「終日」の正しい使い方を知っていますか?意味を間違っている人が多く、その間違いによってビジネスシーンで重大なミスをしてしまう可能性も。ここでは「終日」の正しい使い方、読み方、英語、「全日」との違いを解説します。しっかりと覚えておきましょう。
「終日」の読み方
「終日」の読み方を知っていますか?多くのひとが「終日(しゅうじつ)」だけだと思っていますが、実はそうではありません。ここでは「終日」の読み方について解説します。5種類もの読み方がありますので、その場やシチュエーションに合わせた読み方ができるように、しっかりと覚えておきましょう
「終日」の読み方1「しゅうじつ」
「終日」の読み方1つ目は「しゅうじつ」です。こちらが「終日」の読み方として最も一般的。普段使いをする際には「終日」は「しゅうじつ」と読むようにしましょう。
「終日」の読み方2「ひねもす」
「終日」の読み2つ目は「ひねもす」です。「ひねもす」という言葉は平安時代初期から使われていた言葉。古文などで「終日」を見かけた際には「ひねもす」と読むようにしましょう。
「終日」には他の読み方も
「終日」の読み方は「しゅうじつ」と「ひねもす」以外にもあります。それが「ひめもす」「ひもすがら」「ひすがら」です。「終日」に読み仮名として「しゅうじつ」「ひねもす」以外がついていたとしても間違いだと思わないようにしましょう。
「終日」の意味とは?
「終日」の意味を正しく知っていますか?実は多くのひとが「終日」の意味を間違って記憶しています。ここでは「終日」の意味を解説。間違いやすい言葉もたくさんありますので、「終日」の意味をしっかりと把握して、正しく理解できるようになりましょう。
「終日」は「朝から晩まで」という意味
「終日」は「朝から晩まで」を意味する言葉です。お店などにおいては「終日」というと「営業時間内」という意味であり、企業などにおいては「終日」は「出勤してから退勤するまで」のことを指します。使うタイミングや対象によって絶妙に意味合いが異なりますので気をつけましょう。
参照:Weblio辞書「終日」
具体的な時間は決まっていない
「終日」の具体的な時間の定義はありません。通常の「人が活動している時間」を指しています。よって、早朝や夜中は「終日」に含まれることはありません。「終日対応可能」という文字を見たからといって、相手が活動していないであろう時間帯にも連絡することがないようにしましょう。
「終日」の由来・語源
「終日」の由来は中国にあります。日本では平安時代初期から「朝から晩まで」という意味で「ひねもす」が使われていました。そのとき中国から「終日(しゅうじつ)」という言葉が伝わり、意味が一致していたことから「終日」を「ひねもす」と読むように。いまでは「終日(しゅうじつ)」の方が一般的です。
「終日」の類義語・言い換え
ここでは「終日」の類義語・言い換えについて解説します。「終日」はビジネスシーンやお店などでよく見かける表現です。しかしながら、日常会話や小説ではまた別の表現を使うことがほとんど。「終日」の類義語・言い換えを覚えて、どんな場で「終日」を表す言葉が出てきても理解できるようにしましょう。
一日中
「終日」の類義語1つ目は「一日中」です。「一日中」も「終日」と同じように「活動時間内」という意味。「24時間いつでも」を指している言葉ではないことに注意が必要です。
彼は一日中本を読んでいた。
四六時中
「終日」の類義語2つ目は「四六時中」です。「四六時中」は「終日」とは違って「24時間ずっと」という意味。「いつも〇〇ばかりしている」というニュアンスを含みます。
四六時中君のことを考えていたよ。
昼夜を問わず
「終日」の類義語3つ目は「昼夜問わず」です。「昼夜」とは「昼も夜も」「いつも」という意味。「問わず」は「関係なしに」という意味です。
私は昼夜問わず必死で働き抜いた。
朝から晩まで
「終日」の類義語4つ目は「朝から晩まで」です。つまり「終日」と同じように「朝から夜までの活動している間」のことを指します。
私は朝から晩まで読書をしていました。
いつでも
「終日」の類義語5つ目は「いつでも」です。「いつでも」は文字通り「どの時間でも」という意味。よって「終日」とは違って「24時間」を指しています。
何か困ったことがあればいつでも連絡ください。
「終日」と「全日」の違い
「終日」と「全日」の違いは「含まれている意味の違い」です。「終日」は「朝から晩まで活動時間」を指しているのに対して、「全日」は「終日」と同じ意味をもっていますが「すべての日」「毎日」という意味ももっています。使い分けの例は以下のとおり。
- 終日対応可能です。(一日中対応できます。)
- 全日対応可能です。(毎日対応できます。)
「終日」の使い方と例文集
「終日」の意味や類義語・言い換えを知っていても、実際に「終日」を使えなければ意味がありません。ここでは「終日」の使い方、注意点、例文を紹介します。「終日」を間違ったまま使ってしまうと、約束を破ってしまったり、マナーとして外れていることをしたりしてしまうかも。「終日」の使い方は社会人としてマスターしておきましょう。
「終日」の使い方1「終日営業」
「終日」の使い方1つ目は「終日営業」です。「終日営業」とは「24時まで営業している」という意味。間違って使ってしまうとクレームのもとにもなりますので注意しましょう。
うちの店は終日営業しています。
「終日」の使い方2「終日禁煙」
「終日」の使い方2つ目は「終日禁煙」です。「終日禁煙」は「営業時間内では喫煙できません」という意味。よって、そのお店ではタバコは吸えないのです。
あの喫茶店は終日禁煙になったんだ。
「終日」の使い方3「終日運休」
「終日」の使い方3つ目は「終日運休」です。「終日運休」とは「今日はすべて運休」という意味。「最初の便から最後まですべてが運休している様子」を指していいます。
前日から続いている台風の影響で終日運休だそうだ。
「終日」の使い方4「終日不在」
「終日」の使い方4つ目は「終日不在」です。「終日不在」は「今日は会社にはいない」という意味。よって、「終日不在」の相手をずっと待っていても明日の出勤にならない限りは会えません。
高橋は終日不在です。
「終日」の使い方5「終日仕事」
「終日」の使い方5つ目は「終日仕事」です。「終日仕事」は「朝から晩まで仕事をする」という意味。決して「24 時間ずっと仕事をする」という意味ではないので、気をつけましょう。
先日の祝日にもかかわらず私は終日仕事だった。
「終日中」は使ってはいけない言葉
「終日中」という言い方は二重表現であり、間違いですので使わないようにしましょう。なぜなら「終日」だけで「一日中」を意味するから。無理に訳そうとすると「一日中中」となってしまいます。よく耳にする表現ですが「終日中」は間違いですので、気をつけてください。
「終日」の例文
「終日」を使った例文は以下のとおりです。
- 私は終日パソコンを叩いていた。
- 終日禁煙の喫茶店が最近増えてきた。
- 終日運休だったため、やむなくオンラインで会議に参加した。
「終日」を英語でいうと?
「終日」を英語で表現できますか?非常に微妙な意味を表す言葉ですので、英語で表現をするのが難しいもの。ここでは「終日」の英語でのいいかたについて解説します。「終日」の英語表現を覚えることによって、英語話者のクライアントや海外への転勤にも対応可能に。ワンランク上のビジネスマンになるためにも「終日」の英語表現は覚えておきましょう。
「終日」の英語表現
「終日」を英語で表現すると「all day」となります。「all day」を「毎日」を意味する単語だと勘違いしないように注意してください。
I was at work all day, even though it was Sunday.(日曜日だというのに、終日仕事をしていました。)
「終日空いております」の英語表現
「終日空いております」を英語で表現すると「I am free all day」となります。「free」とは「無料」という意味もありますが、「時間がある」「暇だ」という意味もあることを覚えておきましょう。
I’m free all day tomorrow.(私は明日終日空いております。)
まとめ
「終日」は「一日中」「朝から晩まで」を意味する言葉。間違って「24時間」を指す言葉だと勘違いしているひとが多いので注意しましょう。また「終日」は使うタイミングによって意味が流動的に変わります。どの場面で「終日」が使われているのかと、どの言葉と一緒に「終日」が使われているのかを意識して理解しましょう。