「理路整然」の意味を説明できますか?聞いたことはあるけれど、説明となると難しく感じる人も多いのではないでしょうか。今回は「理路整然」という言葉を類義語や対義語とともに解説します。読み進めて、社会人としてのステップアップをしましょう。
「理路整然」の読み方
「理路整然」は「りろせいぜん」と読みます。
「理路整然」の意味
「理路整然」とは、「物事が道理にきちんとあてはまっているさま」「話などの筋道が整っているさま」を表現する言葉です。
「理路整然」の語源
「理路整然」は「理路」+「整然」というように、既にある2つの言葉を合わせるようにして構成されている四字熟語です。
「理路」は、「物事の道理」「考えや話などの筋道」という意味。
「整然」は、「秩序正しく整っているさま」という意味です。
2つの言葉の意味を組み合わせても、「理路整然」の意味を導き出せますよね。
「理路整然」の類義語・言い換え
「理路整然」にはいくつかの類義語・言い換えの表現があります。
類義語や言い換えの表現は学ぶ必要がないという人もいますが、ビジネスシーンで話すときや文章を書くときには「同じ言葉を何度も使わない」ことが鉄則。
類義語や言い換え表現を知っていれば、トークや文章の書き方は一気にレベルアップしますよ。これを機に、「理路整然」の類義語や言い換え表現もマスターしましょう。
「理路整然」の類義語1:一貫性
「理路整然」の類義語として、「最初から最後まで話の筋道が通っている」ということを意味する「一貫性」が挙げられます。例えば、「あなたの話には一貫性がある」というように使いますよね。
話や行動に一本のしっかりとした筋が通っていて、矛盾なく進んでいるときにはぜひ「一貫性」も使ってみてください。
「理路整然」の類義語2:論理
「考えや議論などを進めていく筋道」を意味する「論理」は、「理路整然」の類義語としてよく使われています。
「理路整然」よりも広い範囲で使われていて、日常的な会話のなかにもよく出てくる言葉ではないでしょうか。理路整然としていない人の話を聞いたときに、「論理的におかしくない?」などと使いますよね。
「理路整然」の類義語3:整合性
「整合性」とは「物事や言動に矛盾がなく、整っていること」を意味します。この「整合性」も「理路整然」の類義度。「矛盾していない様子」を少し硬い表現にしたいときに「整合性」を使います。
「理路整然」の類義語4:首尾一貫
「方針や考え方などが始めから終わりまで変わらないで、筋が通っていること」を「首尾一貫」といいます。これも「理路整然」の類義語です。
「首尾」とは「始めから終わりまで」を意味していて、「一貫」と合わせて「最初から最後まで一貫している」という意味になります。道理に沿って、最初から最後までズレることのない芯がある様子を表しているのです。
「理路整然」の対義語
つぎに「理路整然」の対義語をみていきましょう。社会人として活動していると、相手が理路整然とした話ぶりでないときや、あなたが理路整然とできなかったときに、対義語を使って指摘したり、指摘されたりする場面に出くわします。
そのような場面で、言葉に詰まったり、言葉の意味が理解できなかったりしたら恥ずかしいですよね。ここで一気に覚えておきましょう。
「理路整然」の対義語1:支離滅裂
「理路整然」の対義語としてよく使われるのが「支離滅裂」です。
「支離滅裂」は、「趣旨がばらばらで、一貫性に欠けているさま」を意味しています。簡単にいうと「筋道が通っていなくてバラバラな状態」のこと。
「支離滅裂な文章」といって、「筋道が通っていない(理路整然としていない)文章」を指摘するときに使います。
「理路整然」の対義語2:乱雑無章
「乱雑無章(らんざつむしょう)」も「理路整然」の対義語です。
あまり使われない言葉ではありますが、「物や事柄がばらばらのまま整理されていないこと」を意味する言葉です。一般的にあまり使用されないため、相手に伝わらない可能性があります。
この言葉は知っている程度に納めておき、あまり使わない方がいいかもしれません。
「理路整然」の対義語3:滅茶苦茶
「理路整然」の対義語としては、「滅茶苦茶」も挙げられます。
「滅茶苦茶」は、「混乱した様子」を表す言葉。「要素がバラバラになっている様子」を表すときに「滅茶苦茶」を「理路整然」の対義語として使います。
理路整然としていないスピーチをしたら、「中身が滅茶苦茶で説得力がなかった」なんていわれてしまうかもしれませんね。
「理路整然」の対義語4:矛盾
「つじつまが合わないこと」を指している「矛盾」も、「理路整然」の対義語として使われています。
たとえば、話のなかにでてくる2つの要素が相反する条件を持っているときに「その話、矛盾していませんか?」と使います。
「理路整然」の対義語5:不条理
物事の道理(=条理)に合わないときに、「不条理」は「理路整然」の対義語として使われます。
ほかにも実存主義の用語として「人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況」を指すこともあります。
「理路整然」の使い方と例文集
「理路整然」の意味や類義語・対義語を知っていても、使い方がわからなければ実際には使えません。
ここでは「理路整然」の使い方・注意点・話し方を例文とともに紹介します。
最後まで読み進めれば、間違えることなく「理路整然」を使えるようになりますよ。
「理路整然」の使い方
「理路整然」の使い方としては、以下の2パターンが一般的。
- 「理路整然とした〇〇」
- 「理路整然と〇〇する」
たとえば、この〇〇に「プレゼンテーション」を入れると、このようになります。
- 「理路整然としたプレゼンテーション」
- 「理路整然とプレゼンテーションする」
ほかにも以下のような使い方もありますので、あわせて覚えておきましょう。
- 「理路整然な〇〇」
- 「理路整然たる〇〇」
「理路整然」を使用する時の注意点
「理路整然」のことを「理論整然」と間違って使用している人がチラホラいます。しかし、それは間違いです。
「理路」と「理論」で音が似ているため間違ってしまっているのでしょうが、そもそも「理論整然」という言葉は存在しません。使用の際には間違えないようにしましょう。
「理路整然」の例文
実際に「理路整然」を使った例文を紹介します。
- 彼の理路整然としたスピーチは聞いている人々の心を動かした
- 上司は、今回も流石の理路整然たる説明をした
- 次回はもっと理路整然な話し方でお願いします
- 理路整然と発言できる人の話には説得力がある
ぜひ、自分の状況に合わせて使ってみてください。
「理路整然」とした話し方をするコツ
ビジネスシーンにおいて理路整然とした話し方ができないと、営業も提案もうまくいきません。社会人として、理路整然とした話し方は身に付けておくようにしましょう。
理路整然とした話し方をするためには、3つのポイントを意識することが大事。
- 話す前に要点をまとめておく
- 話の起承転結を構成しておく
- 話の根拠や出どころを明確にしておく
しっかりと身につけて、社会人としてワンランク上の話し方を目指してください。
「理路整然」の英語表現
「理路整然」を英語で表現すると、以下のようになります。
- logically consistent(論理的に+矛盾のない)
- logical(論理的な)
- well‐reasoned(申し分なく+筋の通った)
どれも「論理的」「矛盾がない」「筋道が通っている」という意味であることがキーワード。英語の表現も知っておくことで、海外の方にも「理路整然」を伝えられるうえ、簡単に同義語を覚えられますよ。
「理路整然」を知らないと損する?
「理路整然」という言葉の意味を知っておかないと、意味を理解できずに損してしまう場面に出くわすかもしれません。
- 「もっと理路整然と話してくれ」と注意されたとき
- 「今回は理路整然としていて素晴らしかったよ」と褒められたとき
このような場面で「理路整然」の意味を知らないと、非常に恥ずかしく、もったいない気持ちになります。類義語・対義語とあわせてしっかり覚え、社会人としてのレベルアップを果たしましょう。