「ギミック」という言葉をご存じですか?「ひとひねり加える」といったニュアンスを持つ言葉で、さまざまな分野において使われています。今回は「ギミック」の意味や使い方、由来、類語に加え、ゲームにおける「ギミック」についても詳しく紹介します。
「ギミック」の意味とは?
「ギミック」という言葉の意味について解説します。日常生活において頻繁に使われる言葉ではありませんが、ビジネスの分野やマーケティングの分野においては知っておいて損はない言葉になります。「ギミック」の意味やニュアンス、使われ方について詳しく見ていきましょう。
「ちょっとした仕掛け」の意味
「ギミック」とはちょっとした仕掛けという意味の言葉です。一筋縄ではいかない機転が効いたトリックのことを表現します。 この言葉はさまざまな分野で用いられていて、音楽分野やマーケティング業界また玩具業界においてもギミックという概念が存在します。それぞれの分野で若干意味合いは異なるものの、共通して「工夫が凝らしてある仕掛け」というニュアンスを持ち合わせています。各分野におけるギミックについてはまた後ほど紹介します。
宣伝などで興味をひかせるための仕掛け
「ギミック」には宣伝などで大衆の興味を惹かせるための仕掛けという意味合いが含まれています。製品やサービスを宣伝する際に、純粋に製品価値をうたっているだけではなかなか消費者は振り向いてくれません。そこで駅の看板やCMなどで一捻りある広告を打ち出すことで、商品を世に知らしめるという策に出ることがあります。こういった手法を広告におけるギミックといい、ビジネスシーンにおいては非常に大切な考え方になります。
「ギミック」の由来・語源
「ギミック」の由来は英語から来ています。英語の綴りでは「gimmick」と表記され、それがそのままカタカナ語になって日本語として浸透したのが「ギミック」になります。
「ギミック」の類義語・言い替え
「ギミック」の類語や言い換え表現について紹介します。ここで紹介する言葉は 「からくり」「仕組み」「トリック」の3点です。それぞれ近い意味のニュアンスを持つ言葉ですが、若干ニュアンスや使われ方に差があります。
「からくり」
「からくり」は「ギミック」の類語表現になります。機械や事物を動力によって動かす仕組みやメカニズムのことを表す言葉です。また「ギミック」と近い意味合いとしては 、「たくみに仕組まれたこと」、「計略や企み」といった意味があります。例えば、ビジネス上の手法においてちょっとした工夫のことを「ギミック」や「からくり」と表現することがあります。ただ、ギミックと表現する場合は巧みに工夫されたやり方というプラスのニュアンスがあるのに対し、からくりと表現すると消費者の盲点を突いた悪徳商法といったニュアンスが含まれます。このように同じ物事を表現するのにも言葉選びひとつで、相手に与える印象が変わってしまうため、使い方には注意が必要です。
「仕組み」
「仕組み」とは物事の構造や、仕事うまく運ぶために工夫された計画のことを指します。ギミックと近い意味合いとしては「工夫された計画」が適切だといえます。いずれにしても仕事を進める上で何らかの工夫を施すことは大切であり、そういった物事に対して「仕組み」や「ギミック」といった表現がされることがあります。「仕組み」のほうが比較的単純でわかりやすい表現の仕方であるのに対し、「ギミック」と表現すると常識から外れた手法をとっているような印象を与えます。
「トリック」
「トリック」とは人の目を欺くためのからくりという意味があります。人の目を欺くという言葉からあるように、言葉のニュアンスに悪意が含まれているためビジネスシーンにおいてはあまり使われる言葉ではありません。例えば、「顧客獲得のトリック」という表現をしてしまうと、明らかに悪いことをしてお客を集めているような印象を与えてしまいます。そういった場合は「顧客獲得するための工夫」や「顧客獲得の仕組み」という表現の方が無難だといえます。トリックには人を騙すというニュアンスが含まれているため、使い方には注意しましょう。
各分野の「ギミック」
「ギミック」という言葉はさまざまな分野で用いられている言葉です。それぞれの分野についてどのような使われ方をしているのか、さっそく見ていきましょう。
音楽分野における「ギミック」
音楽の分野におけるギミックとは特殊効果を使った録音の仕方を表す言葉です。デジタル技術が急激に発展した昨今、音楽データに対して今までにない加工をすることが可能になっています。このような、今までしたことのない工夫や仕掛けのことを音楽業界におけるギミックとして、音楽制作の現場で使われています。こういった効果は音楽だけでなく、映像分野においても盛んに取り入れられています。3DCGや体感型映画館などといった最新技術で、視聴者を楽しませてくれます。
マーケティング業界における「ギミック」
マーケティング業界におけるギミックとは、宣伝の仕方に特化したことが挙げられるでしょう。従来型のチラシやテレビ CM といった枠から飛び出し、様々な工夫を凝らして私たち消費者の購買意欲を刺激してきます。製品の付加価値を上げることも非常に大切になりますが、消費者の購買意欲を掻き立てるのもビジネス上非常に大切な考え方です。そのためにも広告宣伝には様々なギミックを凝らして、消費者の心をつかむ必要が出てきます。
玩具業界における「ギミック」
玩具業界においてもギミックは大切な考え方になります。ここでは一般的な「おもちゃに対するギミック」と、「テレビゲームのギミック」の2つに分けて紹介します。おもちゃの業界は、面白いという体験を売るビジネスであり、買ってくれた人が楽しめるためのさまざまな工夫がこらされています。
おもちゃの「ギミック」
おもちゃにおける「ギミック」とは、常識を覆した新しい遊び方を消費者に提供することを指します。最近発展が著しいのがボードゲームな分野です。人生ゲームといった分野は昔から存在しますが、最近発売されているボードゲームはさまざまな要素が盛り込まれています。ボードゲームという今までの常識を覆し、いろいろな要素を取り入れてなおかつゲームとして成立している点にゲームメーカーの高い商品開発力が現れています。こういった新しい要素がギミックとしてはたらき、消費者に対して新しい体験を提供しています。
ゲームの「ギミック」
ゲームにおけるギミックも近年めざましい発展を遂げています。テレビに繋いでコントローラーを握ると言った従来型のゲームから、頭に装着するタイプのものやテレビに繋がなくても遊べるものなどさまざまなタイプのハードが出現しています。また音質や画質などの発展は目覚ましく、画質の高いものになると実写と見間違えるほどになります。こういった従来型にはない体験をテレビゲームというコンピューターを通して我々消費者に提供しています。消費者は楽しませるための工夫がゲームにおける「ギミック」になります。
「ギミック」の使い方と例文集
「ギミック」という言葉の使い方や例文について紹介します。正しい使い方を身につけることで、日常会話においても自信を持ってコミュニケーションをとれるようになります。使用するときの注意点なども踏まえて、深堀りしていきましょう。
「ギミック」の使い方
「ギミック」という言葉は先ほど紹介したように様々な分野で用いられます。特にビジネスシーンにおいても「ひと工夫」といったニュアンスで用いられることがあるため、その使い方は覚えておきましょう。またトリックやからくりといった表現も近いニュアンスでありますが、これらの言葉は若干マイナスのニュアンスを持つため、ビジネスシーンにおいては使わない方が無難だといえます。
「ギミック」を使用するときの注意点
ギミックという言葉は基本的には悪い意味を持つものではありませんが、文脈によっては不正と近いニュアンスで使われることもあります。いずれにしても前後の文脈によって相手に与える印象が変わるため、言葉の使い方と共に話のは流れなども意識してコミュニケーションをとるようにしましょう。
「ギミック」の例文
「ギミック」という言葉を用いた例文を紹介します。
- 新作のゲームはギミックが効いていて非常に面白い。
- 新製品の販売戦略は今までに行ったことがないギミックで攻めてみよう。
まとめ
「ギミック」という言葉にはちょっとした仕掛けという意味があります。類義語には「からくり」や「トリック」といった言葉もありますが、ニュアンスが若干異なるため使い分けに注意しましょう。ビジネスシーンにおいてもギミックが必要になることがあるように、どんな分野においても、ちょっとしたひと工夫が必要になるシーンは必ず出てきます。そのためにも、常日頃から自分の中にアイデアのストックを蓄えておくことは大切です。