「シラフ」の意味と使い方とは?類語や対義語、語源・英語表現を例文で解説

シラフ
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「シラフ」の漢字表記

「シラフ」の漢字表記

「シラフ」の漢字表記は複数あります。それぞれ解説します。

「素面」

「素面」が、一般的な「シラフ」の漢字表記です。漢字「素」は音読みで「ス」または「ソ」、訓読みで「もと」や「しろ(い)」などと読みます。意味は「染色していない、そのままの白絹」や「ありのまま」、「かんたんな」または「もとより、つねづね」。漢字「面」は音読みで「メン」と「ベン」、訓読みで「おも」と「おもて」、あるいは「つら」や「も」です。「人の顔」や「お面」、「向き合う」または「表側」などの意味で使います。漢字で「素面」と書き、「シラフ」と読むのは熟字訓です。熟字訓とは、「2字以上の漢字で構成された熟語を訓読みすること」。「素面」の熟字全体で「シラフ」と読むため、「素」と「面」それぞれにフリガナをふれません。たとえば「小豆(あずき)」や「五月雨(さみだれ)」も、「素面(シラフ)」と同じ熟字訓です。

「白面」

「シラフ」は「白面」とも表記します。漢字「白」は音読みで「ハク」や「ビャク」、訓読みでは「しろ」や「しろ」、あるいは「あき(ら)」など。「白色」や「清らか」、「何もない」または「明らか」などの意味で使います。「白面」も「素面」と同じく、熟字訓です。

「素面」は「すめん」などとも読む

「シラフ」の漢字表記「素面」は、「スメン」とも読みます。「スメン」と読む場合の「素面」は「シラフ」と同じ意味のほか、「お面をつけていない顔」や「化粧をしていない顔」の意味で使います。また、「素面」は「スメ」とも読みます。「スメ」と読む場合は「シラフ」と同じ意味に加え、「無事」や「何ごともない」を表します。

「シラフ」の意味と語源

「シラフ」の意味と語源

「シラフ」の意味と語源を解説します。

「シラフ」の意味

「お酒を飲んでおらず、酔っていない状態」が、「シラフ」の意味です。あるいは、単に「ふだんの状態」を「シラフ」という場合もあります。

「シラフ」の語源

「シラフ」は、「お酒を飲んでいるときと飲んでいないときの顔色」が語源です。お酒を飲むと、ほとんどの人は顔色が赤くなります。一方、お酒を飲んでいなければ顔色は「素のまま」、あるいは「何もつけていない素顔の状態」です。このような、お酒による顔色の変化がもとになって、「お酒を飲んでいない状態」あるいは「ふだんの状態」を「シラフ」というようになりました。「お酒を飲んでいない状態」の意味で「シラフ」をいつから使うようになったかは不明ですが、1530年ごろ記された『錦繍段抄』に「半酔の中とは、げにも花などを見あるくにも、す面にあるけばわるいほどに、酒を一盃飲で春を惜まいでは也」の一文があります。「す面」が「シラフ」です。また、1756年の洒落本『風俗八色談』には「金平が化物退治も素面(スメン)ではいけず」と記されています。読み方は「スメン」ですが、「酒に酔っていない状態」を表す言葉として広まっていたことがわかります。

「シラフ」の使い方と例文

「シラフ」の使い方と例文

「シラフ」の使い方、例文を紹介します。酒席に限らず、「シラフ」を使える場面を確認してください。

お酒以外にも使える

主に「お酒を飲んでいない状態」の意味で「シラフ」を使いますが、「ふだんの状態」の意味では幅広い場面で使えます。たとえば「冷静で落ち着いた状態」は「シラフ」です。逆に緊張したり興奮したり、平静でない状態は「シラフ」ではありません。このように、態度や心理状態に「シラフ」を使えます。

例文

「シラフ」を使った例文を挙げます。

・こんな話を彼女にするのはとても恥ずかしく、とてもシラフでは言えなかった。
・昨夜の飲み会で彼は相当に飲んでいたらしい。でもシラフにしか見えなかったから、相当お酒に強いんだろう。
・あんなに激高したかと思えば、いまはまったくシラフの状態だ。気分屋の父にはついていけない。
・そんなバカげたことをしでかすなんて、あなたは本当にシラフですか?

「シラフ」の類義語・言い換え表現

「シラフ」の類義語・言い換え表現

「シラフ」の類語を紹介します。いずれも「お酒に酔っていない」あるいは「ふだんの状態」を表す言葉です。

「正気」

「正気」は「しょうき」と読み、意味は「正常な心」や「意識がしっかりしている」、あるいは「通常の意識」です。「シラフ」と類義ではありませんが、「本気」の意味もあります。「正気の沙汰とは思えない」や「正気を失う」などと使う場合は、「まともではない状態」のニュアンスがあります。「正気に返る」や「正気を取り戻す」なら、「平静な状態になる」です。お酒とは関係ありませんが、「シラフ」の「ふだん通り」という意味と共通しています。なお、「正気」と表記して「せいき」とも読みます。「正気(せいき)」は、「天地の間に存在するといわれるものごとの根幹を形成する気」や「正しい気風」の意味です。「正気(しょうき)」とは異なり、「シラフ」の類語ではありません。

「素顔」

「素顔」は「すがお」と読み、「酒気のない顔」や「お酒を飲んでいるようには見えない顔」の意味が「シラフ」と同じです。一般的に「素顔」は、「化粧をしていない顔」あるいは「飾らない、その人本来の表情や態度」の意味で使われます。「シラフ」の意味で使う場面は少ないかもしれませんが、れっきとした類語です。

「本性」

「本性」は「ほんしょう」または「ほんせい」、あるいは「ほんじょう」と読みます。一般的な意味は「生まれながらもっている性質」です。もう1つの意味「本心や正気」が「シラフ」の意味「ふだんの状態」と共通しています。「酔って本性を失ってしまった」のように使います。「正気」と近いニュアンスがあります。また、「正体(しょうたい)」も「正気」や「本性」のように「ふだんの状態」を表す、「シラフ」の類語です。

「シラフ」の対義語

「シラフ」の対義語

「シラフ」と反対の意味がある言葉を紹介します。いずれも「お酒に酔っている」や「ふだんどおり、ふつうとは思えない状態」を表す言葉です。

「酔顔」

「酔顔」は「すいがん」と読み、読んで字のごとく「酔っている人の顔」を表します。「酒に酔っていない状態」を意味する「シラフ」とは反対です。平安時代初期の漢詩集『経国集(けいこくしゅう)』の一節にも、「酔顔」が使われています。「酒に酔った人の顔」は「酡顔(だがん)」ともいい、「シラフ」の対義語です。また、「酔眼(すいがん)」は「酒に酔ったときの目や目つき」あるいは「酒に酔って焦点の定まらない様子」を表します。「酔眼」を使った四字熟語「酔眼朦朧(すいがんもうろう)」の意味は、「ひどく酒に酔い、目つきも意識も定まらない様子」です。「酔顔」同様、「酔眼」と「酔眼朦朧」も「シラフ」の対義語にあたります。

「酔狂」

「酔狂」は「すいきょう」と読みます。一般的な意味は「物好き」や「好奇心に駆られて人とは違うことをする」で、「シラフ」と反対の意味ではありません。この意味で使う場合は「粋狂」や「酔興」、「粋興」とも表記します。「シラフ」と反対にあたる「酔狂」の意味は、「酒に酔って取り乱す」です。酔って心が乱れたり、乱暴狼藉をはたらいたりする状態を表します。「酔狂」は昔の読み方で「えいぐるい」や「えいぐるう」、または「よいぐるい」や「すいこ」ともいいます。

「狂気」

「狂気」は「きょうき」と読み、「常軌を逸した、ふつうではない精神状態」を表す言葉です。お酒とは関係ありませんが、「シラフ」の「ふだんの状態」という意味と反対です。「狂気の沙汰」や「狂気を感じた」などと使います。

「シラフ」の英語表現

「シラフ」の英語表現

英語で「シラフ」を意味する表現は複数あります。意味ごとに解説します。

「sober」

もっとも「シラフ」に近い英語表現は、「sober」です。「sober」は、「酒を飲んでいない」や「ふだん酒を飲まない」の意味です。お酒にまつわる意味に加えて「穏健、冷静な」や「まじめな」、または「落ち着いた」など精神的な状態も表します。これらは「シラフ」の「ふだんの状態」や「落ち着いた状態」の英語表現として使えます。

「right mind」

「right mind」は、「ふだんの精神状態」を意味する英語表現です。「シラフ」の意味のうち、「ふだんの状態」を英語で表現するときに使えます。

「not drunk」

「シラフ」の意味のうち、「お酒に酔っていない状態」を表す英語表現は「not drunk」です。「drunk」は「drink」の過去分詞。「drink」には単に「(飲み物を)飲む」だけでなく、「お酒を飲む」意味もあります。「not drunk」で「お酒を飲んでいない状態」です。

まとめ

「シラフ」は「お酒を飲んでいない状態」や「ふだんの状態」を表す言葉です。お酒を飲んでいない場面でも使えます。ビジネスシーンでは、基本的に「シラフ」のはず。歓送迎会などでお酒を飲み、顔色は「シラフ」でなくなっても、態度は「シラフ」のままでいたいですね。

シラフ

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