「チャンク」とは「バターなどの塊」「ひとまとまりになったデータ」という意味の言葉です。チャンククッキーや、チャンクダウンなどさまざまな分野で使われています。もとは英語の「chunk」でカタカナ語ですが、英語と日本語では意味が異なります。この記事ではチャンクの意味や由来、語源について紹介します。
「チャンク」の意味とは?
「チャンク」の意味は大きく分けて3つあります。順番に見ていきましょう。
意味1:バターなどの塊
チャンククッキーやチョコレートチャンクでおなじみの「チャンク」には、塊という意味があります。チョコレート以外にも、バターやパンなどの一塊に対して使えます。注意点としては、綺麗に成型された塊ではなく、ゴツゴツしたある程度の大きさがある塊を指す点です。固形物にのみ使い、液体などには使えませんので覚えておきましょう。
意味2:ひとまとまりになったデータ
パソコン関係で使われる「チャンク」には、ひとまとまりになったデータといった意味があります。画像やファイルを含んだ膨大なデータは、どこに何があるのかわかりづらく扱いにくいですよね。こういったデータを、カテゴリー別・内容別に仕分けし、ひとまとまりのデータにする作業および、まとめたデータのことを「チャンク」と呼びます。ビジネスシーンでは、よく使われるので覚えておきたいですね。
意味3:英語の「chunk」
英語圏で使われる「chunk」は、上記2つの意味以外にも、がっちりした人や馬、塊に切り分けるなどの意味があります。また、「chunk」を使った「a chunk of ~(かなりの量の~)」はよく使われます。例えば、「a chunk of change(大金)」 「a chanks of time(膨大な時間)」などです。
「チャンク」の由来・語源
「チャンク」は、英語の「chunk」に由来するカタカナ語です。英語の「chunk」は多義語で、さまざまな意味を持つのに対し、カタカナ語の「チャンク」は、固形物やデータの「塊」の意味で使われることがほとんどです。英語の意味の一部が、カタカナ語となって使われているのですね。
IT分野で使われるチャンクの使い方
IT分野でもよく使われる「チャンク」。その使い方と例文を見ていきましょう。
IT分野でのチャンクの使われ方
IT分野では、JPGやwordなどといったファイル形式を用いて、内容ごとに小分けにしたデータを「チャンク」と言います。職種によっては、「チャンク形式」や「チャンク構造」などと呼ぶこともあります。
IT分野におけるチャンクを使った例文
IT分野で使われる「チャンク」を使った例文を集めました。参考にしてください。
- チャンクをUSBに保存しておいて欲しい。
- ファイルの容量が大きすぎるから、項目別チャンクに入れ直しておいてくれ。
- データをチャンク単位でエクスポートしたい。
- プロジェクトに関する資料がチャンクで送られてきた。
ビジネスにおける「チャンクダウン」とは?
「チャンク」から派生した言葉に「チャンクダウン」があります。「チャンクダウン」の意味と方法を見ていきましょう。
「チャンクダウン」とは
「チャンクダウン」とは、「チャンキング」という思考法の1つです。「チャンキング」とは、頭の中にあるバラバラとした情報を1つにまとめる思考法です。「チャンクダウン」は、チャンキングの逆で、まとまった情報を、内容やタスクごとにばらす作業を指します。
「チャンクダウン」することで、漠然とした問題点から課題を見つけたり、顧客の悩みを解決できたりすることから、ビジネスにおけるコーチングの場面で注目されています。
「チャンクダウン」のやり方
「チャンクダウン」は、その名前からもわかる通り、大きなまとまり(論点)を、細かく細分化することです。例えば、「売り上げを伸ばしたい(論点)」という課題をチャンクダウンすると、「まず、何から取り組むべきか」「どこの部署と連携をとるべきか」「そもそも低迷している原因は何なのか」などの問題点が浮かび上がってきます。
「チャンクダウン」することで、漠然とした問題点を可視化・具体化できるので、次のステップに踏み出しやすくなります。
英語学習における「チャンク」
小学校から英語が教科化される今日、英語学習の重要性はいうまでもないですね。英語を効率よく覚えるために重要な「チャンク」をご存じでしょうか?ここでは、英語上達に欠かせない「チャンク」についてお伝えします。
「チャンク」を覚えるとなんでいいのか
英語学習における「チャンク」とは、短い一塊のフレーズ、意味のまとまりを指します。主に日常会話に使われる2語~8語の意味のまとまりのことで、単語1つ1つを覚えるより、「チャンク」を覚えることで効率的に英語を学習できます。
「チャンク」を覚えると、特に伸びるのがリスニングとスピーキングです。頭で考えなくとも英語が出てくる感覚はとても楽しいですから、よく使うものは、「チャンク」で覚えてしまいましょう。
英語の「チャンク」の例
英語の「チャンク」は、大きなチャンクと小さなチャンクがあります。今回は日常生活でよく使うものを例として挙げます。ぜひ参考にしてください。
まずは、小さなチャンクから紹介します。
- want to~(wanna): ~したい
- (be) going to~(gonna):~するつもりです
- go to school:学校に行く
大きなチャンクの例は以下の通りです。
- Do you mind if~?:~してもよろしいでしょうか?
- when he came home:彼が家に帰ってきたとき
- I’d like to~:~したいのですが
実際の会話となると、単語と文法を意識している時間はありません。チャンクを覚えれば、相手の話を聞く際、文法を考えずとも、前から意味をとっていけます。よってリスニング力向上し、コミュニケーションがスムーズになります。会話の60%は、チャンクで作られているともいわれているので、覚えれば覚えるほど英語でのコミュニケーションの役に立つでしょう。
チャンクの類義語・言い換え表現
「チャンク」は、特定のシチュエーションでしか使わないので、言い換えることは少ないでしょうが、ここでは類義語を4つ紹介します。ボキャブラリーを増やすきっかけにしてくださいね。
1. 集団
1つのまとまりという「チャンク」の意味を考えると「集団」も同じ意味だといえます。
2. 群れ
同じく「群れ」も1つのまとまりを表す言葉ですから、「チャンク」の類義語です。
3. かたまり
「かたまり」は、「チャンク」の本来もつ意味の日本語訳です。英語学習における「チャンク」を覚える時にも、「意味のかたまり」で覚えるといいといわれます。よって、「かたまり」は、「チャンク」と言い換えが可能です。
4. クラスター
新型コロナウイルス関連のニュースでよく聞く「クラスター」という言葉。辞書によると、「同種のものや人の集まり」「群れ」「集団」とあります。よって、「クラスター」も「チャンク」の類義語といえます。ちなみに、「クラスター」は、ウイルス関連の話題で使われると「集団感染」という意味になり、英語圏においては、IT業界や天文学会などさまざまな場面で使われています。多義語であることも「チャンク」と類似していますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「チャンク」について解説しました。
「チャンク」は、英語の「chunk」が由来のカタカナ言葉です。英語圏では、さまざまな場面で使われていますが、カタカナ語の「チャンク」は、主にバターやパンなどの固形物、もしくはファイルやデータなどの一塊を指します。他にも、英語を覚える際に役立つ短いフレーズを指すこともあります。ビジネスシーンでは、IT業界で多用され、パソコンでのデータのやりとりの際によく使われる言葉です。正しい意味を覚えて、正しく使用していきましょう。
最後に「チャンク」のまとめです。
- 「チャンク」とは「バターなどの塊」「ひとまとまりになったデータ」「英単語の「chunk」」の3つの意味を持っています。
- 「チャンク」は、英語の「chunk」に由来するカタカナ語です。
- IT分野では、JPGやwordなどといったファイル形式を用いて、内容ごとに小分けにしたデータを「チャンク」と言います。
- 「チャンクダウン」はまとまった情報を内容やタスクごとにばらす作業を指します。
- チャンクの類義語は「集団」「群れ」「かたまり」「クラスター」などです。