「推敲」の意味とは?「校正・校閲」との違い、由来・英語表現・例文も解説

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    「推敲中です」などという、「推敲」を紹介します。文章にまつわる言葉だとは知っていても、「校正」や「校閲」との違いについてはあやふやな人が多いかもしれません。そんな「推敲」の意味と由来、類語や例文を解説します。

    目次

    「推敲」の読み方と意味

    「推敲」の読み方と意味

    「推敲」の読み方と意味を解説します。

    読み方

    「推敲」の読み方は「すいこう」です。同じ読み方で「推」の漢字も同じ「推考(すいこう)」がありますが、「推敲」とは別の意味で使います。

    意味

    「詩や文章の字句、表現をよく吟味して練り直すこと」が、「推敲」の意味です。詩、文章、短歌、キャッチコピーなど文字を使ったものを練り直す場合は、すべて「推敲」が当てはまります。

    漢字「推」と「敲」の意味

    「推敲」を構成する漢字のうち「推」は音読みで「スイ」、訓読みで「お(す)」と読みます。「おし動かす」や「えらんですすめる」、または「うつり変わる」や「おしはかる」などの意味です。漢字「敲」は音読みで「コウ」、訓読みで「たた(く)」と「たた(き)」、または「むち」と読みます。意味は「たたく」や「むちうつ」です。「推敲」では「おし動かす」意味で「推」、「たたく」意味で「敲」を使っています。

    「推敲」の出典と由来

    「推敲」の出典と由来

    「推敲」は中国の故事がもとになっています。出典と由来を紹介します。

    出典

    中国唐時代の詩と詩人、あるいはそれらにまつわる評論や逸話を集めた書物『唐詩紀事(とうしきじ)』が「推敲」の出典です。『唐詩紀事』で詩人・賈島(かとう)について述べたなかに、「推敲」が登場します。賈島は唐時代中期に活躍。8句40語で構成する漢詩「五言律詩(ごごんりっし)」の名手として知られています。「推敲」のもとになった原文は、以下の通りです。

    「島、挙に赴き京に至る。驢に騎りて詩を賦す。僧は推す月下の門の句を得たるも、推を改めて敲と作さんと欲し、手を引きて推敲の勢を作し、未だ決せざるに、覚えず大尹韓愈に衝る。及ち具に言う。愈曰く、敲の字佳ならん、と。遂に轡を並べ詩を論ずること、これを久しうす」

    由来

    「推敲」は、唐の詩人・賈島は、科挙の試験を受けるために都へ行ったときのエピソードが由来です。賈島はロバに乗り、ある詩について思案していました。「僧は推す月下の門」という一句のなかの「推す(おす)」を、「敲く(たたく)」にすべきか否かについてです。ロバの上でおしたりたたいたりする動作を繰り返して悩んでいるうち、賈島は都の長官・韓愈(かんゆ)の行列につき当たってしまいました。韓愈は唐時代中期を代表する文人です。そこで賈島は韓愈に事情を話したところ、韓愈は「それは『敲く』がよい」と答えました。2人はその場で打ち解け、並んで詩について論じ合ったそうです。この「推す」か「敲く」か悩んだエピソードから、詩や文章を練ることを「推敲」というようになりました。

    「推敲」の使い方

    「推敲」の使い方

    「推敲する」の使い方を解説します。

    「推敲する」がよく使われる

    よく使われる言い回しが「推敲する」です。「レポートを推敲する」や「推敲しておきます」のように使います。

    何度もの場合は「推敲を重ねる」

    「推敲」自体に「何度も試行錯誤して練り直す」ニュアンスがありますが、さらに念入りに練り直す表現にする場合は「推敲を重ねる」といいます。「何回も推敲する」や「推敲を繰り返す」のが、「推敲を重ねる」です。

    「推敲」を使った例文

    「推敲」を使った例文

    「推敲」を使った例文を挙げます。

    ・推敲を重ねたつもりだったが、提出した原稿にはたくさんの修正が入ってしまった。
    ・大学4年間の集大成ともいえる卒論なので、推敲にも力が入る。
    ・依頼された報告書は、ほぼ完成しました。現在、最後の推敲中です。
    ・人気作家の彼は、初稿を仕上げるより推敲にかける時間の方が長いそうだ。
    ・彼女は推敲力に定評があり、編集部からの信頼が篤い。

    「推敲」の類義語とニュアンスの違い

    「推敲」の類義語とニュアンスの違い

    「推敲」の類語とニュアンスの違いを解説します。

    「校正」

    「校正(こうせい)」の意味は「文字や文章の誤りを正すこと」、または「仮刷りの印刷物と元原稿を照らし合わせ、誤植などの間違いを正すこと」です。「校合 (きょうごう)」「勘校(かんこう)」または「校勘(こうかん)」ともいいます。 文字や文章を見直す点は「推敲」と同じですが、「校正」は「誤りを正す」や「文章の整合性をとる」作業にとどまります。一方、「推敲」は文字の誤りや文章のねじれがなくても、よりよい内容にするためにおこなう作業です。また、印刷物の仮刷りと元原稿を照らし合わせる作業は「推敲」に含まれません。一般的に「校正」は、書いた人とは別の人がおこないます。たとえば、新聞や本の校正者です。「推敲」は、ふつう書いた本人がおこないます。「校正」を使った例文を挙げます。

    ・丁寧な校正をしてもらったおかげで、印刷前に誤字を見つけられました。
    ・雑誌の写真ページを校正して、色調を確認した。

    「校閲」

    「校閲(こうえつ)」は、「文書や原稿を検討し、不備や誤りを訂正する作業」です。「校正」は文字の表記や文法に対しておこなう作業で、「校閲」は書かれている内容の事実確認が中心。読み手が誤解しやすい表現ではないか検討する作業も、「校閲」に該当します。文書や原稿を検討する作業は「推敲」と同じですが、検討の内容が「推敲」とは異なります。「校閲」を使った例文を挙げます。

    ・今回の記事は法律に関する特集なので、法学部の教授に校閲を依頼した。
    ・校閲部のチェックは実に細かく、書いた本人も気づかないような矛盾を指摘してくれます。

    「添削」

    「添削(てんさく)」の意味は、「他人が作成した文書、詩歌、答案などを加筆したり削除したり改めること」です。「推敲」と違うのは、原則的に他人が作成したものに手を加える点です。自分で自分が作成したものを練り直す「推敲」と異なります。また、字句や文章だけでなく答案なども含まれる点も、「推敲」との違いです。「よりよくする」よりも「間違いを改める」ニュアンスの強い表現です。「添削」を使った例文を挙げます。

    ・先週の授業で提出したレポートが添削されて戻ってきた。まずまずの仕上がりだったと思う。
    ・添削後の原稿を読み、自分の勉強不足を痛感しました。

    「修正」

    「修正(しゅうせい)」の意味は、「不十分だと思われる部分を改める、手直しする」です。「不十分な部分を改める」のは「推敲」と共通しています。ただし、「推敲」は字句や文章にだけおこなうのに対して、「修正」はあらゆるものに対しておこなう点が違います。たとえば「プログラムの修正」や「軌道修正」のような使い方が可能です。「修正」を使った例文を挙げます。

    ・小説を書き進めるうちに行き詰まり、もともとの構成から大きく修正せざるを得なくなった。
    ・修正後の文章はすっきりしていて、とても読みやすいです。

    「手直し」

    「手直し(てなおし)」の意味は、「いったんできあがったものの、不十分な箇所を改めること」です。「1度できあがったものを直す」意味が、「推敲」と共通しています。違いは、「手直し」が字句や文章以外にも使う点です。たとえば「縫いあがったドレスのすそを手直しする」のような場合にも使います。「手直し」を使った例文を挙げます。

    ・講師のアドバイスを受けて短歌を手直ししたら、自分でも驚くほど素晴らしい作品になった。
    ・法案は手直しされ、今度の国会を通過する見通しです。

    「推敲」の英語表現

    「推敲」の英語表現

    「polish(磨く)」を使った「polish the wording(文章を磨く)」が、「推敲」に近い英語表現です。「推敲」の何度も練り直すニュアンスが含まれています。「elaborate(入念に~する)」を使い、「elaborate on the wording」ともいいます。「修正して書き改める」意味を強調する場合の英語表現は、「revise」と「improvement」です。「推敲」のニュアンスとは少し異なりますが、「書き直す」場合は「rewrite」。「推敲」に含まれる意味のうち、何を強調するかによって最適な英語表現が変わります。

    まとめ

    「推敲」は中国の故事がもとになった言葉で、意味は「字句や文章を練り直す」です。レポートや資料なども「推敲」するものなので、ビジネスシーンでは使う機会が多い言葉です。練り直すものが何か、目的は何かによって「校正」や「校閲」、あるいは「修正」などの類語と使い分けるのがポイントですよ。

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