「尽力」の意味と使い方とは?「注力」との違いや類語・英語・敬語表現も紹介

「尽力」の意味と使い方とは?「注力」との違いや類語・英語・敬語表現も紹介
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「尽力」という言葉をご存じですか?この言葉はビジネスシーンでもよく使われるため、知っておくべきだといえます。ここでは「尽力」の正しい意味と使い方や類語や英語・敬語表現に加え、似た意味の言葉の「注力」との違いについても徹底解説します。

目次

「尽力」の意味とは?

「尽力」の意味とは?

「尽力」という言葉はビジネスシーンにおいて多用されます。よく使われる言葉であるゆえに、意味をしっかり理解して使えるようになっておきたいものです。ここでは「尽力」という言葉の意味と、そのニュアンスについて解説します。「尽力」について深掘りしていきましょう

「精一杯努力すること」

「尽力」とは、「持っている力を全て注ぎ込むことを意味します。」何らかの目標に向けて、それを達成するために力の限り物事に取り組む姿勢を表現しています。 この言葉は自分が持っている最大限を出すという意味で使われるため、その物事に対する貢献度には関係しません。例えば、あるプロジェクトを成功させるために尽力したとします。そのとき、プロジェクトに対する自分の貢献度か仮に10%だったとしても、自分の持てる能力の100%をそれに注ぎ込んでいるのなら、「尽力した」という表現は可能です。つまり、「微力ながらも尽力した。」という表現が適切ですが、「そこそこに尽力した」という表現は誤りになります。言葉の表面的の意味のみならず、その使われ方も意識しましょう。

「人のために力を使う」というニュアンス

「尽力」という言葉には「人のために力を使う」という意味もあります。自分自身のために力を尽くす時は「尽力した」という表現は使いません。 自分が 相手のために何かするときは「尽力いたします。」逆に相手に何かしてもらった時は「ご尽力賜りありがとうございます。」のように使うことが多い言葉です。

「尽力」の読み方

「尽力」の読み方

「尽力」は「じんりょく」と読みます。「尽」は音読みで「ジン」訓読みで「つ(くす)」や「ことごと(く)」と読まれます。 この漢字の意味としては「全てを出し尽くす」「きわまる」という意味があり、数値で表現すると「100%」というニュアンスを持つ言葉になります。

「尽力」の類義語・言い替え

「尽力」の類義語・言い替え

「尽力」の類語・言い換え表現を紹介します。 周辺の語彙を把握することで、日本語の語彙が増えると共により言葉の理解が深まります。さっそく見ていきましょう。

「献身」

「献身」とは「他人である物事のために、我が身を犠牲にして尽くすこと」を指します。「尽力」という言葉は、自分から相手に力を捧げる場合と相手から自分に力を捧げてもらう場合の2つのパターンの使い方ができました。一方「献身」という言葉は「相手のために自分が尽くす」という意味の言葉であるため、方向性は固定されています。また、キリスト教において「神のために生涯を捧げること」という意味もあり宗教的な色合いが強い言葉でもあります。

「精進」

「精進」とは、「一つのことに精神を集中して励むこと」を指します。自分の持っている力を100パーセント出し切るという意味では、「尽力」と同じニュアンスを持つ言葉です。一方「尽力」との違いは 、力を使う矛先です。「尽力」の場合は「自分から他者」や「他者から自分」といった方向性がありましたが、「精進」の場合は「自分から自分」に向けた力の使い方をするときに用いられます。例えば、「自己研鑽に精進する。」という使い方ができるように、自分を高めるために自分の力100パーセント使うというニュアンスを持っています

「お力添え」

「お力添え」とは、「援助して助ける」という意味になります。丁寧語表現の接頭語「お」がついているように、相手に助けてもらった時に感謝の気持ちを伝えるために使う言葉です。この言葉には「尽力」のように「力を尽くす」や「精一杯努力する」というニュアンスはないため、相手がどのくらいのリソースを割いて、自分を助けてくれたかについては言及していないスタンス言葉になります。自分が相手を手伝う時の「力添えします」は誤った使い方で、そのような場合は「尽力いたします。」というのが正しい表現方法です。

「尽力」の対義語

「尽力」の対義語

ここでは「尽力」の対義語について紹介します。「尽力」という言葉の根幹をなすニュアンスは「100%の力を出し切る」というポイントに搾られます。そのため、対義語になる言葉は「力を出し切っていない」そういうニュアンスを持つ言葉になります。さっそく見ていきましょう。

「怠惰」

「怠惰」とは、「たいだ」と読み「怠けており、だらしがない様」を表します。 「怠」も「惰」も「おこたる」という意味の漢字であり、同じ意味を重ねて並べられている熟語です。 怠けている態度は自分の力を出し切っていない態度につながるため、「尽力」の対義語になります。また、キリスト教における七つの大罪の中の一つでもあり、宗教色を持つ言葉でもあります。

「骨惜しみ」

「骨惜しみ」とは「苦労するのを嫌がって怠けること」を指します。この言葉にも「怠ける」という意味が含まれているため、「尽力」とは反対の意味の言葉になります。 これと対照的な表現の言葉に「骨折り」があります。意味は「苦労すること、精を出して働くこと」になります。

「尽力」の敬語

「尽力」の敬語

「尽力」の敬語表現について紹介します。この言葉は接頭語に「ご」をつけて、敬語表現にすることが可能です。ビジネスシーンでもよく登場するため、正しい使い方をマスターしておきましょう。

感謝の気持ちを伝えるとき

目上の人に対して尽力という言葉を使う時は「ご尽力」という表現にします。この言葉を使うタイミングは、感謝の気持ちを表す時です。自分の仕事を進める上で、目上の人の力を借りた場合「ご尽力賜りましてありがとうございます。」という表現が使われます。 力を貸してくれて相手が、自分を手伝うことでかなりの労力を要していた際に使えるとなおよいでしょう。

謝罪の気持ちを伝えるとき

謝罪の気持ちを伝えるときも、「尽力」という表現が使えます。使うタイミングは、目上の人が労力を割いて仕事を手伝ってくれたのもむなしく、その仕事が失敗してしまったときです。こういうシチュエーションもビジネスシーンでは十分にありえます。このようなときは「ご尽力いただいたのにもかかわらず、成果を出せず大変申し訳ございません。」のように伝えるとよいでしょう。一種の定型表現であるため覚えておくとよいでしょう。

「尽力」と「注力」の違い

「尽力」と「注力」の違い

「尽力」と「注力」の違いについて解説します。力を精一杯出すというニュアンスにおいては、ほぼ同じ意味を持つこの両者ですが、その力の出し方加減に使い分けるポイントがあります。ここでは注力との違いに加え、お力添えとの違いについても解説していきます。

「尽力」との違いは「力の出し方」にある

「尽力」と「注力」の違いは「力の出し方」にあります。「尽力」は 「自分の持てる力をすべて発揮する」という意味がありますが、「注力」は「自分の力を注ぎ込む」という意味にとどまります。つまり、「注力」は力の出し方にかんして、抽象的な表現の仕方になります。そのため、「尽力」することは「注力」することになりますが、「注力」しているからといって、「尽力」しているとは限りません。「注力」という言葉の意味の中に「尽力」が存在して形になります。この言葉の包含関係をしっかり押さえておきましょう。

「お力添え」との違い

「お力添え」という言葉は、自分に対して使える言葉ではありません。相手に何かお願いするタイミングで使われることが多いです。そのため、「尽力」という言葉を使うとおこがましくなってしまいます。そこで、「お力添え」という言葉を使って「少しだけ手伝ってください」という控えめなニュアンスを持たせています。

「尽力」を英語でいうと?

「尽力」を英語でいうと?

「尽力」を英語で表現すると「effort」になります。「努力」という意味にも使われますが、「一生懸命何かに取り組む」というニュアンスがある言葉です。他にも「try hard to do」や「exert oneself」など、さまざまな表現方法があります。また、「I appreciate your efforts.」で「あなたの尽力に感謝します。」という意味になります。

「尽力」の使い方と例文集

「尽力」の使い方と例文集

最後に「尽力」の使い方とその例文を紹介します。ビジネスシーンにおいて「尽力」という言葉は正しく使いこなせるようになりましょう。

「尽力」の使い方

「尽力」の使い方として、自分がこれから何か仕事に取り組む場合は「尽力させていただきます。」という表現が使われます。また、目上の人から自分の仕事に対してフォローをもらった場合は「ご尽力いただきありがとうございます。」のように使われます。既に終わった仕事にかんしては「私は彼に尽力した。」という表現は直接的すぎるので、「私は彼のためのお手伝いをさせていただいた。」というように謙譲表現を用いた方が、ビジネスシーンではマイルドな表現法になるでしょう。

「尽力」の例文

「尽力」の例文を紹介します

・「今回のプロジェクトにかんしましてはご尽力賜りまして誠にありがとうございます。」
・「ご依頼いただいたご案件にかんしましては、誠心誠意尽力させていただきます。」

まとめ

「尽力」という言葉には、「精一杯努力すること」という意味があります。 また、「尽力」は「100%の力を出し切っていう状態」というのが大切なニュアンスになるため、「注力」のように「力を注いでいる状態」とは一線を画す表現になります。このように言葉の違いを理解することで、正しい日本語表現になるでしょう。

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