「基に」の正しい使い方を知っていますか?「元に」と音が同じため、意味が混同してしまっている人もしばしば。ここでは「基に」の使い方や類語・英語、「元に」との違いを解説します。しっかりと覚えて、ビジネスマンとして一歩上の語彙力を目指しましょう。
「基に」の読み方
「基に」は「もとに」と読みます。「基」は「き」とも読みますので、間違わないようにしましょう。プレゼンテーションなどでよく使われ、ビジネスシーンにおいては多用する言葉です。話し言葉として使うことが非常に多いですので、間違った読み方で覚えていると大変なことになりますよ。
「基に」の意味とは?
「基に」は「ものごとの基本にする」「基準にする」「基礎にする」といった意味があります。さまざまな意味がありますが、すべてに共通して「そのものごとの根本となる」というニュアンスがあると理解することが大事。また「基本」「基準」「基礎」など、「基に」と同じ漢字が使われている言葉が意味として含まれていることにも注目しましょう。
「基に」の類義語・言い換え
ここでは「基に」の類義語・言い換えを紹介。「基に」は「元に」という音が同じ言葉があるため、文脈によっては言い換えたほうが伝わりやすいことがあります。そのケースに直面したときに「基に」の類義語・言い換えを使えないと、相手に誤解を招きやすいような文章になってしまうのです。特にビジネスシーンにおいては誤解は重大なミスにつながります。ビジネスマンとして「基に」の類義語・言い換えは確実に押さえておきましょう。
「基に」の類義語1「土台にして」
「基に」の類義語1つ目は「土台にして」です。「土台」とは「建物の一番下に設置されるもの」のことを意味しています。転じて「ものごとが成り立っている根本」のことを指すのです。よって、「基に」の類義語として扱われています。
今まで培ってきたものを土台にして新しいキャリアを築こうと思う。
「基に」の類義語2「ベースにして」
「基に」の類義語2つ目は「ベースにして」です。「ベース」は英語で「base」と書き、「もととなるもの」を意味しています。同じく「基礎・基本にする」という意味をもつ「基に」の類義語です。
お客さんの流れをベースにして店内の設計を考える。
「基に」の類義語3「足場にして」
「基に」の類義語3つ目は「足場にして」です。「足場」とは「足を踏み立てるところ」「足をかけるところ」という意味。転じて「ものごとをするときの基盤となるところ」を指しています。よって、「ものごとの基盤にする」という意味がある「基に」とは類義語の関係にあります。
今回得られたデータを足場にして、来月の目標を設定する。
「基に」の類義語4「足掛かりとして」
「基に」の類義語4つ目は「足掛かりとして」です。「足掛かり」とは「高いところへ登るときに足をかける場所」のこと。転じて「ものごとのきっかけ」「糸口」という意味をもっています。「きっかけ」は「ものごとが始まるための原因・手がかり」を指しているため、「基に」の類義語なのです。
犯人が残していった凶器を足掛かりにして捜査を始める。
「基に」の類義語5「叩き台として」
「基に」の類義語5つ目は「叩き台として」です。「叩き台」とは「批判や検討などをしてよりよい案を作るための原案」のことを意味しています。よって、「これから発展するものの基礎」という意味をもち、「基に」の類義語とされるのです。
これを叩き台として、この会議では最終的な案まで出したいと思っている。
「基に」の使い方と例文集
「基に」の意味や類義語を知っていても、実際にどのように使うのかがわからなくては意味がありません。「基に」の使い方を間違ってしまうと、自分の話に説得力がなくなってしまいます。ここでは「基に」の使い方、使うときの注意点、例文を紹介します。「基に」の正しい使い方ができると、プレゼンテーションなどにも非常に効果的です。ビジネスマンとしてレベルアップするためにも絶対に覚えておきたいものですので、頭に入れておきましょう。
「基に」の使い方
「基に」は「基礎にする」「基本にする」といった使い方をします。「すでにあるものから派生させていく」というニュアンスを頭に入れておくと使いやすいかもしれません。また、「基」が使われている熟語を使う場面に代わりに使うこともあります。
「基に」を使用するときの注意点
「基に」を使うときには「基礎や基本にするだけにとどめておき、盗作・盗用はしない」ことに注意しましょう。なにかを基にしてものごとを行うときには、どうしても基にしたものに考えがよりがちです。しかし、基にしたものが自社のものや自分のものではない場合には、基にしただけにもかかわらず法に触れてしまう場合があります。あくまでも「基に」するだけにとどめておく意識をもち合わせておきましょう。
「基に」の例文
「基に」を使った例文は以下のとおりです。
- 彼のいつもの行動を基に、私たちは商店街に張り込むことにした。
- 競合他社が成功しているケースを基に、私たちは新サービスを立ち上げた。
- この映画はどうやら実際にあった話を基に作成されたみたいだ。
- 誰かにアドバイスを求められたときは経験を基に助言するのが鉄則だ。
- このデータを基にしてグラフを作成しておいてもらえますか?
「基に」と「元に」の違い
「基に」と同じ音をもつ言葉に「元に」があります。話し言葉として使うときには違いがないのでよく混同して使われがちです。ここでは「基に」と「元に」の違いを紹介します。「基に」と「元に」を混同して使っていると、まったく意味の通らない文章を作ってしまいます。社会人として恥ずかしいようなミスにつながりますので、「基に」と「元に」の違いは明らかにしておきましょう。
「基に」と「元に」の違い
「基に」と「元に」の違いは「意味」にあります。具体的には「基に」は「基礎」「基本」「参考」などを指すのに対して、「元に」は「根元として」「最初の」という意味があるのです。話し言葉として使うときの音がまったく一緒ですので、よく混同して使われる表現です。「基に」と「元に」の違いは確実に押さえておきましょう。
「基に」と「元に」の使い分け方
「基に」と「元に」の使い分けの例は以下のとおりです。
- このデータを基にしてグラフを作成する。
- 書類を元にあった位置へ戻す。
「基に」を英語でいうと?
「基に」を英語で表現できますか?「基に」はデータの根拠を述べるときなどに非常に使える表現ですので、英語でも覚えておく必要があります。ここでは「基に」の英語でのいいかたを紹介します。「基に」を英語で使えれば、海外の取引先やクライアントにも十分に対応可能。ワンランク上のビジネスマンになるためにも、「基に」の英語表現は確実に頭に入れておきましょう。
「基に」「基にする」の英語表現
「基に」や「基にする」を英語で表現すると、「based on」となります。また、「基礎・基本である」を強調して示したいときには「foundation」、「基準である」を強調して示したいときには「standard」を使いましょう。
- This movie is based on something that actually happened.(この映画は実際にあったことを基にしている。)
- The more professional you become, the more important the foundation becomes.(プロになればなるほど基礎・基本が大事になる。)
- The standards in this industry are very high.(この業界の基準は非常に高い。)
「基になる」の英語表現
「基になる」の英語表現は「underlying」です。
We should understand the underlying facts.(私たちは基になる事実を理解すべきだ。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は基にについて解説しました。
「基に」は「ものごとの基本にする」「基準にする」「基礎にする」といった意味をもつ言葉です。ビジネスシーンや日常会話にもよく登場する言葉であり、よく「元に」と混同されて使われています。「元に」と混同して使ってしまうと、相手に誤解を招く恐れが。ビジネスマンとして、そして一人の大人として「基に」と「元に」の使い分けには気をつけましょう。
最後に「基に」のまとめです。
- 「基に」は「もとに」と読みます。
- 「基に」は「ものごとの基本にする」「基準にする」「基礎にする」といった意味があります。
- 「基に」の類義語は、「土台にして」「ベースにして」「足場にして」「足掛かりとして」「叩き台として」
- 「基に」は「基礎にする」「基本にする」といった使い方をします。
- 「基に」を使うときには「基礎や基本にするだけにとどめておき、盗作・盗用はしない」ことに注意しましょう。
- 「基に」と「元に」の違いについて、「基に」は「基礎」「基本」「参考」などを指すのに対して、「元に」は「根元として」「最初の」という意味があります。
- 「基に」や「基にする」を英語で表現すると、「based on」となります。また、「基になる」の英語表現は「underlying」です。