「斜に構える」の意味と使い方|心理や特徴、対義語や類語、英語も例文解説

斜に構える
目次

「斜に構える」の意味とは?

「斜に構える」の意味とは?

「斜に構える」は「しゃにかまえる」や「はすにかまえる」と読みます。この言葉の特徴は、現代の意味と語源となった意味との間に大きな違いがあることです。現代に使われている「斜に構える」の意味と、語源となった意味を見比べていきましょう

「斜に構える」はもともとは剣道の用語

「斜に構える」の語源は剣道から来ています。剣道には基本となる5つの構えがありその中で基本とされているのが「中段の構え」です。この「中段の構え」とは剣先を敵に対して突き出した構えのことで、相手の動きに対してスムーズに対応できる型になります。その意味から、もともとの「斜に構える」の意味は「身構える」という意味がありました。 つまり「斜に構える」を語源の意味から辿ると、「剣道で刀を斜めに構えること」から派生し「身構えること、改まった態度をとること」という意味をもちます。しかしこれらの意味は、現在ほぼ用いられていない使い方となっています。

現在の意味は「物事にからかいの態度で臨むこと」

現在の「斜に構える」の意味は、「物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨むさま」を表します。 日常生活ではこういった意味で用いられるため、「身構える」といった使われ方はほぼ現代には残っていません。もともとは「身構える」という使い方をされていましたが、それが時代と共に誤用が繰り返されることで、新しい言葉の意味として「ひねくれた態度をとるさま」を表すようになりました。

「斜に構える」の類義語・言い換え

「斜に構える」の類義語・言い換え

「斜に構える」の類義語や言い換え表現にはどのようなものがあるでしょうか。ここではほぼ同じ意味をもつ類義語を3つと、 似たような言葉でありながらもそのニュアンスが異なる「天邪鬼」という言葉について解説します

「シニカルに」

「シニカル」は外来語で、「冷笑的」「嘲笑的」という意味があります。嘲りの態度を示す言葉であり、あまりよい意味ではありません。皮肉な態度をとることに加えて、「人を見下し、馬鹿にするような態度をとる」というニュアンスもあるため、この言葉を使う際は十分注意が必要です

「冷笑的に」

「冷笑的に」という言葉は「シニカルに」と同じ意味で、「人のことを嘲笑する態度」を表しています。この言葉にも「人を見下したり馬鹿にしたりする」というニュアンスが含まれています。

「しらけた態度で」

「しらけた態度で」という言葉には、「何事にも感心、感動を持たないこと」という意味があります。また、盛り上がっていた全体の雰囲気が、一気に沈静化してしまう状態のこと表すときに「しらける」という言葉を用います。つまり、「しらけた態度」は「何事にも肩入れせずに冷めた態度で人や物事に興味を示さない態度」のことを表します

「天邪鬼」とのニュアンスのちがい

「斜に構える」とよく似た言葉に「天邪鬼」という言葉があります。「天邪鬼」は「あまのじゃく」と読み、この言葉は表面的な態度だけを眺めると同じような意味に見えます。しかし、そのニュアンスにおいて「斜に構える」と若干の違いがあります。

「斜に構える」という言葉は「物事にまっすぐ対峙しない様子」を表していますが、「天邪鬼」という言葉は「わざと人や物事に積極的に逆らう様子や性格」を表しています。つまり「斜に構える」はとても消極的であることに対し、 「天邪鬼」は積極的に反抗的な言動を取る様子を表す言葉です。積極的である分、あまのじゃくの方が悪質ともいえます。

「斜に構える」の対義語

「斜に構える」の対義語

「斜に構える」の対義語にはどういったものがあるでしょうか。代表的な言葉を2つほど紹介します

「面と向かう」

「斜に構える」の対義語の1つに「面と向かう」という言葉があります。「斜に構える」は「相手と正対しない態度」を表していたのに対し、「面と向かう」は「相手と直接向かい合う」という意味があります。読んで字のごとくの意味ではありますが、つまり「面と向かう」という言葉は「正々堂々と相手や物事に向き合う」といったニュアンスをもちます。「面と向かって話し合う。」というように使われ、直接話し合わなければならない大事な話をするタイミングに用いられます。

「四つを組む」

「斜に構える」のもう一つの対義語として、「四つに組む」という言葉もあります。この言葉は、「強い相手に対して堂々と対峙する」という意味をもちます。「がっぷりよつに組む」という表現を聞いたことがある方もいるかもしれません。 この「よつ」と同じ意味で、由来は相撲から来ています。両力士が互いのまわしを取って、押しも押されもしない状態を表しています。土俵の上に両力士の足が2本ずつ、計4本の足で踏ん張っている状態をイメージできますね。 この様子から「四つに組む」は、「逃げも隠れもせず取り組む様子」を表現する言葉として使われています

斜に構えている人の心理や特徴とは?

斜に構えている人の心理や特徴とは?

「斜に構えている人」の心理とはどういったものでしょうか。 あまり人に喜ばれない態度であることは確かですが、そういった態度をとってしまうのも何か理由があるのかもしれません。また、自分の態度が人から見て「斜に構えた態度と」捉えられている可能性も否めません。ここではどういった態度が斜に構えた態度と取られてしまうのかを紹介します。自分の態度を客観視するための判断材料として見ていきましょう。

「批判的な性格」

斜に構えている人の最も代表的な態度として、「批判的な態度」が挙げられます。本人はそのつもりがなくても、自分の主張を態度として表してしまう人にこういった特徴が見られます。基本的にコミュニケーションの中に同意が少ないため、周囲の人もその人に気持ちや主張を表現するのは控えてしまう傾向があります。そうなってしまうと、少しずつ人間関係に溝ができてしまいます。このような傾向がある人は、「日々のコミュニケーションの中で周囲の人の意見に同意できなくても、敢えて反対意見であることを表現しないこと。」を意識することで、周囲との人間関係を改善する可能性があります。

「精神年齢が高い」

「斜に構えた態度」をとっている人の特徴として、精神年齢は高く見られることがあります。どんなことにも動じず意に介さない態度が、「色々な修羅場をくぐってきた人生経験豊富な人」という見られ方をするのでしょう。このタイプの人は、自分の気持ちを表現することが少ないため、実際のところどう思っているのかについて周囲に理解されていないことがあります。批判的な人のように反対意見ばかり主張するのは周囲と亀裂を生みますが、同意見のことに対しては積極的に賛同するのがよいかもしれません。

「疑い深い」

「疑い深い」性格も斜に構えた態度につながる特徴といえます。「斜に構える」の言葉の意味が「物事に対して正対しない」といったニュアンスがあるため、何に対しても真に受けることがありません。 そのような態度が、周囲から見ると「疑い深い」性格に映る可能性があります。どんなことに対しても真に受けることがよいとは限らないため一概にはいえませんが、周囲から臆病な人であるという見られ方をしないよう注意する必要があります。

「斜に構える」を英語でいうと?

「斜に構える」を英語でいうと?

ここでは「斜に構える」という言葉の英語表現について紹介します。先ほど紹介した「シニカル」は、英語圏でも同様な使われ方をしています。

「be cynical about」

類義語で紹介した「シニカル」はカタカナ語として既に日本に定着していますが、もともとは英語で「cynical」と綴る英単語です。意味は先ほど紹介したように「冷笑的」という意味で、熟語表現としては 「be cynical about」といった形で用いられます。 日本語訳としては、「~に対して冷笑的な態度をとる」という意味です。

「斜に構える」の使い方と例文集

「斜に構える」の使い方と例文集

ここでは「斜に構える」の使い方と例文を紹介します。意味合いによっては反感を招きかねないので、使うタイミングには注意が必要です

「斜に構える」の使い方

現在の「斜に構える」の使い方は「物事に正対せず、からかいの態度で臨む様子」 を表すときに使うのが一般的です。 もともとの由来となった「身構える」といった意味は、現代では用いられていないと考えてよいでしょう。 不真面目な態度といったニュアンスが強いため、そういった状況や態度を表現する際に使います。

「斜に構える」を使うときの注意点

「斜に構える」には、 物事をまっすぐ見ないといったニュアンスがあるため使うタイミングや相手には注意が必要です。また、人を諭す際に使ったとしても受け取り側によっては攻撃されていると捉え、伝えたいことが伝わらない可能性があります。「斜に構えた態度」をとっている人にその態度を直すよう促すとしても、「斜に構える」という表現は使わない方が無難でしょう。

「斜に構える」の例文

「斜に構える」の一般的な例文を紹介します

・斜に構えていては、物事の本質が見えない。
・彼は斜に構えた態度をとることで、勝負することから逃げている。
・彼女の疑い深い性格は、しばしば斜に構えていると捉えられてしまう。

まとめ

「斜に構える」には、もともとの意味と現在使われている意味の2つありました。現在使われている「物事に正対しないからかいの態度で臨むこと」という意味は、ポジティブな意味では使われないため、使うタイミングや相手には注意しましょう。日々何気なく使っている意味を深く調べてみると、今回のように思わぬ発見があることがあります。気になる言葉があったら積極的に調べてみましょう!

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