「受け取る」の正しい使い方を知っていますか?ビジネスにおいては「受け取る」を使う機会が多く、受け取る相手によって敬語を使い分けなければいけません。ここでは「受け取る」の正しい使い方、敬語・類語について解説します。社会人として必須の知識です。
「受け取る」の意味とは?
「受け取る」の意味は「渡されたものを受けてとる」「責任をもって担当する」「ひとの言葉や行動を自分なりに解釈する」という意味があります。複数の違った意味をもつ言葉ですので、それぞれの意味を理解することが大事。そのうえで文脈によって「受け取る」がどの意味を指し示しているのかを区別できるようになりましょう。
「受け取る」の類義語・言い換え
ここでは「受け取る」の類義語・言い換えについて紹介します。「受け取る」は非常に広い範囲をカバーする意味をもっているため、微妙なニュアンスが伝わりづらい。しかし、「受け取る」の類義語・言い換えを覚えておけば、その問題も解説できます。ビジネスマンとして相手との理解の差はできるだけ少なくしたいもの。一人前のビジネスマンとして自立するためにも「受け取る」の類義語・言い換えは覚えておきましょう。
「受け取る」の類義語1「わかる」
「受け取る」の類義語1つ目は「わかる」です。「わかる」は「意味や区別がはっきりとする」「事実などが判明する」などの意味をもった言葉。よって、「解釈する」という意味における「受け取る」の類義語だといえます。
この問題への解決策がわかるまでに3年はかかるだろう。
「受け取る」の類義語2「入手する」
「受け取る」の類義語2つ目は「入手する」です。「入手」とは「手に入れること」「手に入ること」「自分のものにすること」などを意味する言葉。よって、「受けてとる」という意味における「受け取る」と類義語の関係にあります。
私は長い年月をかけてこの骨董品を入手した。
「受け取る」の類義語3「もらい受ける」
「受け取る」の類義語3つ目は「もらい受ける」です。「もらい受ける」は「貰い受ける」とも書き、「もらって自分のものにする」という意味。よって、「受けてとる」という意味における「受け取る」とは非常に近い意味をもちます。
彼から貰い受けたこのブローチは私の宝物です。
「受け取る」の類義語4「読み取る」
「受け取る」の類義語4つ目は「読み取る」です。「読み取る」は「文章などを読んで主旨を理解する」「外側をみて、その内側をおしはかって理解する」という意味。よって、「解釈する」の意味における「受け取る」と類義語の関係にあります。
彼の表情からは非常に悲しい過去を読み取れた。
「受け取る」の類義語5「取り上げる」
「受け取る」の類義語5つ目は「取り上げる」です。「取り上げる」は「置かれているものを手にとって持ち上げる」「相手がもっているものを無理やり奪う」などのさまざまな意味をもつ言葉。「渡されたものを受けてとる」という意味の「受け取る」とは若干違う意味をもちますが、「受け取る」の類義語です。使い分けられるように意味を整理しておきましょう。
彼のおもちゃを取り上げて、彼女はそれを海に捨ててしまった。
「受け取る」の対義語
「受け取る」の対義語は「差し出す」です。「差し出す」とは「伸ばして前方に出す」「ひとに与えるために出す」「提出する」などの複数の意味をもった言葉。その意味のうち「ひとに与えるために出す」は「渡されたものを受けてとる」という意味をもっている「受け取る」とはまったく反対の意味です。よって、「差し出す」は「受け取る」の対義語であるといえます。
彼女は背中に隠し持っていたナイフを差し出し、警官はそれを受け取って、彼女を逮捕した。
ビジネスにおける「受け取る」
ビジネスシーンにおいて「受け取る」を使うタイミングはたくさんあります。たとえば、「メールの受け取り」「商品の受け取り」「お土産の受け取り」「資料の受け取り」などです。よって、目上のひとに対して「受け取る」を使うことも非常に多い。目上のひとに対しては「受け取る」を使うのではなく、「受け取る」を誰がするのかに合わせて適切な敬語を使います。「受け取る」の敬語については後述いたしますので、ビジネスマンとして確実に身につけておきましょう。
「受け取る」の敬語表現
「受け取る」の敬語表現を正しく使えますか?「受け取る」はビジネスシーンでよく使う表現ですので、敬語表現を覚えていないと目上のひとの失礼にあたるかも。ここでは「受け取る」の敬語表現について解説します。「受け取る」の敬語表現を身につければ、目上のひとや取引先からも好印象を得ることが可能。社会人のマナーとして「受け取る」の敬語表現は覚えておきましょう。
「受け取る」の丁寧語
「受け取る」の丁寧語は「お受け取り」です。丁寧語は厳密には敬語に分類されません。単に丁寧に表現する方法として、上下関係が発生しない相手に対して使います。よって、目上のひとには「お受け取り」は使わず、尊敬語や謙譲語を使うのです。「受け取る」の丁寧語である「お受け取り」は親しい関係や、同僚のみにしておきましょう。
こちらの資料をお受け取りください。
「受け取る」の尊敬語
「受け取る」の尊敬語は「お受け取りになる」「お受け取りになられる」です。「お〇〇になる」「お〇〇られる」で相手の行為を尊敬して敬意をもって表現できます。よって、自分の行動には尊敬語を使わないのがマナー。ほかにも「受け取る」の尊敬語には「ご査収ください」「お納めください」「ご笑納ください」などがあります。
社長は資料をお受け取りになって、そのままオフィスを出ていかれた。
「受け取る」の謙譲語
「受け取る」の謙譲語は「お受け取りいたす」です。「お〇〇いたす」で自分の行為をへりくだって、相対的に相手に敬意を表せます。よって、「お受け取りいたす」は相手が「受け取る」ときではなく、自分が「受け取る」ときに使うものです。ほかにも「受け取る」の謙譲語としては「頂戴いたします」「頂きます」「受領いたします」などがあります。
先日送っていただいた商品は無事にお受け取りいたしました。
「受け取る」の使い方と例文集
「受け取る」の意味や敬語表現がわかっていても、実際に使えなければ何の意味もありません。「受け取る」の使い方を間違っていると、社会人として恥ずかしいミスにつながってしまうかも。ここでは「受け取る」の使い方、使うときの注意点、例文について紹介します。「受け取る」を正しく使えれば、ビジネスのたくさんのシーンで活用可能。「受け取る」の使い方は社会人として確実に押さえておきたいもののひとつです。
「受け取る」の使い方1「受け取る人によって敬語を使う」
「受け取る」の使い方1つ目は「受け取るひとによって敬語を使う」です。これは前述のとおりですが、社会人としてのマナー。使う敬語表現は以下のとおりです。相手や状況に合わせて適切な敬語表現を使えないと、社会人としてなってないと思われてしまいますので注意しましょう。
- 「受け取る」ひとと上下関係がない場合:丁寧語
- 「受け取る」ひとが目上である場合:尊敬語
- 「受け取る」ひとが自分で、相手が目上である場合:謙譲語
「受け取る」の使い方2「相手に受け取りを確認するとき」
「受け取る」の使い方1つ目は「相手に受け取りを確認するとき」です。自分が差し出したものや送ったものを相手が受け取れたかを確認するときには「お受け取りになられましたか?」「お受け取りになられたでしょうか?」を使いましょう。これらは相手が受け取るため尊敬語を使って表現されています。
「受け取る」を使用するときの注意点
「受け取る」を使うときには「相手と自分の立場の関係性」について注意しましょう。なぜなら「受け取る」にはたくさんの敬語の種類があって混同してしまいがちだから。しっかりと相手と自分の関係性を理解していないと間違った敬語表現を使って、不快に思われるかも。何度もいいますが、「受け取る」を使うときには「相手と自分の関係性」に気をつけましょう。
「受け取る」の例文
「受け取る」を使った例文は以下のとおり。
- 資料をお受け取りになったうえで指定の席への着席をお願いします。
- 先日送信させていただいたメールはお受け取り済みでしょうか?
- 受け取りの確認はちゃんと済ませたか?
「受け取る」の英語表現
「渡されたものを受けてとる」という意味における「受け取る」を英語にすると「receive」となります。
I received the product yesterday.(先日その商品を受け取りました。)
まとめ
「受け取る」の意味は「渡されたものを受けてとる」「責任をもって担当する」「ひとの言葉や行動を自分なりに解釈する」などのさまざまな意味をもつ言葉です。ビジネスシーンにおいては「受けてとる」の意味で「受け取る」を使うことが多い。よって、敬語で「受け取る」を使えるかどうかは社会人として大事なポイントです。しっかりと身につけて、間違わないようにしましょう。