「宛」の意味とは?使い方や「各位」「御中」「様」との使い分けも解説

宛

宛とは主に送り先を表す言葉で、自分自身に対して使います。返信用封筒で使用するときは宛を二重線で消し、様、御中に書き換えるのがマナーです。宛と行に厳密な違いはありませんが、宛は主に個人に対して使われ、行は団体に対して使われます。

目次

「宛」の読み方とは

「宛」の読み方とは

「宛」の読み方は音読みは「えん」、訓読みが「あて」「ずつ」「あたかも」「さながら」です。「あて」と読む場合は「宛先」や「宛名」など熟語としてつかわれることも多いですが、「宛も(あたかも)」「宛ら(さながら)」というように単体で使われることもあります。

「宛」の意味とは

「宛」の意味とは

「宛」の意味は大きく分けて4つです。「宛」の4つの意味について順番に解説していきます。

意味1送り先・届け先

「宛」は送り先・届け先という意味を持っています。「宛名」や「宛先」といった熟語として使われるだけでなく、「A社宛」というように名前の後ろに付け加えてA社に送る、A社に向けたという意味でも使われます。

口語表現としては、「〇〇さん宛のお電話です。」というように、「〇〇さんに掛かってきた(電話)」という意味のほか、「田中宛にご一報ください」というように「自分への連絡」という意味もあります。自分に戻ってくる返信用封筒に、自分の住所や氏名を書く際にも使用される表現です。

意味2曲がる

「宛」には「曲がる」という意味もあります。主に熟語として利用され「宛延(えんえん)」と書いてうねうねと長く続く様、「宛転」と書いて緩やかに動く様、眉毛が緩く弧を描いて要る様といった意味を表す表現です。

意味3一定の量を繰り返す

「宛」は「〜ずつ」と読むこともでき、「一定の量を繰り返すこと」を指す場合もあります。「 4個宛(ずつ)食べる」というように個数の後につけ使いましょう。

意味4非常によく似ている様

「宛」は「非常によく似ている様」を表す際にも使われます。このような意味の場合、「宛ら(さながら)」と表記され、「本番宛らの集中力だった」(まるで本番のような集中力だった)というように使用されます。現在ではひらがなで表記されていることが多いです。

「宛」の由来・語源

「宛」の由来・語源

「宛」は、「夜中に屋根の下で、体を曲げて休む様子」からできた漢字です。宀が屋根を現し、その左下「夕」は月を表しています。右下の「巳のような部分」は体を曲げている人を表した様子が元になった表現です。

「宛」の使い方と例文集

「宛」の使い方と例文集

続いて「宛」の使い方と、文章の中で使った例文を紹介していきます。

「宛」の使い方

ビジネスにおける「宛」の使い方は主に3つあります。 1つ目は「宛名」「宛先」というように熟語として使う例が挙げられます。送り先・届け先という意味で使われ、宛名は名前、宛先は住所を記入する際に使われることが多いです。両方とも意味に大きな違いはありません。

2つ目は動詞としての使用例です。動詞として使う場合は「宛てる」と表記し、送りがな「て」を使用します。名詞として使う場合は「宛(あて)」と表記し読み方が変わってきますので注意しましょう。意味は熟語として使う時と大きく変わらず、相手に対して「送る」という意味です。

3つ目は返信用封筒に使う場合です。返信用封筒は、手紙やハガキを送った相手から返信が欲しい場合に同封する封筒のことで、自分の住所や氏名などの宛先をあらかじめ記入する必要があります。自分の宛先を記入しておくことで相手の手間を減らせるからです。その際、自分の宛名の最後に宛をつけるのがマナーとされています。

「宛」を使用するときの注意点

よくある間違いが「〇〇宛てに送る」という表記です。「〇〇に向けて何かを送る」という意味で使用する場合は、「〇〇宛に送る」と表記します。この場合の「宛」は名詞として使われているので、送りがな「て」は必要ありません。

「宛」の例文

「宛」の例文を紹介します。

熟語として使う場合
「こちらの宛先にご応募ください。」「 宛名の記入はこちらです。」
名前や企業名の後につける場合
「ご質問は弊社鈴木宛にご連絡ください。 」「鈴木さんに宛てたお手紙です。」
返信用封筒に記入する場合
「東京都〇〇区××8−36 株式会社〇〇 太田雄太宛 」

「宛」の書き換え

「宛」の書き換え

返信用封筒が同封されたハガキや手紙が届いた場合、宛名をそのままに返信してはいけません。

返信用封筒の「宛」は二重線で消す

「宛」が使用された返信用封筒を使って返信する際は、封筒に書かれた「宛」は二重線で消して「様」「御中」などの敬称を書き直すのがマナーです。縦書きの場合は二重線で消した下または左側に、横書きの場合は右側に適する敬称を付け加えましょう。最後に担当印がある場合は、印鑑をそのまま残して敬称を付け加えてください。担当印を二重線で消すのは失礼に当たります。 「宛」という言葉は「送り先」「届け先」を表す言葉で、敬称の意味は含まれておらず、自分をへりくだる時に使用する表現です。そのため、相手に返信を送る際は他の敬称を付け加え敬意を表すのがマナーなのです。

「宛」を様に書き直した後は、差出人の部分の「様」を二重線で消します。自分に対してつけられた敬称を消すことで謙遜を表しましょう。もし返信用封筒に自分の名前、住所等が記入されていない場合は封筒の裏側に自分で記入してください。

敬称の併用はNG

この際に注意して欲しいのが、使用する敬称は1つという点です。例えば、宛と似た用途で使われる言葉として、「行」がありますが、「〇〇行宛」などのように重複して使うことはできません。宛の他にも、敬称は1つの宛名に対して1つ使いましょう。

「宛」を英語で言うと?

「宛」を英語で言うと?

日本語の「宛」に当てはまる英語は、「Dear」「(For the )attention of:」です。手紙やメールの宛先を書く際に、「〇〇宛」という意味で「「Dear Mr. or Ms.〇〇」「(For the )attention of:〇〇」というように使用します。「(For the )attention of:」は送り先が組織の場合にのみ使用し、「Dear」は相手が個人、組織両方の場合に使用できます。「Dear」を使用する際、〇〇が男性の場合はMr.女性の場合はMs.をつけるのがより丁寧な表現です。 他にも「To〇〇」というようにtoを使用する場合もあります。「To」と「Dear」は大きな違いはありませんが、「to」が単に宛先を表すのに対して「Dear」は「親愛なる〇〇さんへ」というニュアンスです。

その他の敬称と「宛」の使い分け・違いは

その他の敬称と「宛」の使い分け・違いは

日本語には、「〇〇宛」のように名前の後につけて宛先や送り先を表す単語が複数あります。「宛」との違いを把握して、正しく日本語を使いましょう。

各位

「各位」は、「皆さま」や「皆さま方」という意味合いで使う言葉で、相手が複数人いる時に使用します。目下の人でも目上の人でも両方に敬意を示せる表現です。企業名や部署名などの固有名詞以外にも使用でき、お得意様各位やお客様各位といったように複数の団体や組織を表す時にも使用できる便利な敬称です。敬称の重複はNGと先ほど紹介しましたが、「お客様」「お得意様」という表現は、様まで含めて使われる名詞ですので、「各位」とも併用できます。

御中

「御中」は相手が企業や部署など組織の場合に使用する敬称です。「御中」と表記された封筒や手紙は、該当する組織の人全体に向けたもので誰でも開封できるものです。担当者がわかっている場合や特定の個人に対して送る場合は様を使うのがよいでしょう。

「様」は個人に対して敬意を表す際に使用されます。よく「御中」と混同されやすいですが、「御中」は組織に使用するのに対し「様」は特定できる個人相手に使用する敬称です。敬称の重複はよくある間違いですが、特に多いパターンに「〇〇会社御中山田様」というように御中と様を重複するものがあります。使用する際は注意してください。2人の名前を並べて書く場合は、まとめて1つ「様」をつけるのではなくそれぞれの名前の下に1つずつ表記しましょう。

殿

「殿」は目下の人に向けて使う際の敬称です。取引先や上司に使うのはやめましょう。現代で「殿」を使う場面は減少しており、「様」を使う人が増えていますので目下の人に向ける時でも「様」を使うのが無難です。

「行」は返信用封筒に自分の住所や名前を記入する際使われる表現です。「宛」とよく混同されます。「宛」と「行」に厳密な違いはありませんが、「宛」が主に個人に使われるのに対して、「行」は主に団体や組織名に対して使われます。返信をする場合には「宛」と同じように二重線で消し、「様」「御中」を付け加えるのがマナーです。

まとめ

「宛」はビジネスでよく使われる表現ですが、使用する際にはいくつか注意点があります。「様」「殿」「行」などとの使い分けや、返信用封筒の書き換えの際の参考にしてください。

宛

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる