ニアミスの正しい使い方!例文や英語・類語・反対語も解説

「ニアミス」の正しい使い方!例文や英語・類語・反対語も解説
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さまざまなシーンで使われる「ニアミス」という言葉ですが、「ニアピン」や「ケアレスミス」など間違いやすい言葉もあります。「ニアミス」の由来、類義語、対義語、英語表現、使い方、例文について説明します。

目次

「ニアミス」の意味とは?

「ニアミス」の意味とは?

「ニアミス」には、もともとの意味と、そこから派生した意味があります。「ニアミス」の意味を説明します。

航空機の異常接近

「ニアミス」はもともと、航空用語です。「ニアミス」の意味は、「飛行中の2機以上の航空機が、接触・衝突の危険があるほど異常接近すること」です。航空機なので、高度差が小さい時も「ニアミス」になります。日本では明確な基準は定められておらず、パイロットの判断で報告することとされています。アメリカ連邦航空局では、「半径150m・高度差60m以内の接近」と定義されています。衝突してしまったら「ニアミス」とは言わず、衝突事故、墜落事故になります。「ニアミス」自体も非常に危険で、あってはならないことですから、ニアミス事故と呼ばれます。

人間同士が近づく・すれ違うこと

日本語では、航空機の異常接近という本来の「ニアミス」の意味から転じて、別の意味もあります。「ニアミス」の意味は、「人間同士が近づく・すれ違うこと」です。このすれ違いには、残念なことに偶然すれ違ってしまった時と、本来は会ってはならない人とすれ違った時の両方が含まれます。また、すれ違いとは別に、「ニアミス」には「惜しくも失敗すること」「事故に遭いそうになること」という意味もあります。

参照:Weblio辞書「ニアミス」

「ニアミス」の由来

「ニアミス」の由来

「ニアミス」はもともと英語であり、航空機用語です。「ニアミス」の由来について説明します。

英語の「ニアミス」

「ニアミス」は、もともと英語で、「near miss」と書きます。発音をカタカナ読みして、日本語の「ニアミス」になりました。

航空機用語の「ニアミス」

英語の「near miss」も、日本語の「ニアミス」も、もともとは航空機用語です。「飛行中の2機以上の航空機が、接触・衝突の危険があるほど異常接近すること」という意味の航空機用語が意味を広げられて、日常会話でも使われるようになりました。日常生活の中では航空機以外にも応用されて、「人間同士がすれ違うこと」「惜しくも失敗すること」「事故に遭いそうになること」を表現する言葉になりました。

「ニアミス」の類義語・言い換え

「ニアミス」の類義語・言い換え

「ニアミス」の類義語と言い換えについて説明します。

「ニアミス」の類義語

「ニアミス」の類義語には、「ニアピン」「ケアレスミス」「ヒヤリハット」「危機一髪」「九死に一生を得る」などがあります。「ニアピン」の意味は、ゴルフ用語として「ボールをピンのそばに寄せたこと」です。カップインしたわけではなくピンのそばに寄せたということから転じて、ゴルフ以外でも「惜しい」という意味でも使われるようになりました。「ケアレスミス」の意味は、「不注意による誤り。うっかりミス」です。「ヒヤリハット」の意味は、「危険なことが起こったが、幸い事故や災害にはならなかった事例」です。「ヒヤリとする」と「ハッとする」を合成した言葉です。「危機一髪」の意味は、「ごくわずかの差で危機に陥りそうな危ない瀬戸際」です。「一髪」という言葉により、髪の毛一本ほどの差で危なかったということを表現しています。「九死に一生を得る」の意味は、「ほとんど命が助かりそうもない状態だったがかろうじて助かる」です。「九死」の意味は「ほとんど命が助かりそうもない危ない状態」ですから、そんな危険な状態の中から一命をとりとめたということです。

「ニアミス」の言い換え

「車を運転していたら交差点でバイクとニアミスした」
という文を、他の言葉で言い換えると、どうなるでしょうか。
「車を運転していたら交差点でバイクとぶつかりそうになって、ヒヤリハットだった」「車を運転していたら交差点でバイクとぶつかりそうになって、危機一髪だった」「車を運転していたら交差点でバイクとぶつかりそうになって、九死に一生を得た」などになります。「ニアピン」「ケアレスミス」は、「ニアミス」との言い換えは難しい言葉です。

「ニアミス」の対義語

「ニアミス」の対義語

「ニアミス」の対義語には、「衝突」「遭遇」「鉢合せ」「邂逅」などがあります。「衝突」の意味は、「ぶつかること」です。「ニアミス」の意味は、「飛行中の2機以上の航空機が、接触・衝突の危険があるほど異常接近すること」ですから、実際にぶつかってしまう「衝突」が対義語です。「遭遇」の意味は、「不意に出会うこと」です。「人間同士が近づく・すれ違うこと」が「ニアミス」ですから、実際に出会ってしまう「遭遇が対義語です。「鉢合せ」の意味は、「思いがけなく出会うこと」です。「邂逅」の意味も、「思いがけなく出会うこと」です。

「ニアミス」と間違いやすい言葉

「ニアミス」と間違いやすい言葉

「ニアミス」と間違いやすい言葉を紹介します。

「ニアミス」と「ニアピン」の違い

「ニアミス」には、「惜しくも失敗すること」という意味があります。「ニアピン」には、「惜しい」という意味があります。「ニアミス」と「ニアピン」は似ているのですが、「ニアミス」は失敗した点が強調されています。一方、「ニアピン」は失敗したというよりも、勝利に近くて惜しい、という意味の言葉です。例えば、ゴルフには「ニアピン賞」という競争があります。カップの一番近くの地点にボールを打った人が勝つというものです。「ニアピン賞」を取るのは、決して失敗ではなく、誇らしいことです。また、「ニアミス」はもともと英語ですが、「ニアピン」は和製英語です。

「ニアミス」と「ケアレスミス」の違い

「ニアミス」の意味は、「事故に遭いそうになること」です。つまり、実際に事故に遭ってはいないのです。一方、「ケアレスミス」は「不注意による誤り。うっかりミス」ですから、失敗やミスをしてしまった状態を表す言葉です。

「ニアミス」と「ヒヤリハット」の違い

「ニアミス」の意味は、「事故に遭いそうになること」です。「ヒヤリハット」は、「危険なことが起こったが、幸い事故や災害にはならなかった事例」です。この意味で使う場合は、「ニアミス」と「ヒヤリハット」はほぼ同じ意味の言葉です。ただし、「ヒヤリハット」には、「航空機の異常接近」「人間同士が近づく・すれ違うこと」「惜しくも失敗すること」という意味はありません。

「ニアミス」の英語の意味・英語表現

「ニアミス」の英語の意味・英語表現

「ニアミス」の英語の意味・英語表現について説明します。

「ニアミス」の英語の意味

「ニアミス」の英語「near miss」の意味は、「至近弾」「航空機の異常接近」です。「人間同士が近づく・すれ違うこと」など他の意味は、「near miss」にはありません。

「ニアミス」の英語表現

「ニアミス」の英語表現は、「至近弾」「航空機の異常接近」ならばそのまま「near miss」です。「人間同士が近づく・すれ違うこと」という意味の「ニアミス」の英語表現は、「pass by」「nearly miss」「just miss」「almost missed」などです。

「ニアミス」の医療現場・ビジネスにおける使い方

「ニアミス」の医療現場・ビジネスにおける使い方

「ニアミス」には特別な使い方があります。「ニアミス」の医療現場・ビジネスにおける使い方について説明します。

「ニアミス」の医療現場における使い方

「ニアミス」の医療現場で使う時は、「何らかのミスがあり危険なことが起こったが、幸い重大な事故にはならなかったがその一歩手前の状態」を表します。「ヒヤリハット」という場合もあります。

医療現場における「ニアミス乳幼児突然死症候群」

医療現場には、「ニアミス乳幼児突然死症候群」という用語があります。「乳幼児突然死症候群」は、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気です。窒息などの事故死とは異なります。毎年数十人ほどの赤ちゃんが亡くなっています。「ニアミス乳幼児突然死症候群」とは、「それまでの健康状態や既往歴から、その発生が予測できなかった乳幼児が、突然の死をもたらしうるような不整脈、無呼吸などの状態で発見され、死に至らなかった症例」です。つまり、「乳幼児突然死症候群」になりそうだったがならなかった状態を、「ニアミス乳幼児突然死症候群」というのです。

「ニアミス」のビジネスにおける使い方

一般企業において「ニアミス」が使われる場合もあります。それぞれの分野で、安全管理・危機管理上、「何らかのミスがあり危険なことが起こったが、幸い重大な事故にはならなかったがその一歩手前の状態」を「ニアミス」と言います。事故には至らなかったとはいえ、何らかのミスがあったので、「ニアミス」の事例を共有・分析して、再発防止に努めなければなりません。

「ニアミス」の例文集

「ニアミス」の例文集

「ニアミス」の例文は、次のようになります。

例文
  • 航空機のニアミス事故があったが、幸い衝突には至らなかった。
  • 歩行者と車がニアミスして、危うく人身事故になるところだった。
  • 学校帰りに寄ったコンビニにあと5分早く着いていたら彼女と会えたのにニアミスした。
  • ゲームセンターに見回りに来た先生とニアミスしてあぶなかった。
  • テストで正解がどちらか自信がなかったが、結局ニアミスした。
  • 機械に手を挟まれそうになるニアミス事故が多発している。

まとめ

「ニアミス」はもともと、航空用語です。「ニアミス」の意味は、「飛行中の2機以上の航空機が、接触・衝突の危険があるほど異常接近すること」です。そこから転じて、「人間同士が近づく・すれ違うこと」「惜しくも失敗すること」「事故に遭いそうになること」という意味もあります。医療現場やビジネスでは、安全管理・危機管理上、特別な使い方があるので覚えておきましょう。

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