「アウトプット」の語源は英語の「output」で、生み出すことと生み出したものを意味しています。ビジネスシーンでも耳にすることが多い言葉ですので、類語の「アウトカム」や対義語の「インプット」とともに、意味と使い方を知っておきましょう。
「アウトプット」の意味とは?
カタカナ語の「アウトプット」には、主に「発信する」と「生み出す」の意味があります。コンピューター用語では、「情報を出力する」の意味をもちます。ビジネスシーンでも登場する機会が多く、その際は「成果や実績」の意味で使われます。
1.あるものを発信する、生み出す
「アウトプット」には「あるものを発信する、生み出す」の意味があります。持っている情報や知識を目に見える形にすることも、「アウトプット」です。コンピューター用語の「アウトプット」の意味は、「情報を出力する」です。端末内になる画像や音声、テキストデータなどを外へ出すことをいいます。電子楽器やパソコンなどの入力側の端末には、出力側のスピーカーやディスプレイにつなぐコードの差込口に「output(出力する)」と表示されています。
2.成果や実績
「アウトプット」には「成果や実績」の意味もあります。「アウトプット」には、もともとは出したものに対して成果や実績を求めるまでの意味はありませんでしたが、ビジネスシーンで使うときには、このニュアンスをもつことも。スキルと知識、経験などを用いて結果を出す、または出した結果に対して使われます。
「アウトプット」の語源
「アウトプット」の語源は英語の「output」です。「output」には、「出力」や「生産品」などの意味があります。たとえば「output file(出力ファイル)」や「business’s daily output(1日の産出量)」のように使います。
「アウトプット」の類義語
「アウトプット」の類義語には、「アウトカム」と「発信」「実績」があります。それぞれの意味を例文と一緒に紹介します。
1.アウトカム
「アウトカム」とは、「アウトプットで得られた効果や成果」をいいます。たとえば工場で製造した製品は「アウトプット」であり、その製品によって新規顧客が増える、会社の事業規模が拡大することは「アウトカム」になります。最近のビジネスシーンでは、「アウトプット」を「アウトカム」と同じ意味で使うケースがあります。
- 繰り返しキャンペーンを行った結果、利用数増加のアウトカムが得られた
- 膨大な額を研究費に投じただけに、アウトカムが問われている
2.発信
「発信」には、「電波などを発する」や「ある情報を広く伝える」の意味があります。
- あの人は発信力がある
- ホームページで街の魅力を発信する
- 発信し続けていれば、みんなの理解が進むかもしれない
3.実績
「実績」とは、「行動したことによる功績や結果」のことです。現在や未来ではなく、過去のことに対して使われます。「悪い実績」とは使われず、これまで良い成績がどのくらいあるのか、または良い成績の有無で評価されます。
- 仕事で実績を上げるには、人脈作りも大切だ
- 上司に実績が認められないので転職を考えている
- 新プロジェクトチームに選ばれるかどうかは、これまでの実績次第だ
「アウトプット」の対義語は「インプット」
「アウトプット」の対義語は、「情報を取り込む」や「入力」の意味がある「インプット」です。「経験」や「学習」の意味で使われることもあります。ビジネスで業務を経験したり、情報を得たりすること、学校の授業で知識を深めたり、教科書や参考書を読んだりすることです。
コンピューター用語の「インプット」の意味
コンピューター用語の「インプット」は、「情報を入力する」ことをいいます。「アウトプット」同様、デジタル入力できるすべてのデータに対して使えます。たとえばキーボードやマウス操作でコマンドを入力する、電子楽器で演奏する、カーナビで目的地を設定することなどは「インプット」です。また、コンピューター処理を総称する「I/O(アイ・オー)」とは、「Input/Output(入出力)」を略したものです。
「インプット」の例文
「インプット」の例文を3つ紹介します。
- 業務でインプットしたことは、繰り返しアウトプットするとより定着させられる
- 動画の元データを、ハードディスクにインプットしておきました
- 今日の講義では、今まで知らなかった多くのことをインプットできた
ビジネス現場での「アウトプット」と「インプット」
ビジネス現場では、プレゼンや出張など初めてのことを経験する、専門的な技術を学んでスキルアップする、先輩から業務のノウハウを学ぶなどして、経験と知識を「インプット」します。そしてそれらを仕事に活かして、結果を出すことが「アウトプット」です。たくさんのことを「インプット」できたとしても、それらが上手く「アウトプット」できなければ、満足のいく実績や成果には結びつきません。どちらが欠けても仕事で成果を出すことはできませんから、つまずいたときは「インプット」と「アウトプット」のバランスを見直してみましょう。
「アウトプット」を英語でいうと
「アウトプット」を英語で直訳すると「output」になります。「output」は「out(外に)」と「put(押しだされる)」の2語がくっついた単語です。また、「アウトプット」を意訳して「apply what I learned to real situations(自分が学んだことを実際の場で活かす)」や、「Apply what you learn(あなたが習ったことを実践して)」という英語表現もあります。
「アウトプット」の使い方
「アウトプット」の使い方を、ビジネスシーンと勉強のときを例にして紹介します。自分でも、違和感なく使えるようにしておきましょう。
ビジネスシーンでの「アウトプット」の使い方
ビジネスシーンでは「アウトプットを出す」と使うことがあります。たとえば上司に「アウトプットを出すように」と言われたら、業務で結果や成果を求められていると思いましょう。また、「アウトプットのレベルが高い」とは出来の良い成果物を出せる、仕事の能力が高いという意味で、「できる人材」であることを示しています。もしも上司から「アウトプットのレベルが低い」と言われてしまったら、自分の仕事のやり方を改善する必要があるでしょう。
勉強での「アウトプット」の使い方
「アウトプットする」とは、勉強して得た知識を表に出す、勉強した内容をレポートなどで発表することをいいます。また、独学で英語を学び、海外旅行で英会話を実践してみることも「アウトプットする」です。勉強していることは自分の中にとどめておくだけでなく、どんどん「アウトプット」することが大切。参考書の内容をただ書き写すのではなく、自分がわかりやすい表現で書き換える、参考書を読んだらすぐに練習問題を解くことは、よい「アウトプット」になります。
ビジネスで「アウトプット」をするメリット
ビジネスで「アウトプット」をすると得られた知識やノウハウを定着させられ、業務で結果を得られやすくなります。毎日の「アウトプット」が習慣にできれば、繰り返しても苦ではなくなるでしょう。覚えたことを人に話す、教えることも「アウトプット」になるので、交友関係を充実させられるメリットもあります。
頭の中の情報を整理して知識を定着させる
「アウトプット」をすると、自分の頭の中を整理できます。たとえば覚えたことを人に話して「アウトプット」すると、自分でもさらに理解度を深められるでしょう。自分の脳内でだけでは堂々巡りになるような考えも、会議でほかの人に話しているうちにクリアになって考えがまとまることも。また、私たちはSNSやネットニュースなどから膨大な情報を得ていますが、眺めているだけでは頭には何も残りません。これはと思うことはメモを残す、SNSでつぶやくなどの「アウトプット」をすると、記憶に留めやすくなります。
目的を明確にして仮説の検証と試行錯誤ができる
仕事で良い「アウトプット」をするためには、まずは目標や目的を明確にしましょう。何について「アウトプットする」かを決めていないと、業務の成績や実績に結びつきにくくなるからです。「アウトプット」の目的を決めたら、やるべきことや自分の考えを書き出したり、声に出したりします。実際行動したあとは仮説の検証と試行錯誤を繰り返し、軌道修正しながら「アウトプット」を続けましょう。
まとめ
「アウトプット」には、語源の「output」同様に「発信する」や「生み出す」の意味があります。また、ビジネスでは「アウトカム」と同様に、「アウトプットにより得られた成果や結果」についても「アウトプット」と表現することも。「入力」を意味する「インプット」と「アウトプット」を組み合わせ、よりよいビジネスパーソンを目指しましょう。