「存じ上げる」の意味と使い方|「存じる」との違い、例文や英語・対義語・類語も紹介

存じ上げる
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「存じ上げる」の意味とは

「存じ上げる」の意味とは

「存じ上げる」は「思う・知る」の丁寧な言葉で、自分を下げて相手を立てる言葉ですので謙譲語に当てはまります。例えば、会うのは初めてだが、以前から他の方を経由して知っている方に「〇〇様については以前から存じ上げておりました。」などの表現を使えます。

「存じ上げる」と「存じる」の違い

「存じ上げる」と「存じる」の違い

「存じ上げる」と「存じる」はどちらも「思う・知る」の謙譲語です。「存じる」だけでも相手を立てる謙譲の意味が入っていますが、「存じ上げる」には「上げる」にも謙譲の意味が入っているので、相手への敬意をさらに強調していることが分かります。「存じ上げる」は主に人に、「存じる」はその他の対象に使うことも大きな違いです。

また、細かくみていくと、「存じ上げる」は謙譲語Ⅰ、「存じる」は謙譲語Ⅱに分類されます。謙譲語Ⅰは自分の行動を下げて行動の相手への敬意を表す表現で、謙譲語Ⅱは自分の行動を下げて、行動の対象の相手ではなく、言葉を聞く方や読む方に敬意を表す表現という違いがあります。謙譲語Ⅱは丁重語とも言います。

「謙譲語」とは?「尊敬語」との違いは?

「謙譲語」とは?「尊敬語」との違いは?

「謙譲語」は「自分を下げて相手を立てる表現」です。それと比べ、「尊敬語」は相手の行動などに直接使い、相手を立てる表現です。どちらも相手を立てる表現ですが、主語が自分か相手かによって「謙譲語」か「尊敬語」かに分かれるのです。

「存じ上げる」を使うときの注意点

「存じ上げる」を使うときの注意点

「存じ上げる」は非常に丁寧な表現ではありますが、使い方を間違えると不自然になったり、相手に失礼になる場合もあります。「存じ上げる」を使うときの注意点についてみてみましょう。

「存じ上げる」を物や場所に使わない

「存じ上げる」は謙譲にさらなる謙譲の意味を持つ表現ですので、人を相手に使うことが正しい使い方です。物や場所に「存じ上げる」を使ってしまうと、物や場所に尊敬の意味を表していることになるので、不自然です。

自分の行為に対してのみ使う

「存じ上げる」は謙譲語ですので、自分の行動などに対してのみ使用できます。

「存じ上げる」を丁寧語のように使い、相手に「存じ上げていますか?」と聞くことは失礼になります。相手が自分を下げる主語扱いになってしまうため、まるで「知っているのか?」と聞いているのと同じニュアンスになるためです。相手に聞く時は「存じる」を使い、「ご存じですか?」と言うのが正解です。

「存じ上げる」の対義語

「存じ上げる」の対義語

「存じ上げる」と反対の意味を持つ言葉には何があるでしょうか。「存じ上げる」の対義語とその使い方を紹介します。

対義語は「存じ上げない」

「存じ上げる」の対義語は「存じ上げない」です。丁寧な表現として「存じ上げません」とも使います。しかし「存じ上げない」は否定の表現ですので、ストレートに使うと相手の気分を損ねてしまう可能性があります。「存じ上げておりません」、「申し訳ありませんが、存じ上げません」などと言い換える方がいい印象を与えます。

例文

「存じ上げない」の例文を見てみましょう。
・誠に申し訳ありませんが、その件につきましては存じ上げておりませんでした。
・大変恐縮ですが、存じ上げておらず、申し訳ございませんでした。
・存じ上げず、お詫び申し上げます。

「存じ上げる」の使い方・例文

「存じ上げる」の使い方・例文

「存じ上げる」の正しい使い方について、メールと会話の中での使い方に分けて紹介します。

メール

〇〇商事 南米市場開拓部 木村様

初めて連絡させていただきます。
△△フーズの林と申します。

木村様のことはコロンビア地域の専門家として、以前からよく存じ上げております。
弊社の近藤がいつもお世話になっております。

さて、今回の件、御社が現在独占輸入中のコーヒー豆について、弊社もぜひ使わせていただきたく、連絡差し上げた次第です。

お忙しい中申し訳ありませんが、一度打ち合わせさせていただければと存じます。
何卒よろしくお願いいたします。

会話

部長:木村君、お願いしたい仕事があるんだが、ちょっといいかい?

木村:はい、部長。どうされましたか?

部長:今度大事な取引先のお偉いさんが来社される予定だ。そのアテンドをお願いしたい。〇〇商社の近藤様のことを知っているか?

木村:はい、近藤様のことは存じ上げております。近藤様がまだ担当者だったころから大変お世話になっております。

部長:そうか。ではよろしく頼むぞ。

「存じ上げる」の類義語とその違い

「存じ上げる」の類義語とその違い

「存じ上げる」の代わりに使える表現とその違いについて紹介します。

承知

承知は「しょうち」と読み、「旨を承って知ること、聞いて引き受けること」という意味です。「わかる」の謙譲語に当たります。目の上の人に「わかりました」という代わりに「承知しました」というとより丁寧な表現になり、ビジネスシーンで推奨される表現です。

「承知」にすでに謙譲の意味があるので、「承知いたしました」と「する」を謙譲語に変えなくても十分丁寧な表現です。

所存

「所存」は「しょぞん」と読み、「心に思うところ、考え」という意味で、「思う・考える」の謙譲語です。その場で思いついたことではなく、ずっと思っていたことという意味も含みます。「所存です」「所存でございます」などと使い、自分の思っていることを「~と思う」より丁寧に表すときに使います。

例えば、上司にこれからの目標を説明するとき、「新規市場開拓に全力を注ぐ所存でございます。」などといえます。

了解

「了解」は「りょうかい」と読み、「理解すること、のみこむこと」を意味します。「承知」とも似たような意味ですが、「了解」には謙譲の意味がないため、目の上の人に使うことは控えた方がいいでしょう。

主に「了解しました」の形で、同僚や目の下の人に使います。例えば、同僚に何かを頼まれたとき「了解しました」と返せるでしょう。親しい仲の人には「了解」だけでも使用できます。

思っております

「思っております」は「思っています」の「います」を謙譲語に変えた丁寧な表現です。「思う」は「あることについて考えをもつ」という意味です。

「思っております」は「所存です」とも意味が似ていますが、「所存です」よりは丁寧さに欠けます。また、「思っている」と書くと確かな事実ではなく、自分の頭の中で思っているだけというニュアンスを与える場合もあるので、頻繁に使用することは避けましょう。

「存じ上げる」の英語表現

「存じ上げる」の英語表現

海外の取引先との会話中、「知っています」をより丁寧に表現したいと思ったことはありませんか。英語には謙譲語という概念がないため、「存じ上げる」、「存じる」と1対1で対応する表現はありませんが、似たニュアンスを表現することはできます。「知る・思う」を意味する英語表現と、その例文を紹介します。

Know

「知る」の意味を持つ英語表現として「Know」があります。「know」を使って「存じ上げる」の丁寧なニュアンスを表現した例文を紹介します。

(例文)
・I have known about the teacher well.
先生のことはよく存じ上げております。
・I’m sorry, I don’t know about him.
申し訳ありませんが、彼のことは存じ上げておりません。

Think, Believe

「思う」の意味を持つ英語表現として「Think」、「believe」があります。「Think」や「believe」を使い、「存じる」の丁寧なニュアンスを表現した例文を紹介します。

(例文)
・I think the project is going to be finished soon.
あのプロジェクトはすぐに完了すると存じます。
・I believe that the results of the next mandate improve if the situation remains unchanged.
現状のままですと、来期の実績は必ず向上すると存じます。

まとめ

「存じ上げる」は自分を下げて相手に尊敬の気持ちを伝える謙譲表現です。使うときは相手に失礼がないよう、今回学んだ内容をぜひご活用ください。

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