「多種多様」とは、バラエティーに富んだ様子の意味を持つことはよく知られており、日常生活だけでなくビジネスシーンいおいても頻度の高い言葉です。「多種多様」には多くの類語があり、この記事では類語の詳細も英語と合わせて解説しています。
「多種多様」の意味・読み方とは?
「多種多様」を深く理解するために、まずは読み方と意味を解説します。
「多種多様」の読み方とは?
「多種多様」の読み方を解説します。使われている漢字3文字を深堀していきましょう。
「多」は音読みで「タ」訓読みで「おお(い)」と読みます。
「種」は音読みで「シュ/ショウ」訓読みで「たね/う(える)/くさ」と読みます。
「様」は音読みで「ヨウ」訓読みで「さま」と読みます。
それぞれの漢字の音読みをつなぎ合わせ、「多種多様」は「たしゅたよう」と読みます。
「多種多様」の意味とは?
「多種多様」の意味を解説します。まずは使われている漢字3文字を深堀していきましょう。
「多」は「おおい・たくさん・数や量がおおい/ほめる・重んずる・ありがたく思う/まさに・ただそれのみ」を意味します。
「種」は「植物のたね・穀物や草木のたね・草/血筋・血統・種族・たぐい・仲間・ともがら/植える・たねをまく」を意味します。
「様」は「さま・すがたかたち・ありさま/手本/質や個数・種類などを数えることば/名前などの下につけて敬意を表す」ことを意味します。
それぞれの漢字の意味をつなぎ合わせ、「多種多様」は「たくさんの類(たぐい)たくさんのありさま」となり、「種類や性質・状態・現象がさまざまであること」を意味します。
「多種多様」の類義語・言い換え
「多種多様」の類語・言い換えを以下のように使用意図を分類して解説します。
・多様性または多様さを持つ様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換え
・多くの局面がある様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換え
・多くのものがある様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換え
・大きな多様性・多くの多様性がある様子を表す「多種多様」類義語・言い換え
どんな意味・意図で「多種多様」を使うかによって、類語や言い換えが変動します。
多様性または多様さを持つ様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換え
多様性または多様さを持つ様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換えが以下の通りです。
・いろいろ
・さまざま
・とりどり
・千差万別(せんさばんべつ)
・もり沢山(盛りだくさん・盛沢山)(もりだくさん)
・取々(取り取り・取取)(とりどり)
・多彩(たさい)
・多角的(たかくてき)
・多面的 (ためんてき)
・様々(様様)(さまざま)
・盛りだくさん(盛沢山)
・種々(種種)
・種々雑多(種種雑多)
・色々(色色)
多くの局面がある様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換え
多くの局面がある様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換えが以下の通りです。
・多面的(ためんてき)
・雑多(ざった)
多くのものがある様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換え
多くのものがある様子を表現する「多種多様」の類義語・言い換えが以下の通りです。
・いろいろ(色色)
・さまざま
・とりどり
・区々(区区)(まちまち)
・千差万別(せんさばんべつ)
・多彩(たさい)
・様々(様様)(さまざま)
・種々(種種)(しゅじゅ)
・色々(いろいろ)
・色とりどり 色取々 色取り取り 色取取
・雑多(ざった)
大きな多様性・多くの多様性がある様子を表す「多種多様」類義語・言い換え
大きな多様性・多くの多様性がある様子を表す「多種多様」の類義語・言い換えが以下の通りです。。
・いろいろ(色々・色色)
・さまざま(様々・様様)
・とりどり(取々・取り取り・取取)
・もり沢山(盛りだくさん・盛沢山)
・千差万別(せんさばんべつ)
・多彩
・多様
・多角的
・多面的
・種々(種種)(しゅじゅ)
・種々雑多(種種雑多)(しゅじゅざった)
・雑多
「多種多様」と「千差万別」と「十人十色」の違いは?
「多種多様」と似ている四字熟語で「千差万別」と「十人十色」があります。それぞれはどこが違うのでしょうか。意味と使い方を熟考していきましょう。
・「千差万別」は「せんさばんべつ」と読みます。「それぞれがいろいろに異なること」を意味します。「千差万別」は人だけでなく「もの」や「出来事」に対しても使える四字熟語です。
・「十人十色」は「じゅうにんといろ」と読みます。「人の好みや思考、行動や性格などはひとりひとり皆それぞれ異なること」を意味します。人が十人いれば、十人それぞれ十通りの考えや好みがあります。「十人十色」は「人」に対してのみ使う四字熟語で、「もの」や「出来事」に対しては使いません。
以上の意味・使い方から、「千差万別」は「多種多様」の同義語で、「十人十色」は「多種多様」の同義語ではありません。
「多種多様」の対義語
「多種多様」の対義語は、「尋常一様」です。「尋常一様」は「じんじょういちよう」と読み、「ほかと何ら変わりがなく、普通のこと」を意味します。
例文を見ていきましょう。
・就職活動では尋常一様に皆スーツを着て、同じカバンを持っているよね。
・尋常一様の努力では、難関を突破できません。
「多種多様」を英語でいうと?
「多種多様」の英語は、次の3つです。
・Variously
・Multifariously
・Diversely
それぞれを深く見ていきましょう。
「多種多様」を英語でいうと?その1「Variously」
「多種多様」を英語で表現すると?1つ目は「Variously」です。どのように使うのか、例文を見てみましょう。
He worked variously as a shop owner,photographer, and pilot.(彼はショップオーナー、写真家、パイロットとさまざまな職に就いた。)
この場合の「Variously」は「さまざまな・いろいろな」と訳され、多種多様な職業に就いたことを意味します。
「多種多様」を英語でいうと?その2「Multifariously」
「多種多様」を英語で表現すると?2つ目は「Multifariously」です。 Multifariouslyは副詞にあたり、形容詞は「Multifarious」。形容詞「Multifarious」を使った例文を見ていきましょう。
- I am feeling multifarious emotional thoughts.(私はさまざまな思いを感じている。)
- I have multifarious sufferings.(私はさまざまな苦しみをかかえている。)
- There are multifarious differences.(さまざまな違いがある。)
「多種多様」を英語でいうと?その3「Diversely」
「多種多様」を英語で表現すると?3つ目は「Diversely」です。「Diversely」は「種々の・さまざまな」の意味をもつ形容詞です。例文を見ていきましょう。
- My father has diverse interests.(私の父は多趣味である。)
- I have a collection of written works on diverse topics.(私はさまざまなことが書き記されたものを集めている。)
「多種多様」の使い方と例文集
ここでは日本語での「多種多様」の使い方と例文を解説します。「多種多様」のあとに続く単語や文章によって使い方が異なるので、次のように分けて見ていきましょう。
・「多種多様」の使い方と例文
・「多種多様な」の使い方と例文
・「多種多様にわたる」の使い方と例文
「多種多様」の使い方と例文
「多種多様」の使い方は、「多種多様」を名詞として使っています。例文を見ていきましょう。
- アメリカに行くと、いかに世界が多種多様なのかを実感する。
- 昨日の会議で出た意見は、思いのほか多種多様だった。
「多種多様な」の使い方と例文
「多種多様な」の使い方は、「多種多様」に「な」を組み合わせることにより形容詞のように使っています。例文を見ていきましょう。
- 次の募集では、多種多様な人材を確保したい。
- こんなにも多種多様なホームページがある中で、どうしたら見てもらえるものなのだろうか。
「多種多様にわたる」の使い方と例文
「多種多様にわたる」の使い方は、「多種多様」に「わたる」を組み合わせることにより、時間の長さや広い範囲を意図した表現です。例文を見ていきましょう。
- 父の多種多様にわたる人生経験のおかげで、今の私がある。
- この作家は多種多様にわたる分野での作品を発表している。
まとめ
「多種多様な」とは、「それぞれがいろいろに異なること」を意味します。人だけでなく「もの」や「出来事」に対しても使える四字熟語で、類義語は豊富にありますが四字熟語としての類義語は「千差万別」。似ている四字熟語「十人十色」との使い方や意味の違いにも気を付けましょう。