「おおよそ」の正しい使い方を知っていますか?よく聞く言葉ですが詳しく知らない人もしばしば。この記事では「おおよそ」の正しい使い方や「およそ」との違い、類語について解説します。社会人として「おおよそ」を正しく使えるようになりましょう。
「おおよそ」の意味とは?
「おおよそ」は「大体の内容」「大雑把な内容」という意味。はっきりとしていないものにたいして使える表現で、明確な数字は出さずとも全体像を伝えたいときなどに使います。
「おおよそ」の漢字表記
「おおよそ」は漢字で「大凡」と書きます。
「大」という漢字は「大体」などにも使われているとおり「おおよそ」という意味をもち、「凡」は「すべてを通して」といった意味をもちます。よって、「大凡」は類似している2つの言葉をくっつけることで完成した「熟語」ともいえるのです。
「おおよそ」の類義語・言い換え表現
ここでは「おおよそ」の類義語・言い換え表現を紹介します。「おおよそ」の類義語・言い換えを知っていると、語彙力が向上し、会話や文章表現の幅が広がります。また話している相手に知的な印象を与えることも。逆に「おおよそ」の類義語・言い換えを知らないと会話や文章が幼稚な印象になります。「おおよそ」の類義語・言い換えは確実に押さえて、頭に入れておきましょう。
「おおよそ」の類義語1「ざっと」
「おおよそ」の類義語1つ目は「ざっと」です。「ざっと」は「細かいことは気にせずにおおまかに行う様子」や「全体の数量などにおおまかな見当をつけること」などの意味があります。「おおよそ」と比べるとラフな表現ですので、身近なひとや親密なひとに使いましょう。
- ざっとこのくらいの日数かかる。
「おおよそ」の類義語2「ほとんど」
「おおよそ」の類義語2つ目は「ほとんど」です。「ほとんど」は「全体のうちの大多数」を意味する言葉。「おおよそ」という大雑把な表現よりも、「ほとんど」のほうが細かい表現になります。
- 教室の生徒のほとんどは座っていた。
「おおよそ」の類義語3「かれこれ」
「おおよそ」の類義語3つ目は「かれこれ」です。「かれこれ」は「さまざまなものごと」を漠然と表現する言葉。主に「いままでの数値や時間」を表現するときに使います。
- あの日からかれこれ10年は経ったようだ。
「おおよそ」の類義語4「約」
「おおよそ」の類義語4つ目は「約」です。「約」は「短く表現すること」「あらまし」などを表現した言葉。数値の直前につくことによって、その数値が「おおよそ」であることを示します。
- 完治するまでは約6カ月かかります。
「おおよそ」の類義語5「粗々」
「おおよそ」の類義語5つ目は「粗々」です。「粗々」は「あらあら」「ほぼほぼ」と読みます。「ほぼ」の意味を強めて「ほとんど全部」を表現したり、「丁寧ではない様子」を表します。
- 私たちは粗々(ほぼほぼ)大学へ進んだ。
- 今後の予定は粗々(あらあら)申し上げたとおりです。
「おおよそ」と「およそ」の違い
「おおよそ」と似た言葉に「およそ」というものがあります。意味としては同じようなものですので、「おおよそ」と「およそ」の違いを知っているひとはほとんどいません。ここでは「おおよそ」と「およそ」の違いを紹介します。違いを知らないままにしておくと「おおよそ」と「およそ」を混同して使ってしまい、社会人として恥ずかしいミスにつながることも。「おおよそ」と「およそ」の違いはしっかり覚えておきましょう。
「おおよそ」と「およそ」に意味の違いはない
「おおよそ」と「およそ」に意味の違いはありません。「おおよそ」が「大体の内容」「大雑把な内容」という意味であるのと同じように、「およそ」も「おおまかな様子」を表します。
「おおよそ」と「およそ」は使い方に違いがある
「おおよそ」と「およそ」では使い方に違いがあります。それが「おおよそ」は書き言葉として使い、「およそ」は話し言葉で使うというもの。特に書き言葉として「大体の内容」を伝えたいときには「およそ」ではなくて「おおよそ」を使うことに注意する必要があります。
「おおよそ」の使い方と例文集
「おおよそ」の意味や「およそ」との違いを知っていても、実際にどうやって「おおよそ」を使うのかを知らなければすべては水の泡。ここでは「おおよそ」の使い方、注意点、例文を紹介します。「おおよそ」の正しい使い方をマスターすることによって、相手に不快感を与えない、好印象を与えられるようになりましょう。
「おおよそ」の使い方
「おおよそ」は敬語ではありませんが、丁寧な表現ではあります。よって、目上のひとやビジネスシーンにおいても使えるのです。しかし、日常生活においては「おおよそ」がもつ丁寧なニュアンスが裏目に。日常会話において「おおよそ」を使うと堅苦しく感じられてしまうため、「大体」や「ざっと」などを使うようにしましょう。
「おおよそ」を使用するときの注意点
「おおよそ」を使うときには「使う状況」に注意しましょう。なぜなら「おおよそ」は「大雑把な内容」を表現するものだから。たとえば「大切な金額を聞かれているとき」や「約束の時間などを聞かれているとき」は「おおよそ」を使わないようにしましょう。相手は「詳細な数字」を求めているから。以上のように「おおよそ」は状況や聞かれている内容によっては不適切な表現となりますので、注意が必要です。
「おおよそ」の例文
「おおよそ」を使った例文は以下のとおりです。
- ここから東京までは車でおおよそ3時間ほどかかります。
- 詳細は後日メールにてお伝えしますが、現状決まっているおおよその日程がこちらです。
- 本案件に関しては前担当者のAからおおよそ聞いております。
- 私は大学生のころからおおよそ100万円くらいをパチンコに使っている。
- あなたの意図にはおおよそ見当がついていますよ。
「おおよそ」を含む表現を英語でいうと?
「おおよそ」を含む表現を英語でいえますか?ビジネスにおいては最初に「おおよそ」の内容を掴むことが非常に重要です。ここでは「おおよそ」を含む表現の英語でのいいかたについて解説。「おおよそ」を含む言葉の英語表現を知っていると、海外のクライアントや英語圏出身の上司や同僚などとも会話が弾みます。一流のビジネスマンを目指して、是非「おおよそ」の英語表現を覚えましょう。
「おおよそ」の英語表現
「おおよそ」を英語でいうと「about」「roughly」「approximately」となります。具体的な使い方は以下のとおり。「about」「roughly」「approximately」の順に表現が堅苦しくなっていくという違いがありますので、適切に使い分けましょう。
- I will arrive at about 6 p.m.
私はおおよそ午後6時に到着します。 - He’s roughly thirty, judging by his appearance.
彼は外見から判断するにおおよそ30歳くらいかな。 - I understood his condition approximately.
私はおおよそ彼の容体を把握しました。
「おおよその金額」の英語表現
「おおよその金額」を英語でいうと「approximately cost(value, amount)」となります。
- Please tell me the approximate cost(value, amount).
おおよその金額を教えてください。
「おおよその日付」の英語表現
「おおよそ日付」を英語でいうと「approximate date」となります。
- What is the approximate date?
おおよその日付を教えてください。
「おおよその予定」の英語表現
「おおよその予定」を英語でいうと「approximate schedule」となります。
- What is your approximate schedule?
おおよその予定を教えてください。
「おおよそで構いません」の英語表現
「おおよそで構いません」を英語でいうと「It’s okay to approximate.」となります。「It’s okay to」で「〇〇で構いません」という意味ですので覚えておきましょう。
「おおよその時間を教えてください」の英語表現
「おおよその時間を教えてください」を英語でいうと「What is the approximate time」となります。「time of arrival」のようにすることで「到着の時間」などのさまざまな表現ができます。
- What is the approximate time of arrival?
おおよその到着時間を教えてください。
まとめ
「おおよそ」は「大体の内容」「大雑把な内容」を表す言葉。丁寧な言い回しであるためビジネスシーンなどでも多用されます。しかしながら、相手が正確な数値を求めているときには「おおよそ」は使わないようにしましょう。「おおよそ」は非常に便利な言葉。状況やタイミングを見計って使うのがベストです。