「顛末」の意味と正しい使い方|「結末」との違いや類語、顛末書の書き方も例文解説

    URLをコピーする
    URLをコピーしました!

    ことの「顛末」はどうだったか、のように会話の中で使われることはありますが、「顛末」の意味を聞かれると悩みますね。この記事では仕事上では書かざるを得ない場合もある「顛末書」は始末書とはどう違うのか、書き方などについても詳しく解説します。

    目次

    「顛末」の読み方

    「顛末」の読み方

    「顛末」は「てんまつ」と読みます。旧字体は「顚末」となりますが、いずれにせよ「真」の字が入っているので「しんまつ」と読み間違えないように気を付けましょう。

    「顛末」の意味とは?

    「顛末」の意味とは?

    「顛末」の「顚」は、いただき、とも読み、物事の始まりを表します。「末」は、おしまい、という意味です。この2つをあわせて「始まりから終わりまでの事情、経過」という意味を表します。

    「顛末」の使い方

    「顛末」の使い方

    「ことの顛末をお聞かせいただけますか」「社長が顛末を知っているので取り調べを受けている」などのように使われます。もうおわかりでしょうが、この言葉はトラブルなどの事情を示す場合に使われることがほとんどです。「二人の結婚までの顛末を」などとくだけた場面で使うことはありますが、使いどころには慎重になる方がいいかもしれません。

    「顛末」の類義語・言い換え

    「顛末」の類義語・言い換え

    ある出来事の初めから終わりまでの事情を意味する「顛末」は少々古い言葉です。似たような意味を表す、比較的日常的な表現があります。2つ紹介します。

    経緯

    ふつうは「けいい」と読みますが、訓読みで「いきさつ」と読むこともあります。「経」は縦糸、「緯」は横糸を表す言葉で、経度、緯度と地理の用語でも使われますね。縦横の糸が織りなす布に見立てて、物事の道筋を表しますが、そうした事情にいたった原因や理由なども含む意味合いをもつ言葉です。

    一部始終

    「いちぶしじゅう」と読みます。もともとは書物の始めから終わりまでをさす言葉でした。そこから転じて、物事の始まりから終わりまでのすべてのこと、という意味を表す四字熟語として用いられます。

    「顛末」と「結末」の違い

    「顛末」と「結末」の違い

    「結末」という言葉があります。「末」が付いている熟語同士で、何となく似た言葉なのでよく混同されていますが、全く違う意味なのではっきり区別します。「結末」は「顛末」と違い、結果のみを示す言葉です。「今回の「顛末」をお話しします」と言えば、出来事の発端からその終結までを詳しく述べなければなりませんが、「今回の「結末」をお話しします」と言えば、最後にどう収拾したかだけでいいわけです。

    「顛末」の対義語

    「顛末」の対義語

    「部分」や「一部」という言葉が「顛末」の対義語になります。「部分」は全体をいくつかに分けたうちの1つという意味で、「一部」は、全体から任意に取り出したところという意味になります。いずれにせよ、全体から取り出したものだという意味では共通している言葉です。

    「顛末書」とは?

    「顛末書」とは?

    社内的に何かミスをしてしまったときに、「顛末書」の提出を求められることがあります。基本的に社内向けに、ミスや失敗などの収拾後、その発端から収拾に至るまでのすべてを報告する文書を「顛末書」といいます。

    始末書との違い

    「始末書」というのもあります。「始末書」はトラブル等が発生した際にできるだけ速やかに提出する反省文という性格をもち、場合によっては社内にとどまらず関係した部外者にも配付されるものです。「顛末書」は報告文書ですが、「始末書」は謝罪文としての意味が大きいことになります。「始末書」を出すようなトラブルは、一般的に懲戒処分などを伴うものでより重大な事案だといえます。

    「顛末書」の内容

    「顛末書」は、事実を報告する文書ですから、わかりやすく正確に、経緯を漏らすことなく書くことが求められます。一般的に次のような項目を意識して書きます。

    • いつ、どこで、何が、なぜ起きたか
    • だれが関係しているか
    • 損害はあったか、あればどの程度か
    • どのように対処したか
    • 今後どのようにして同様の事態を防ぐか
    • 報告者の所感

    いわゆる「5W1H」を明確にして報告することが大切です。

    「顛末書」を書く際の注意点

    「顛末書」はトラブルの再発を防ぐための文書ですから、目的を踏まえて作成しなければなりません。

    まず、事実を正確に、誠意をもって作成することです。事態の本質的な問題がわからなければ解決や再発防止にはいたりません。また、トラブルを起こしたことに対する謝罪の意味も含まれますから、その点でも誠実な態度を示す必要があります。

    次に、文書の構成やマナーに注意しましょう。社内文書としてのテンプレートがあればそれを用いるのがベストです。言葉遣いなども丁寧に、必要に応じて敬語を正しく用います。

    そして、トラブルの原因や対処の経緯を詳細に記入することです。どうしてもトラブルになったことは大したことではなかったように見せたくなり、ぼやかしてしまいやすいものです。「顛末書」の目的を考えれば、まさにこの言いたくないところこそ、正確に報告する必要があります。

    「顛末」を英語でいうと

    「顛末」を英語でいうと

    「顛末」がある出来事の一部始終を示すという意味では、その使われる場面や背景、シチュエーションによってさまざまな英訳が考えられます。ここでは一般的に用いられる表現を2つ、関連表現を1つ紹介します。

    whole circumstances

    I will relate whole circumstances.(ことの顛末をお話しします。)

    circumstancesは、事情、物事の様子という意味です。wholeは、すべてをひっくるめてという意味ですので、あわせて「全事情、顛末」という意味を表します。少し堅苦しい表現とはなりますが、場面にかかわらず使いやすい言い方です。

    full account

    please give a full account of the accident.(事故の顛末を聞かせてください。)

    accountは、会計、勘定という意味で、本来は金銭にかかわる単語です。すべてのという意味のfullとあわせて使うことで、顛末を意味する決まった言い回しとなります。定型的な言い回しなので、状況などにかかわらず使えます。

    「顛末書」はdetailed report

    「顛末書」という場合も、circumstantial reportやparticular account(詳報という意味)などさまざまな表現があります。比較的よく用いられる言い方にdetailed reportがあります。detailedは、詳細な、という意味の形容詞ですので、直訳すると詳細な報告、という意味になります。

    「顛末書」の書き方と例文集

    「顛末書」の書き方と例文集

    「顛末書」に欠かせないものは、一般に5W1Hといわれている正確な事実です。したがって定型的な文書になるため、社内用に共有されているものを含めて多くのテンプレートがありますので、これを利用することで過不足のないものが作成できます。ここでは、よくありそうなものに絞って、いくつか書き出しや項目などを示します。

    交通事故の場合

    • 書き出し「令和〇年〇月〇日に私が起こした物損事故の詳細についてご報告いたします。」
    • 事故の日時、場所
    • 事故の経緯
    • 損害状況
    • 事故原因
    • 今後の対策

    事故の謝罪を述べるのが主目的ではなく、事故の内容を共有し再発を防ぐのが最も重要です。特に経緯や原因は正確に記入します。

    紛失の場合

    • 書き出し「このたび、私、〇〇〇〇が身分証を紛失したことについて、下記のとおりご報告いたします。」
    • 紛失の経緯
    • 現況
    • 対策

    紛失の場合は、対象物の現在の状況や、そのことに対する対応を明確に示すようにします。

    納期等の遅延の場合

    • 書き出し「このたび、貴社に発注いただいた資材「〇〇〇〇」の納品が滞っている件につきまして、下記のとおりご報告申し上げます。」
    • 遅延の原因
    • 現況
    • 今後の対策

    基本的に社外あてとなるので、丁寧な言葉遣いや、真摯な説明を心掛ける必要があります。特に今後の対策を明確にし、先方の損害を最小限にする具体策を示します。

    メール等の不具合の場合

    • 書き出し「令和〇年〇月〇日〇時に発生したメール送受信の不具合について、その原因と対応を下記のとおりご報告いたします。」
    • 不具合発生の期間
    • 不具合の状況
    • 原因
    • 現況
    • 対応・対策

    不具合自体はすでに対応を終えているはずなので、原因と対応の事実と、再発をどう防ぐかが特に重要です。原因を明確にし、今回取った対応と、長期的な対策を明示するようにします。

    まとめ

    「顛末」とは、あまりいい意味で使われる言葉ではありません。ビジネスシーンにおいてもそれはしかりで、ふつうはトラブルにかかわって使われる言葉です。しかし、こうした言葉が使われる局面でこそ、人としての真価が問われるものです。トラブルに真摯に対応した証として「顛末」を語れるようにしたいですね。

    この記事が気に入ったら
    フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    URLをコピーする
    URLをコピーしました!
    目次
    閉じる