俯瞰の正しい使い方!鳥瞰や客観との違いや類語も紹介

「俯瞰」の正しい使い方!「鳥瞰」や「客観」との違いや類語も紹介
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「俯瞰して物事を考えよう。」といった台詞を一度は耳にしたことがあるでしょう。ここでは「俯瞰」という言葉の使い方を「鳥瞰」などの言葉と共に徹底解説します。「鳥瞰」に加え「客観」などの周辺の言葉の意味も同時に押さえていきましょう!

目次

「俯瞰」の読み方と意味とは?

「俯瞰」の読み方と意味とは?

日常生活やビジネスシーンで登場回数が多い「俯瞰」という言葉。「俯瞰して物事を捉える」などという使い方をしているのを聴いたことがあるでしょう。この言葉、抽象的であるため意味が取りづらい部分があります。ここでは具体的な意味と読み方について解説します。

「俯瞰」の読み方は「ふかん」

この言葉は「ふかん」と読みます。俯瞰の「俯く」を訓読みすると「うつむく」と読まれ、目線が下に向いている様子を表します。俯瞰の「瞰」は「のぞむ」、「見下ろす」という意味があります。高いところから広範囲を見渡しているイメージです。これらを踏まえた上で「俯瞰」という熟語の意味をみていましょう。

「俯瞰」の意味は「高いところから見下ろしながら眺めること」

二つの漢字の意味から「高いところから見下ろす」という意味であることがわかります。この言葉をもつ意味は、ただ物理的に高いところから下を眺めているという意味だけではありません。もうひとつの意味として、 物事を考える視点を指すときによく使われる言葉です。狭い範囲に考えを固執するのではなく、広範囲に考えを広げるべきときに使います。

参照:Weblio辞書「俯瞰」

「俯瞰」の対義語を例文と共に解説!

「俯瞰」の対義語を例文と共に解説!

「俯瞰」と逆の意味をもつ言葉には何があるか気になりますよね。その中には聞き覚えのないものも含まれるかもしれません。これを機に「俯瞰」と結びつけて覚えておくと、よい言葉を紹介します。このように一つの言葉から結びつけて語彙を増やすことで、本や新聞を読むときに役に立ちます。

「仰視」は「仰ぎ見ること」

「仰視」は「ぎょうし」と読みます。この言葉の意味は「仰ぎ見ること」です。「俯瞰」が下を見下ろしている状態を表現していたのに対し、「仰視」は上を見ている様子を表現する言葉になります。「俯瞰」や「鳥瞰」のように、考え方や視点を表現した言葉ではありません。

音が全く同じ熟語に「凝視」があります。「凝視」の意味は「じっと見つめること」ですので、「仰視」と全く違った意味になります。パソコン入力時の変換ミスなどが起こりやすいので注意しましょう。また、「仰視」は「自由の女神を仰視した。」というように使われます。

参照:Weblio辞書「凝視」

「偏狭」は「度量が小さいこと」

「偏狭」は「へんきょう」と読みます。この言葉は「自分の考えだけにとらわれていること」を表現した言葉です。視野の狭さや考え方の小ささを表しています。先ほど紹介した「仰視」とは異なり、もののとらえ方の範囲を表した言葉です。また「偏狭」には「土地が狭いこと」という意味もあります 。「偏狭な彼に何を言っても無駄だ。」のように使われます。

参照:Weblio辞書「偏狭」

「俯瞰して見る」は間違い!よく見る間違いの例

「俯瞰して見る」は間違い!よく見る間違いの例

「俯瞰して見る」は使ってしまいそうになる誤用の代表例です。この使い方が間違っている理由は、「俯瞰」の「瞰」に「見る」という意味が含まれているからです。これは重複表現になってしまい適切ではありません。このような誤った使い方の例を見ていきましょう。

「俯瞰的に見る」はOK?

「俯瞰的に見る」という使い方は誤っているでしょうか。先ほどの例の「俯瞰して見る」を考慮すると間違っているようにも思えます。結論からいうと「俯瞰的に見る」は誤りではありません。ポイントは「的」が含まれているところです。「的」が付くことによって比喩的な表現になるため、文法的には誤りではありません。ただ重複表現があることには間違いないので、使い方に気をつけましょう

「客観的に俯瞰する」はNG!

では「客観的に俯瞰する」はどうでしょうか。こちらの表現は NG となります。その理由は、「客観」にも「俯瞰」にも「第三者の目線」という同じ意味を持っているからです。この表現は「右に右折する」といったような直接的な二重表現に当たるため、使わない方が望ましいでしょう。

「俯瞰」と「俯瞰的」の使い分けに注意!

「俯瞰」と「俯瞰的」で言葉のもつ役割が微妙に変わってきます。「的」をつけることで比喩的な表現になり意味が緩和されます。このような微妙なニュアンスの違いの使い分けが求められるところが、日本語の難しさの一つといえます。疑問に思うことがあったらきちんと調べ、使い分けていきましょう。

「俯瞰」と「鳥瞰」は同じ意味?似た意味の言葉の違いを徹底比較!

「俯瞰」と「鳥瞰」は同じ意味?似た意味の言葉の違いを徹底比較!

「俯瞰」の基本的な意味は「高いところから見下ろすこと」です。物事の考え方を表現する意味では、「広い視野で物事を捉えること」という意味になります。このような使われ方をする言葉は他にあるでしょうか。「鳥瞰」に代表される「俯瞰」に似た言葉をいくつか紹介し、その使い方を解説していきます

「鳥瞰」の意味と使い方

「鳥瞰」は「ちょうかん」と読みます。意味は「高いところから見下ろすこと」、「また全体を大きく見渡すこと」です。鳥が空高く飛んでいて下を見下ろしている時の視点から生まれた言葉です。「俯瞰」とほぼ同じ意味と捉えて問題ありません。「鳥の目で考える」といった表現もあるように、高いところからの目線は物事を広範囲で捉えている様子を表しています。「世界の今後の動向を鳥瞰する」のように使われます。

「達観」の意味と使い方

「達観」は「たっかん」と読みます。「達観」は「真理や道理を悟り、何事にも動じない状態」を指します。「俯瞰」と異なる意味のようにも見えますが、「物事の本質を見極める視点」といった意味から、「物事を広く見渡している様子」を表現する言葉としても用いられます。 つまり「達観」という言葉の意味は広いですか、「俯瞰」と同じの意味も持ち合わせています。「彼はまだ若いのに達観している」のように使われます。

「概括」の意味と使い方

「概括」は「がいかつ」と読みます。「概括」は「物事の大まかな内容を把握し、簡単な要約にまとめる様子」を表現しています。「俯瞰」の「広い視野をもつ」という意味に近いです。また、「さまざまな物事に共通する性質を抽出し、その性質を求める」といった意味もあります。「俯瞰」と同じ意味とはいえませんが、近いニュアンスをもつ言葉であることは確かです。「会議で出た意見を概括する。」のように使われます。

「客観」の意味と使い方

「客観」は「きゃっかん」と読みます。「客観」は「当事者ではなく第三者の立場から観察し考えること」を意味しています。「第三者の立場から」という点において「俯瞰」とほぼ同じ意味であるといえます。この「客観」という言葉の対義語は「主観」です。「主観」と「客観」はよく使われる言葉であるため覚えておきましょう。「彼はもっと自分を客観するべきだ。」のように使われます。

「俯瞰」の使い方と例文集

「俯瞰」の使い方と例文集

ここでは、「俯瞰」の正しい使い方と例文を紹介します。「俯瞰」の意味と使われるタイミングについて理解できるようになりましょう。「俯瞰」には大きく分けて2つのパターンがありました。1つ目は「実際にものを高いところから見下ろしている状態」、2つ目は「広い視野で物事を考えている状態」です。今回は、「広い視野で物事を考えている状態」に重点を置いて解説します

「俯瞰」の使い方

日常生活やビジネスシーンにおいては、 「考えが凝り固まってしまった状態」のときに用いられます。虫の目でしか物事を考えられなくなったときのアドバイスとして、「俯瞰して考えてみなよ。」といったような使われ方をします。一つのことに固執するのではなく、ラテラルな発想の転換が必要となるときに、このような表現が用いられます

「俯瞰」の例文

「俯瞰」の例文として以下のものが挙げられます。

例文
  • 日本の経済状況を俯瞰して、今後のビジネスプランを考える。
  • あまりにも前例にこだわりすぎだ。もっと俯瞰して考えて。
  • 彼のアイデアは物事を俯瞰して捉えているから合理的だ。

例文を見てもわかるように、俯瞰は比較的よい意味で使われます

まとめ

「俯瞰」の意味は「広い視野で物事を考えること」という意味合いが強いです。「鳥瞰」などの似た意味の言葉も多数あるため、その一つ一つの微妙なニュアンスを理解し使い分けができるようになりたいものです。それに向けて、少しでも疑問に思う言葉があれば検索をして身につけていくことをおすすめします

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