「ネイティブ」はビジネスシーンでも多用する言葉ですが、正しい使い方ができていますか?本記事では「ネイティブ」の意味・語源・類義語・対義語を解説します。「ネイティブスピーカー」など「ネイティブ」を使った表現とあわせてチェックしてください。
「ネイティブ」の意味とは?
「ネイティブ」とは、本来「その土地に元々いた人」「先住民族」という意味です。その場合、「イミグラント(移民)」の対義語として使われます。また、「天然の」「生まれつきの、生来の」「自然のままの」という意味もあります。
「ネイティブ」の定義
近年では日本で働く外国人も増えており、英会話教室や外資系の求人広告などでも「ネイティブが教えます」「ネイティブ求む」という言葉をよく目にするでしょう。また「デジタル・ネイティブ」などIT用語として使用されていることもあります。このように「ネイティブ」には色々な意味や多岐に渡る使い方があります。
「ネイティブ」の由来・語源
日本において日常会話やビジネスシーンで使う「ネイティブ」という言葉は、英語の「native」に由来します。英語の「native」には、「a native of NY(生粋のNY子など)」という名詞としての意味と、「先住の(ネイティブアメリカンなど)」「自然の、天然の(ネイティブトラウトなど)」という形容詞としての意味があります。
「ネイティブ」を使った表現・関連語
「ネイティブ」を使った表現・関連語にはどのようなものがあるのでしょうか。実際によく使う表現を中心に紹介します。ジャンルや状況によって表現は異なるので、それぞれの意味を知っておきましょう。
ネイティブアメリカン
ネイティブアメリカンとはアメリカ合衆国の先住民族をまとめた呼び名です。1492年に探検家・コロンブスが現在の北米地域に到達しますが、それ以前に現地に居住していた民族を指します。2013年時点において、連邦政府が認める部族集団は566、州政府レベルではさらに70の集団の存在が確認されています。
ネイティブイングリッシュ
「ネイティブイングリッシュ」は、英語を母国語とする人の英語という意味です。「ネイティブイングリッシュ」を話す人をネイティブスピーカーと呼びます。多くの人が英語を学習する日本では、英語を母国語として話す人をネイティブスピーカーと呼ぶことが多いですが、英語に限らず使用できる表現です。語学を習得するにあたり、ネイティブスピーカーはしばしば学習者の最終的な目標として扱われます。
ネイティブチェック
「ネイティブチェック」とは、その言語を母国語とする人(ネイティブスピーカー)が文法上の誤りを正して、より自然な文章にする作業です。訳文を読んで、誤字脱字の有無や表現上の間違いをチェックし、修正すべき点があれば直します。「ネイティブチェック」を行う人はネイディブチェッカーと呼ばれます。「ネイティブチェック」を行うことで、ネイティブスピーカーが文章を読んだときに違和感なく、よりふさわしい表現にすることが可能です。
ネイティブ柄
「ネイティブ柄」は、アメリカの先住民族(ネイティブアメリカン)に昔から伝わる伝統的なパターンです。 チマヨ柄・オルテガ柄・ナバホ柄・チーフジョセフ柄など、部族の名称が付けられており、その総称を「ネイティブ柄」と呼んでいます。「ネイティブ柄」は小さな三角形をいくつも組み合わせたようなデザインが特徴で、アウトドアのキャンプ用品・衣料品・インテリアなどのデザインなどに用いられることが多いです。
デジタル・ネイティブ
「デジタルネイティブ」とは、生まれながらにITに親しんでいる世代を指します。日本においては1980年前後に生まれた世代が「デジタルネイティブ」であるとされています。
その中でも幼少期から携帯電話やインターネットに親しんでいた人たちを指して「デジタルネイティブの第1世代」、SNSや動画共有サイトのようなソーシャルメディアを使いこなしながら青年期を過ごした人たちのことを「デジタルネイティブの第2世代」と区分することもあります。
「ネイティブ」の類義語・言い換え
「ネイティブ」の類義語・言い換え表現にはどのようなものがあるのかみていきましょう。近年では日常シーンだけでなく、文化や教育、技術分野などさまざまなビジネスの場でも使われています。
「原住民」という意味の類義語
「ネイティブ」の類義語は「原住民」です。「原住民」とは「その地域にもともと住んでいる人々」のことです。また、「移り住んでくる前からその場所に住んでいた人」を指す「先住民」も「ネイティブ」の類義語のひとつです。このほか類義語には「土民」「住民・住人」「ジモティ(地元の人)」などがあります。
さらに、「ネイティブ」は他の語と組み合わせて使い、「ネイティブ◯◯」とすることで、「先住の◯◯」「生え抜きの◯◯」という意味になります。例えばネイティブアメリカンのように、その地域の人であることを表す場合に「ネイティブ」を単語の頭に付けて使います。
「天然の」という意味の類義語
「ネイティブ」は「天然の、自然のままの」という意味を表す際にも使い、「ネイティブトラウト」「ネイティブプランツ」などの表現があります。「ネイティブトラウト」は「自然のマス」、「ネイティブプランツ」は 「土着の植物」のことです。
「ネイティブ」の対義語・反対語
「ネイティブ」の対義語・反対語にはどのようなものがあるのか紹介します。「ネイティブではない」という意味を表す際の「ノンネイティブ」という表現もあわせて覚えましょう。
対義語は移民・外来種・外国語
「その土地に元々いた人」「先住民族」という意味で「ネイティブ」を使う場合、その対義語・反対語は「イミグラント(移民)」です。移民とは「職に就くことが目的で外国に移り住むこと、また住む人」を指し、「移民する」「不法移民」「移民数」のように使います。ほかに「ネイティブ」の対義語・反対語には、「移住」「移住者」「移動」「亡命」などがあります。
また生物における「ネイティブ」の対義語には「外来種」が該当します。「外来種」とはその地域にはじめから生息・繁殖していたわけでなく、他の地域から人為的にもたらされた動物や植物のことです。また、「母国語」という意味で「ネイティブ」を使う場合には「外国語」が対義語になります。
ノンネイティブと言うことも
「ネイティブではない」という意味を表す際、「ノンネイティブ」という表現もよく耳にします。「母国語ではない人」という意味でこの表現を使い、たとえば「彼女は英語が堪能だがノンネイティブだ」という言い回しをすることがあります。ただしビジネスシーンで「ネイティブ」「ノンネイティブ」を使用する場合には、相手の能力や出自に触れることもあるため初対面の会話では避けたほうが無難です。普段から「ネイティブ」の意味を理解して使っていれば、海外の人との会話でも間違って使う心配がないでしょう。
「ネイティブ」の使い方と例文集
「ネイティブ」の使い方と「ネイティブ」を用いた例文を集めました。意味と使い方のポイントをしっかりと押さえて実際の会話で使ってみましょう。
「ネイティブ」の使い方
「ネイティブ」はそのまま使う場合と、「ネイティブ」を頭に付けて「ネイティブ◯◯」として使う場合があります。どちらも日常会話でもビジネスシーンでもよく使う表現ですが「ネイティブ」という言葉にはいくつか意味がありますので、間違った解釈で失敗しないように言葉の意味と用法をしっかりと覚えておく必要があります。
「ネイティブ」を用いた例文
「ネイティブ」を使った言い回しは、どのような意味で使用するかで変わってきます。
彼がその土地の歴史に詳しいのは、祖先が「ネイティブアメリカン」だからです。
養殖場で飼育されたものより、「ネイティブトラウト」は身が引き締まっていて美味しいです。
英語を流暢に話したいと思っているならば、「ネイティブスピーカー」に教えてもらうと上達が早いよ。
まとめ
「ネイティブ」の使い方を覚えるには、実際に言葉として使って覚えるのが一番の近道です。いざというときに慌てないようにするため、「ネイティブ」の意味の違いや使い方のポイントをあらかじめしっかりと確認しておきましょう。