大学での講義や課題で質問がある場合などに教授へメールで内容を伝るシーンが出てきます。当然、教鞭を受けている相手に対するメールですので失礼があってはいけません。ここでは教授へメールを送る場合の基本的なマナー、メール形式と書き方、返信する際の注意点と例文を紹介します。
教授へメールを送る際の基本マナー
教授へメールを送る場合に、押さえておくべき基本的なマナーについて紹介します。相手にとって失礼や余計な手間が発生しないよう、以下のポイントは必ず網羅したメールを作成するよう心がけましょう。
メールアドレスは学校のアドレスを利用する
メールを作成する場合、送信元(自分のアドレス)は学校から支給されているアドレスを利用しましょう。
Gmailなどの個人アドレスから送信した場合、教授側の設定によって迷惑メールに分類される恐れや、受信した際にひと目で学校関係者からのメールだと判別が付かずにすぐに開封をしてもらえない懸念があるためです。
件名で本題がわかるようにする
メールの件名は、具体的な本題を明記しましょう。また、メール件名は長すぎると受信時に全文が表示されないため、簡潔な文章かつ主題は文頭に記載することもポイントです。
悪い例:こんにちは、相談があります
良い例:課題提出期限のご相談(〇〇学部〇〇学科〇年 田中)
本文の最初に名乗る
メールの本文を開いた際に「誰からのメールか」をきちんと明記することは基本的なマナーです。
本文の冒頭に簡単な挨拶を記載し、そのあとに「学部・学科」などの所属と「学年」「氏名」を記載しましょう。
正しい敬語を使う
メールは話し言葉を利用せず、正しい敬語を用いることを心がけましょう。
普段、教授との関係性によって砕けた言葉遣いでも問題がない場合もありますが、メールでは「友達から友達」に対してではなく「生徒から教授」に対して送ることを意識した文章にすることが大切です。
教授へメールを送る際のメール形式と書き方
基本的なマナーを押さえたうえで、実際にメールを作る際の文章構成について説明します。正しい文章の流れを把握することで、必要な要素に抜け漏れがなくなり、わかりやすいメールが完成します。
基本的なメール形式
メールの基本的な構成は、「件名→宛名→挨拶文→本文→締めの言葉→署名・連絡先」という順番で記載します。
この構成は社会人のビジネスメールでも使われている一般的なものですので、就職活動の際にも活用できます。ぜひ自然とこういった構成を書けるよう身につけましょう。
1.件名
件名は前述の通り、簡潔に主題を記載することが重要です。件名には文字数が少ない方が読みやすいため、文字数が嵩んでしまう場合は文語体(ですます調)ではなく箇条書きで書いても構いません。
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2. 宛名
メール本文の最初には宛名を記載しましょう。宛先は「〇〇先生」や「〇〇教授」など「教授の名字+肩書き」という書き方をします。
普段の会話の中であだ名や呼び捨てで呼び合っている間柄だったとしても、メールでは「〇〇先生」のように記載するのがマナーです。
また、宛名を記載した後は改行し、宛名と本文の間には一行空白行を入れましょう。
3.挨拶文
宛名のあと、本文を記載する前に必ず「初めまして」などの挨拶文を記載しましょう。
教授との面識がない場合には「初めまして」を用いることをおすすめします。すでに面識がある場合は「いつもお世話になっております。」や「いつもご指導いただき、ありがとうございます。」などがよいでしょう。
この挨拶文を記載した後に、自分の所属と氏名を名乗るところまでが一連の流れです。忘れずに自分の所属と氏名を記載しましょう。
4.本文
挨拶文のあとは改行し、本文を書きます。
本文は伝えたい結論を最初に記載しましょう。本文を書くコツは、「結論→補足説明や具体的な内容」という順番を心がけることです。
相談や質問が複数ある場合は「〇〇について相談があります。」とまず書いた上で、相談事項や質問事項を箇条書きで書くと読みやすいメール本文になるでしょう。
5.締めの言葉
本題を書き終わったら、最後に締めの言葉を入れて文章を終わらせます。
締めの言葉は「お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。」などが一般的です。また、教授からの返信をもらいたい場合は「お忙しいところ恐縮ですが、ご返信いただけますと幸いです。」と記載するとよいでしょう。
6.署名・連絡先
メールの最後には署名と連絡先を記載します。
所属と氏名は本文の最初でも名乗りますが、必ず最後にも記載しましょう。
また、ここで忘れてはいけないのが連絡先です。ビジネスシーンでもメールの最後に署名と連絡先を記載することは一般常識とされており、相手が自分に対して連絡を取りたい場合はメールの署名を確認することが通例となっています。ここで連絡先がないと、相手が連絡したい場合に不便に感じさせてしまうため書き漏れがないよう注意しましょう。
教授から受信したメールに返信する際の注意点
大学生活の中で、教授から自分に対してメールを受け取る機会も出てきます。教授に対して意図せず失礼な返信をすることがないよう、いくつかの注意点を紹介します。
返信は翌日までに送信する
教授からメールを受け取った場合は、メールに気づいた時点で内容を確認し、遅くとも翌日までには返信しましょう。
また、メールの内容が返信を必要とする要件でなかった場合も、「ご連絡ありがとうございます。承知しました。」など確認した旨を返信するのが一般的なマナーです。
返信時に件名は書き換えない
返信時は件名を書き換えないことが推奨されています。件名を書き換えてしまうと、どのメールに対する返信か受信者の方で判別が難しくなる可能性があるためです。
また、メールを複数回やり取りすることで「Re:」の表記が多くなり、件名が読みにくくなる場合は「Re:」をひとつに減らすなどして読みやすくしましょう。
質問を受けた場合は必ず返答する
教授からのメールに質問が記載されている場合は、必ず返信時に回答を書きましょう。
たとえその質問内容が些細な内容だと自分では感じたとしても、相手にとっては大切な質問である場合もあります。
シーン別!教授へのメール例文
大学生活で考えられるシーンを想定した例文を紹介します。実際にメールを書く場合の参考にしましょう。
課題を提出する
ここでは、課題をメールで提出する場合を想定した例文を紹介します。
・件名
課題提出:▲▲に関するレポート(〇〇学部〇〇学科2年田中)
・本文
鈴木先生
いつもお世話になっております。〇〇学部〇〇学科2年の田中太郎と申します。
▲▲の講義で出題された課題レポートを提出いたします。
本メールにレポートを添付していますので、ご確認をお願いできますでしょうか。
お忙しいところお手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
2年 田中太郎
アドレス:xxx@univercity.com
電話番号:090-xxxx-xxxx
講義や課題について質問する
受講している講義や出題課題に対しての疑問点をメールで質問する場合の例文を紹介します。
・件名
ご質問:▲月▲日3限目の〇〇の講義内容について
・本文
加藤教授
いつもご指導いただきありがとうございます。〇〇学部〇〇学科1年の佐藤花子です。
昨日▲月▲日の3限目に受講した〇〇の講義について2点質問がありご連絡いたしました。
1.〜〜〜〜〜〜
2.〜〜〜〜〜〜
講義中に質問ができず申し訳ありませんが、上記についてご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところお手数をおかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
1年 佐藤花子
アドレス:xxx@univercity.com
電話番号:090-xxxx-xxxx
お願いをする
教授に対してお願いをしたい場合を想定した例文を紹介します。
ここでは、「相談事があるため会って話す時間が欲しい」というお願いの内容で例文をみていきます。
・件名
日程調整のお願い(進路についてご相談)
・本文
斉藤先生
いつもお世話になっております。〇〇学部〇〇学科3年の小林健太です。
今後の進路について悩んでおり、ご相談のお時間を頂戴したくご連絡しました。
具体的な相談内容としては、今後自分の進路を考えた際に大学院に進むべきか就職をすべきかで悩んでおり、斉藤先生は大学院も会社員としての勤務経験もあるとお伺いしたので、先生の視点からアドバイスをいただきたいと考えました。
お忙しいところ恐縮ですが、一度ご相談のお時間をいただくことは可能でしょうか?
候補日程を以下に記載します。
1.○月○日14:00
2.○月○日13:00
3.○月○日10:00
ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
3年 小林健太
アドレス:xxx@univercity.com
電話番号:090-xxxx-xxxx
教授からの返信に対して返信する
自分が送ったメールに対して教授から返信があった場合のお礼メールを紹介します。
・件名は変更しない
・本文
加藤教授
いつもお世話になっております。〇〇学部〇〇学科2年の佐藤花子です。
お忙しいなか返信をいただきありがとうございます。
〇〇に関して自分の解釈が違っていたことがよくわかり、講義内容の理解がより深まりました。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
1年 佐藤花子
アドレス:xxx@univercity.com
電話番号:090-xxxx-xxxx
教授へのメールを英語で書く場合のポイント
教授が日本人ではない場合、英語でメール内容を書かなければ伝わらないケースがあります。英語でメールを書く場合の基本的なルールについて紹介します。
メール形式は日本語と同じ
メールの基本的なルールや構成は日本語と同じ考え方です。構成や基本ルールを改めて確認し、抜けもれがないよう意識しましょう。
宛名は「Mr.」や「Ms.」よりも「Professor」が適切
宛名は、日本語でいう「〇〇教授」を踏襲する形を取るべきです。英語で「教授」を指す単語は「professor」ですので、「Professor.〇〇」もしくは省略し「Prof.〇〇」と記載しましょう。
なお、「Mr.」や「Ms.」は日本語でいうところの「〜さん」という表現になるため、教授への宛名としては相応しくありません。
自分が何かをしたい場合「I need〜」はNG
「〜してもいいですか?」という文章を書く際に「I need〜」は避けるべき表現です。より丁寧な言い方となる、「I would like to 〜?」という表現を用いましょう。
依頼する場合は「Would you mind 〜ing?」を使う
教授に何かを依頼する場合は、「〜していただくことは可能ですか?」というニュアンスとなる「Would you mind 〜ing?」という表現を活用しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「教授へのメールの書き方」について、メールを送る際の基本マナー、メール形式と書き方、返信する際の注意点、メールを英語で書く場合のポイント、例文を解説しました。
最後に「教授へのメールの書き方」のまとめです。
- 教授へメールを送る際の基本マナーは、「メールアドレスは学校のアドレスを利用すること」、「件名で本題がわかるようにすること」、「本文の最初に名乗ること、正しい敬語を使うこと」です。
- 教授へのメールを送る際のメールの基本的な構成は、「件名→宛名→挨拶文→本文→締めの言葉→署名・連絡先」という順番で記載します。
- メールに返信する際の注意点は、「返信は翌日までに送信する」、「返信時に件名は書き換えない」、「質問を受けた場合は必ず返答する」です。
- 教授へのメールを英語で書く場合のポイントは、「メール形式は日本語と同じ」、「宛名はMr.やMs.よりもProfessorが適切」です。自分が何かをしたい場合「I need~」はNG。何かを依頼する場合は「Would you mind~ing?」を使うことです。