「しております」の意味と使い方とは?敬語・類語もわかりやすく解説

しております

「ご無沙汰しております」のようにビジネスでもよく使用する「しております」。丁寧に言おうとするあまり間違った敬語になることもあるので注意。ここでは「しております」の意味や使い方、「しています」との違い、注意点をまとめて紹介します。

目次

「しております」の意味とは?

「しております」の意味とは?

ビジネスシーンにおいて目上の人や取引先や顧客に対して、「しております」を使ったことがある人は多いのではないでしょうか。今回はこの「しております」といった敬語表現について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

丁重語としての役割

「しております」は「している」の丁寧語になります。「している」の言葉の意味は、何らかの行動が継続・進行している状態を表す言葉なので、「しております」も同じ意味を持つことになります。たとえば、「食事をしている」や「話している」といった身体的な動作だけではなく、「思っている」や「考えている」など精神的な動作についても使用できます。このように人、物、事柄に対して使える言葉になります。

謙譲語としての役割

謙譲語としての「おります」は、自分をへりくだって相手を持ち上げる敬語表現になります。謙譲語の「居る」の連用形「おり」に、丁寧語の助動詞「ます」をつけたのが「おります」になります。たとえば「聞いております」や「伺っております」など、自分自身の状態や動作を目上の人に述べるときにこのような表現を使います。このように、動詞+「しております」で自分がへりくだった敬語表現ができるので覚えておきましょう。

反対語は「しておりません」

「しております」の反対の言葉は、「しておりません」になります。「しておりません」は「していない」の謙譲語にあたり、これもまた自分の動作に対して使う言葉になります。相手の動作に対して使う場合は、「なさっておりません」を使います。「しておりません」と「なさっておりません」の使い分けを覚えておくとよいでしょう。

「しております」の使い方

「しております」の使い方

このように「しております」は目上の人に使う敬語です。「いる」だけだと存在や状態を表す意味になりますが、「しております」の場合、自分自身の行為が継続している状態を表す言葉になります。

ただ、「しております」は謙譲語の意味があるため目上の人に使うことはもちろん問題ありませんが、どちらかといえば日頃から親交のある関係性に対して使われる言葉です。より謙譲語としての意味を持つ言葉を使う必要がある場合は「いたしております」を使うことで、より敬語としてかしこまった表現になります。

「しております」の類語・言い換えと例文

「しております」の類語・言い換えと例文

「しております」には、さまざまな類語や言い換え表現があります。この項では、ビジネスシーンなどで使うことのできる表現をいくつか紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

「ご無沙汰しております」

「ご無沙汰」とは、久しぶりの相手に対して使う挨拶の言葉になります。電話や文通、訪問など相手との連絡を長らくしていない目上の人に対して使います。連絡を取らなくなってから、どのくらいの期間で使ってもよいのかについては、個人の感覚もあるので一概には言えませんが、仕事上の付き合いであれば2〜3カ月会っていない人に対して使っても何ら問題はありません。「ご無沙汰しております」を使うことによって、年月の経過によってできてしまった距離感を再びぐっと近づけられるため、ぜひ覚えておきたい言葉です。

「感謝しております」

「感謝しております」は目上の人に感謝の気持ちを伝える言葉になります。「このたびはこのような盛大な式にお招きいただき、感謝しております」や「このたびは弊社の製品をご愛顧いただき、誠に感謝しております」のように使います。ビジネス上で頻繁に使われる感謝を伝える言葉は、コミュニケーションを図る上で非常に大切になります。感謝を伝えるだけで、その後の関係性や多くのメリットを享受できる可能性があるため、ぜひ使えるようにしましょう。

「拝見しております」

「拝見しております」は「見ています」の敬語表現です。書類などに目を通す時に使います。たとえば「只今、拝見しております。もうしばらくお待ちください」や「あなたからいただいた資料を拝見しております」のような言い回しの際に使います。

「申し上げております」

「申し上げております」は、謙譲語の「申し上げる」に動作の継続を表す「おります」が付いた言葉です。「おります」はあくまでも動詞になるため、二重敬語にはなりません。よって、正しい言葉の使い方となります。

「お待ちしております」

「お待ちしております」は相手と出会う段取りをつけた際に、締めの言葉などで使う敬語表現になります。「お待ちしております」を使うことによって、相手と出会えることを喜んでいるといったニュアンスを相手に使えるためコミュニケーションを円滑に進める上で非常に使いやすい言葉になります。

「しております」と「しています」の違い

「しております」と「しています」の違い

「しております」と「しています」は似ている部分もありますが、使い方が多少異なってきます。では、どのような違いがあるのか順番に解説していきましょう。

「しています」の例文

「しています」を使う場合、以下のような使い方をします。

・私は休みの日になると、サークルの皆と野球をしています。
・以前、体を悪くしたので、今では病院に定期的に通院しています。
・ダイエットをしていますが、やはり食欲には勝てそうもありません。
・現実的ではない計画だったので、すでに計画は破綻しています。
・お祭りの日は稼ぎ時なので、営業をしています。

このような使い方をするので、ぜひ参考にしてみてください。

「しております」と「しています」の使い分け

「しております」と「しています」は、元々の語句はそれぞれ「居(お)る」と「いる」になります。どちらも意味は「そこに存在している」を表す意味になります。しかし、「いる」はただの動詞であるのに対して、「居(お)る」には謙譲語のニュアンスも含まれています。したがって「しています」がただの丁寧な表現であるのに対して、「しております」よりかしこまったニュアンスが含まれています。

「しております」の使用上の注意

「しております」の使用上の注意

「しております」はさまざまな場面で使える非常に便利な言葉ですが、使い方には注意が必要です。この項では、「しております」を使っていく上で気を付けるべき点を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

「させていただいております」は間違い

場面によってうっかり使ってしまいそうになる「させていただいております」ですが、この言葉は間違った敬語表現です。「させていただく」は「させてもらう」が元の言葉であり、それを謙譲語にしたのが「させていただく」になります。「させていただく」は、相手に許可を得た上で、相手の利益にもなるような行動をする場合に使う表現です。

この「させていただく」は、このままで敬語表現として成立しています。そこに「おります」を付け加えると二重敬語になってしまい、正しい使い方ではなくなります。なので、この言葉を使う場合は「おります」は付けずに「させていただく」だけで使用しましょう。

「しておられます」は使わない

「しております」は自分の動作を表す際に使う言葉です。ですがこの言葉を他者に使う言葉として「しておられます」といった具合に使うことがあります。この場合、文法的には2種類の考え方があります。1つ目は、謙譲語の「おる」と尊敬語の「れる」が組み合わさった言葉であるといった解釈。2つ目は動詞の「居(お)る」と尊敬語の「れる」が組み合わさっているといった解釈。前者である場合、謙譲語と尊敬語が入り混じった言葉になるので間違いであると考えられますが、後者の場合は正しい使い方だと考えられます。このように「しておられます」は非常に解釈が難しく、間違っているとも正解だとも判断できないケースがあります。使って悪いといったことはありませんが、ビジネスシーンでは使用するのを避けた方が無難でしょう。

身内の話は「しております」

取引先の顧客などに自社の身内の話をする場合「あります」や「しております」を使うのがよいでしょう。この場合、自分の所属している企業を自分のことのように表現することで、目の前の相手や相手の企業を高める表現となります。具体的には「弊社社員は、口をそろえて御社に感謝を申しております」などのように使います。一方で、社内の人たちだけで話をする場合、上司には「いらっしゃる」や「していらっしゃる」を使うようにしましょう。

「しております」の英語表現

「しております」の英語表現

「しております」を英語で表す場合、以下のような言葉になります。

・I await your reply.(ご連絡お待ちしております。)
・I am looking forward to it.(楽しみにしております。)
・It has been prepared.(ご用意しております。)

英語圏には決まった敬語表現はありませんが、それに準ずる言葉はあります。「I await your reply」や「I am looking forward to it」や「It has been prepared」などビジネスで使える言葉には丁寧な表現があります。外資系の職種を希望している人の場合、こういった言葉を覚える必要があるでしょう。

まとめ

何気なく使っている「しております」ですが、文法的な解釈を深堀りしていくと、覚えるべき知識が多くあることにきっと驚くことでしょう。ですが、敬語表現について一度しっかり学習するのは決して損ではありません。長い時間をかけて少しずつ理解を深めていけるようにしましょう。

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