「たおやか」の正しい使い方を知っていますか?女性らしさを表現する言葉ですが、男性に使ってもいいのかと悩む人もしばしば。使い方を間違っていると相手に不快な思いをさせる可能性もあります。ここでは「たおやか」の使い方や漢字、類語を解説します。
「たおやか」の意味とは?
「たおやか」の正しい意味を知っていますか?あまり聞きなじみのない言葉のため、意味を知らないひとも多いはず。ここでは「たおやか」の意味について解説します。「たおやか」は非常に古風な味わいのある言葉。意味を正しく理解できれば、味のある言葉遣いをすることも可能。ぜひ頭に入れておきましょう。
「たおやか」の意味1「姿・形がほっそりとして動きがしなやかなさま」
「たおやか」の意味の1つ目は「姿・形がほっそりとしていて動きがしなやかなさま」。つまり、外見の「おしとやかさ」「優美さ」「上品さ」などを表現した言葉なのです。
「たおやか」の意味2「態度や性質がしとやかで上品なさま」
「たおやか」の意味の2つ目は「態度や性質がしとやかで上品なさま」です。これは1つ目の意味とは違って、外見関係なく、態度や性質のことを指しています。
「たおやか」の漢字の書き方
「たおやか」の漢字での書き方を知っていますか?書くことは少なくても、もし漢字で出てきたときに読めなかったら恥ずかしいですよね。ここでは「たおやか」の漢字での書き方を紹介します。また、「たおやめ」の漢字の書き方についても紹介。社会人として恥ずかしい間違いをしてしまう前に、ぜひ身につけておきましょう。
「たおやか」は「嫋やか」と書く
「たおやか」は漢字で「嫋やか」と書きます。「嫋」は「女」と「弱」というかんたんな漢字で構成されているものの、常用漢字ではありません。よって、あまりなじみのない感じかもしれませんが、漢字で出てきた際に読めないと恥ずかしいものですので、覚えておきましょう。
「たおやめ」は「手弱女」と書く
「たおやめ」は「手弱女」と書きます。「たおやめ」とは「たおやかな女性」のことを指していう言葉。また、「優美で女性的な風情」のことを「たをやめぶり」といいます。
「たおやか」の由来・語源
「たおやか」の由来・語源は「たわむ」からきています。「たわむ」とは「弓なりになる」「弧を描く」「しなう」という意味のある言葉。漢字では「撓む」と書きます。この「たわむ」の音が変化することによって「たおやか」ができたのです。
「たおやか」の類義語・言い換え
ここでは「たおやか」の類義語・言い換えについて解説します。「たおやか」は現代においてはあまり使われる表現とはいえません。よって、「たおやか」を表現したいと思っても周りのひとが「たおやか」の意味を知らない可能性があります。そんなときにでも「たおやか」の類義語・言い換えを覚えていれば問題ありません。「たおやか」の類義語・言い換えはぜひ押さえておきましょう。
「たおやか」の類義語1「やわらかい」
「たおやか」の類義語1つ目は「やわらかい」です。「やわらかい」とは「しなやかである」「柔和である」という意味をもつ言葉。全体的に「堅くない」という意味をもっており、「たおやか」の類義語となっています。
彼はやわらかい性格だ。
「たおやか」の類義語2「嫋々たる」
「たおやか」の類義語2つ目は「嫋々たる」です。「嫋々たる」は「嫋々たる」と読み、「長くしなやかなさま」などを表現する言葉です。「たおやか」の漢字表記と同じ漢字を使っているのがポイントです。
嫋々たる袖を揺らしながら歩いていた。
「たおやか」の類義語3「華奢」
「たおやか」の類義語3つ目は「華奢」です。「華奢」とは「か細い」「か弱い」「繊細で優美」という意味をもつ言葉。ひとに対して使うときには女性のほっそりとした体型を賞賛するために使われます。
女は非常に華奢であり、足も長い。
「たおやか」の類義語4「繊細」
「たおやか」の類義語4つ目は「繊細」です。「繊細」は「せんさい」と読み、「感情が細やかなこと」「ほっそりとして優美なこと」を指す言葉です。
彼は非常に繊細で、大きい音などにはすぐに反応してしまう。
「たおやか」の類義語5「デリケート」
「たおやか」の類義語5つ目は「デリケート」です。「デリケート」とは「感受性が強いさま」「細心の注意を必要とするさま」「壊れやすいさま」を表現する言葉です。
この工芸品は非常にデリケートなので触らないようにお願いします。
「たおやか」は男性と女性どちらに使う?
「たおやか」は使う対象の性別が決まっていると知っていましたか?間違って使っていると変な誤解を招くことになります。ここでは「たおやか」を男性と女性のどちらに使うのかを解説します。また、使わない性別には「たおやか」の代わりに使う言葉が。そこまで理解しておくと非常に学のある印象を与えられますので、ぜひ覚えておきましょう。
「たおやか」は女性らしさを表す言葉
「たおやか」は女性らしさを表現する言葉です。女性の「優美さ」「上品さ」などを「たおやか」と表現します。対義語としては男性らしさを表現する「ますらお」があり、漢字で表記すると「益荒男」となります。
「たおやか」は男性には使わない
「たおやか」は基本的には男性には使われません。男性に使ってしまうと、いわゆる「女々しい」と同じように、男性を皮肉めいた表現になり、馬鹿にしている印象を受け取られます。
「たおやか」の使い方と例文集
「たおやか」の意味や使う対象を知っていても、実際にどのようにして使うのかを知らなくては意味がありません。ここでは「たおやか」の使い方、使うときの注意点、例文を紹介します。実際に使われている場面を想定することによって、自分が使うならどのように使うのかを頭に思い浮かべましょう。
「たおやか」の使い方1「たおやかさ」
「たおやか」の使い方1つ目は「たおやかさ」です。もちろん「たおやか」を単体で終止形のまま使うこともできますが、接尾辞の「さ」を使って体言化することによって、名詞としても使えるようになります。「女性のたおやかさ」「噂どおりのたおやかさ」などのように使いましょう。
「たおやか」の使い方2「たおやかに」
「たおやか」の使い方2つ目は「たおやかに」です。「たおやかに」は「たおやか」の連用形。「たおやかになびく」「たおやかに見える」などの使い方ができます。
「たおやか」を使用するときの注意点
「たおやか」を使うときには「ジェンダーの問題」に注意しましょう。なぜなら、近年「らしさ」を求めることは「ステレオタイプに基づいたものであり、差別や偏見のもとになってしまう」という考えが浸透してきているから。「たおやか」を使って女性らしさを賞賛したつもりが、セクハラやジェンダー問題に発展してしまう可能性があります。「たおやか」を使うときには十分に注意して使うようにしましょう。また男性らしさを表現する「益荒男」も「たおやか」の理由と同じく、使う際には十分な注意が必要です。
「たおやか」の例文
「たおやか」を使った例文は以下のとおりです。
- 今年のミスコン優勝者はたおやかな印象があるので非常に人気だ。
- たおやかな振る舞いを身につけるためには何をすればいいのだろうか。
- 着物を着た彼女はいつもとは違ってたおやかな雰囲気を身に纏っていて、非常に美しい。
- たおやかな女性は非常に男性から人気がある。
- その女性のたおやかな動作に思わず目を奪われてしまった。
「たおやか」の英語表現
「たおやか」を英語で表現すると「delicate」「classy」「graceful」となります。
- She’s very delicate and beautiful.(彼女は非常にたおやかで美しい。)
- My goal this year is to be a classy lady.(今年の目標は上品な女性になることだ。)
- I’m attracted to graceful women.(私はしとやかな女性に惹かれます。)
まとめ
「たおやか」とは外見や内面の女性らしい「しとやかさ」「優美さ」を表現する言葉です。現代ではあまり聞きなじみのない言葉ですが、女性を賞賛するときなどに使われることがあります。しかし、「女性らしさ」を表現するので「ジェンダー問題」や「セクハラ」に発展してしまう可能性を孕んでいる言葉でもあります。使う際には細心の注意を払って使いましょう。