「インタラクティブ」とは、ビジネスシーンだけでなく、マーケティングやデジタルメディア分野などでも多く使われているカタカナ語です。今回は「インタラクティブ」の類義語と対義語、「インタラクティブ」を含んだ単語や使い方を詳しく解説します。
「インタラクティブ」の意味とは?
カタカナ語の「インタラクティブ」の意味は「相互作用(の)」と「双方向(の)」です。ビジネスシーン、とくにマーケティングやIT、メディア関連の業界で多く使われています。
1.相互作用
「インタラクティブ」には「相互作用(の)」の意味があります。相互作用とは、2つ以上のものが互いに作用しあって、影響を及ぼすことです。複数の薬を同時に飲んだときに効果を打ち消し合う、または効果が強められてしまうことを「薬物相互作用」といいます。
2.双方向のやりとり
「インタラクティブ」には「双方向(の)」や「双方向のやりとり」の意味もあります。とくにマーケティングやIT、メディア関連の業界では、「双方で情報交換するコミュニケーション形式」や「双方向性を持った情報を発信すること」を「インタラクティブ」といいます。
「インタラクティブ」の語源
「インタラクティブ」の語源は英語の「interactive」です。「interactive」も同様に「相互作用の」と「相互に作用する」、「双方向性のある」の意味があります。「interactive services(双方向サービス)」や「 Interactive TV services will increase in the future.(双方向性のあるテレビサービスはこれからも増えそうだ)」などと使います。
「インタラクティブ」の類義語・言い換え
「インタラクティブ」の類義語や言い換え表現には「双方向性」と「参加型」「対話型」があります。これらの意味を確認して、理解を深めましょう。
1.双方向性
「双方向性」とは、どちらかが一方的にではなく、お互いにやりとりを交わせることをいいます。日本語で「インタラクティブ」を説明するのに、もっとも使いやすい単語です。メディア関連では情報を発信者から働きかけるだけでなく、閲覧者などの受け手からも何かしらを発信する、反応できることをいいます。
2.参加型
「参加型」とは、「インタラクティブメディア」や「インタラクティブデザイン」など、消費者やユーザーが参加できるもののときに言い換えられる言葉です。「インタラクティブ」が意味する「双方向の」には、発信者以外の人が参加できることも含んでいます。
3.対話型
「対話型」とは、ソフトウェアやシステム、機械などがユーザーと会話するような相互作用をもつことです。ユーザーの意図を汲んで反応を返す、ユーザーの選択肢を予想し、音声や画像で提示するなどの機能があります。
「インタラクティブ」の対義語・反対語
「インタラクティブ」の対義語や反対語には、「ノンインタラクティブ」と「一方通行」「一方的」があります。いずれも双方向性がない様を意味する言葉です。
1.ノンインタラクティブ
「ノンインタラクティブ」は、最近メディア関連で登場することが増えています。双方向性のあるインターネットなどの「インタラクティブ」なメディアに対し、映画やCDなど発信が一方的になりがちなメディアを指して「ノンインタラクティブメディア」と呼ぶことがあります。
2.一方通行
「一方通行」とはある一方向からの伝達のみで、逆方向からは行われないことをいう四字熟語です。片側からしか意思疎通ができないので、「双方向(の)」を意味する「インタラクティブ」とは反対の意味になります。また、道路標識の「一方通行」は道路の一方向に限り、車両などの通行を許可することをいいます。
3.一方的
「一方的」とは、双方がかかわりあうのではなく、片方からだけかかわっていることをいいます。「対話型」の反対を意味するときに使えます。また自分の都合だけを考え、相手に配慮せずにものごとを図ることもいいます。
「インタラクティブ」を含む単語
「インタラクティブ」にほかの語を合わせた単語は、多くのジャンルで使われています。以下では代表的なものを6つ紹介します。
1.インタラクティブメディア
「インタラクティブメディア」とは、情報の受け手が反応できるしかけをプラスした情報伝達手段です。テレビ番組の放送中に視聴者がテレビのリモコンで投票し、結果を番組内容に反映させるのはその一例です。「インタラクティブ動画」や「インタラクティブコンテンツ」なども、ユーザー参加型で提供されます。
2.インタラクティブゲーム
「インタラクティブゲーム」とは、プレイヤーの操作によって場面の内容が変わるゲームをいいます。また、スマートフォンとサイネージ(電子看板)を連動させ、スマホにアプリをダウンロードせずにサイネージのディスプレイで楽しめる、体験型の「インタラクティブゲーム」も開発されています。
3.インタラクティブアート
「インタラクティブアート」とは、観客が参加することにより完成するアート作品です。アーティストが表現する空間の中に見る人を巻き込み、観客の反応に合わせて演劇や音楽などのパフォーマンスを見せる、アプリケーションを操作させる、ゲームに参加してもらうなどをします。人対人のほか、機械対機械や人対機械が相互的にかかわり、人間の感覚を拡張させる「インタラクティブアート」も登場しています。
4.インタラクティブデザイン
「インタラクティブデザイン」とは、双方向性をデザインすることです。とくにグラフィックデザインやウェブデザインの分野で多く使われています。ホームページの画像のデザインのほか、情報選択の画面や画像切り替えなどの動作をデザインすること。加えてサイトでのユーザーの行為や体験をデザインすることも、「インタラクティブデザイン」といいます。
5.インタラクティブホワイトボード
「インタラクティブホワイトボード」とは、パソコンの画面を映し出せるホワイトボードのことです。「電子黒板」の一種で、パソコンの資料をホワイトボードに表示させ、ホワイトボードに書き込んだことをパソコンに保存できる双方向性があります。「インタラクティブプロジェクター」はスクリーンにパソコンの画面を映し出せ、「インタラクティブホワイトボード」に近い機能を持ちます。
6.インタラクティブフォーラム
「インタラクティブフォーラム」とは即興で自分の考えを展開させる、双方向性のある英会話コンテストのことです。実践的なコミュニケーション能力の育成が目的で、近年は以前からあったスピーチコンテストよりも、「インタラクティブフォーラム」が多く行われています。
「インタラクティブ」の使い方
「インタラクティブ」はビジネスシーンでも耳にすることが多い言葉です。双方向でやりとりしているイメージを思い浮かべれば、「インタラクティブ」と聞いたときにも戸惑わずにすむでしょう。
ビジネスシーンでの「インタラクティブ」
「インタラクティブな施策を」とは、「企業から顧客へ一方的に情報発信をするのではなく、顧客からもアプローチできる施策を」という意味です。雑誌や新聞、テレビCMなどは一方的な情報発信手段ですが、TwitterやInstagramなどのSNSを使ったPRにはユーザーがいいねやコメントを付けられるので、「インタラクティブな施策」だといえます。また、「インタラクティブな会議」は形式的に採決を取るだけなど、一方的なコミュニケーションだけが行われる会議とは異なります。参加者がお互いにやりとりを交わし、議論を進められる会議のことをいいます。
コミュニケーションでの「インタラクティブ」
「インタラクティブ」をコミュニケーションの形式に使う場合は、情報を双方向でやりとりするニュアンスが強くなります。片側から一方的に情報を出すのではなく、その情報に対するフィードバックを得たり、情報についての意見交換をしたりします。企業がインターネットで顧客とコミュニケーションをし反応を見ることは、「インタラクティブコミュニケーション」ともいいます。
「インタラクティブ」を使った例文集
「インタラクティブ」を用いた例文を4つ紹介します。
- 新しいアイディアはインタラクティブなコミュニケーションから生まれる。
- AIスピーカーには、インタラクティブな機能が追加されていて便利に使える。
- まずはインタラクティブな施策を行い、当社のファンを増やすことが大切だ。
- パソコンとスマートフォンは、インタラクティブなシステムをもつものの代表例だ。
まとめ
「インタラクティブ」には「相互作用(の)」と「双方向(の)」の意味があり、「参加型」や「対話型」も「インタラクティブ」と置き換えられることがあります。一方的ではない、複数人がかかわってやりとりできることを示す言葉です。「インタラクティブ」が付く単語は多くあるので、一緒に覚えておきましょう。ビジネスシーンでも登場する機会は多いので、使い方も知っておくと安心です。