあります。

「end」には動詞・形容詞・名詞としてのはたらきがあり、「終わり」や「末端」「結末」などを意味します。「end user」の場合の「end」は「user」に係る形容詞で「末端の」と訳されます。「user」は名詞で「利用者」「使用者」の意味。

したがって「end(末端の)」+「user(利用者・使用者)」=「エンドユーザー(末端利用者・末端使用者あるいは末端消費者)」となります

英文においては、下記のように複数形で用いられることが多くあります。

・Annuy end users(エンドユーザーを悩ます)
・Applicable to end users(エンドユーザーに適用できる)

形容詞として使用する場合、下記のように表記されることもあります。

・ENDUSER DIAGNOSTICK SYSTEM(エンドユーザー診断システム)
・End-user experience(エンドユーザー体験)

「end user」の頭文字をとって「EU」と表記することもありますが「欧州連合(EU)」と混同しやすいため、初めての相手に対しては使用を控えた方が賢明でしょう

「エンドユーザー」の対義語・反対語

「エンドユーザー」の対義語・反対語

「エンドユーザー」は実際に利用する人、末端消費者を表すので、基本的に対となる意味は作る人、生産者になります。書類上での「エンドユーザー」の対の立場は、販売する人つまり「仲介業者」などです。IT業界においては「デベロッパー」が「エンドユーザー」の対義語になります。

「エンドユーザー」の反対の立場にいるのは作り手ですから、「製造者」や「メーカー」あるいは「生産者」を「エンドユーザー」の対義語といっていいでしょう。また、契約書類上における「エンドユーザー」とは、再販しない人を意味するので、対義語は販売する人、つまり「販売者」となります

IT業界では「エンドユーザー」を「想定ユーザー」「対象ユーザー」という概念でとらえ、ソフトウェアの開発設計に取り組んでいます。ソフトウェアの開発担当は「デベロッパー」の仕事。したがってIT業界では「デベロッパー」を「エンドユーザー」の対義語とみなします

業界別の「エンドユーザー」の定義

業界別の「エンドユーザー」の定義

「エンドユーザー」は末端の消費者ですから、業界・業種によって「エンドユーザー」と呼ぶ対象が若干異なってきます。いくつかの業界・業種の「エンドユーザー」を意識しておくと視野が広がり、コミュニケーションの幅も広がるでしょう。

IT業界の「エンドユーザー」

IT業界のエンドユーザーはソフトやアプリを実際に使用する人です。開発者やメーカーから見ると依頼してくる企業や団体は「顧客」になります。その企業や団体でパソコンに向かい、実際にソフトやアプリを使用する社員やアルバイトの方々が「エンドユーザー」です

不動産、建設業界の「エンドユーザー」

不動産や建設業界における「エンドユーザー」は、土地や建物を生活の上で実際に使用している人です。土地や建物を投資目的で購入する人や、オーナーとして所有するだけの人を「エンドユーザー」とは呼びません。また、不動産の一区画をテナントとして借りた場合、そこにお店を出す契約者が「エンドユーザー」となります。お店を訪れるお客は、不動産業者や建設会社にとって「エンドユーザー」ではありません。

営業界の「エンドユーザー」

営業職の「エンドユーザー」は一般消費者を指します。営業を掛ける相手が小売業者の場合、再販されるので「エンドユーザー」とは呼びません。小売業者からその商品を購入し、実際に使用している最終的な一般消費者が「エンドユーザー」です

「エンドユーザー」の類義語・言い換え表現

「エンドユーザー」の類義語・言い換え表現

エンドユーザーの類義語は「ユーザー」や「顧客」など幅広い意味の言葉が多く混同しやすいので注意が必要です。対して、言い換え表現となると限られ「末端利用者」などが該当します。

類義語は「顧客」や「ユーザー」

「顧客」や「ユーザー」または「消費者」「利用者」などは「エンドユーザー」の類義語といえます。いずれも「エンドユーザー」より意味が広く「エンドユーザー」が含まれる場合があります。「エンドユーザー」の言葉を使うときには、意識した明確な使い分けが必要でしょう。

「末端利用者」「コンシューマー」と言い換えられる

「エンドユーザー」は末端の最終的な利用者ですから「末端利用者」「末端消費者」と言い換えられます。また、一般的には消費者と訳されることの多い「コンシューマー」も最終使用者を意味するので、「エンドユーザー」とほぼ同義語になります。

よく使われる「エンドユーザー」関連語の意味

よく使われる「エンドユーザー」関連語の意味

「エンドユーザー」に関連する用語はIT業界に多くあります。もっと頻繁に目にするのが、ソフトウェアをインストールするときに締結する「エンドユーザーライセンス契約」です。そのほか「エンドユーザーコンピューティング」あるいは「エンドユーザーランタイム」があります。

「エンドユーザーライセンス契約」とは、ソフトウェアをパソコンで使用する際に結ぶ契約のことです。「エンドユーザー使用許諾契約」あるいは「ソフトウェア使用許諾契約」と同義語であり「EULA(End User License Agreement)」の頭文字表記で「ユーラ」と呼ばれることもあります。ソフトウェアの使用に関する注意事項や開発元によるサポートや免責事項が定められ、すべてに同意することでソフトウェアのインストールが完了し「エンドユーザーライセンス契約」が締結されます。

「エンドユーザーコンピューティング」とは、システムの構築や運用管理を、実際にシステムを利用する業務部門の「エンドユーザー」が行うことをいいます。「エンドユーザーコンピューティング」が普及してきたのは、情報システム担当者が一括に管理すると各部署やグループごとの異なるニーズに対応できなくなることと、コンピュータの価格性能比が上がり「エンドユーザー」のニーズに合った独自の利用環境を用意できるようになったからです。英語で「End User Computing」と表記され、頭文字をとって「EUC」と表すこともあります。

「エンドユーザーランタイム」とは「DirectXエンドユーザーランタイム」のことであり、Windowsのパソコンにおける音声や画像を高速処理するために必要なシステムです。Windowsでは1995年頃から「DirectXエンドユーザーランタイム」を搭載するようになり、Windows10は「DirectX12」が標準となっています。通常、ゲームソフトをインストールする際、一緒にインストールされます。

まとめ

「エンドユーザー」の言葉を理解するときに大切なのは「顧客」「消費者」「ユーザー」などの類義語との違いを明確にしておくことです。これらの言葉を曖昧に理解し、混同してしまうと、ビジネスの方向性や自らの立場を見失う可能性があります。「末端利用者」として実際に奮闘している「エンドユーザー」の声に耳を傾け、「エンドユーザー」の立場を想像することで自らの立ち位置が明確になります。自らも何かの商品のエンドユーザーであることを忘れずに、業務の改善や新たな商品開発に取り組みたいものです。

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