累計の意味と使い方とは?類語「累積・合計」との違い、英語表現・例文も紹介

「累計」の意味と使い方とは?類語「累積・合計」との違い、英語表現・例文も紹介
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「累計」とは数を順々に足していき、さらに合計した数をいいます。「累計」は事業の全体像をつかむ、進捗状況を把握するためなどに用いられます。「累積」や「合計」、「総計」などとの違いを知って、正しく使いましょう。

目次

「累計」の意味とは?

「累計」の意味とは?

「累計」とは集計した数を順次加算していくことをいいます。数を1回足しただけでなく、何回か足したものをさらに積み重ねる、加算していくときに「累計」を使います。たとえば店の一日分の売上合計を毎日加算すると、「累計」売上を算出できます。

参照:Weblio辞書「累計」

「累計」の由来・語源

「累計」の由来・語源

「累計」は「積む」や「重ねる」をいう「累」と、数をかぞえることをいう「計」があわさった言葉です。「累計」は中国が発祥で、現在の中国語でも日本と同じ意味で使われていますが、「計」の漢字は簡略化した「计」を使っています。

「累計」の類義語との違い

「累計」の類義語との違い

「累計」の類義語には、同様に数の集計を意味する言葉があります。どのように足し合わせるか、集計範囲はどこかなどがそれぞれに違うので、「累計」との違いとともに知っておきましょう。

1.「累計」と「累積」との違い

「累積」とは、「重ねて積む、重なって積もること」のほか、「累計」とほぼ同じ「累算」の意味があります。「累積」は数字を足し合わせると増える場合には使えますが、減る場合は使えない点が「累計」とは異なります。黒字の合計額である「累積黒字」は「累計黒字」とはいえませんが、「黒字額の累計値」と表現できます。

例文
  • 債務が累積し、返済が困難になっている。
  • このカードの累積ポイント数は3000以上になった。

2.「累計」と「小計」との違い

「小計」とは、全体の中の一部分を足し合わせた数のことをいいます。全体を足し合わせた「合計」を算出するためにまず部分ごとの「小計」を出し、それを集計します。

例文
  • 通期の売上でなく、上半期と下半期それぞれの小計を出してほしい。
  • 見積書には、機器ごとの費用の小計も記載しておきました。

3.「累計」と「合計」との違い

「合計」とは一般的には数を足し合わせることをいいます。ですが会計で「小計」と「総計」も一緒に用いる場合は、複数の「小計」を集計したものを「合計」といいます。「累計」は計算する時点までの数を順次加算したものですが、「小計」や「合計」はあらかじめ設定した範囲の数を足し合わせる点が異なります

例文
  • 四角形の4つの角の合計は360度である。
  • 費目単位の小計の合計値と、日計売上の小計の合計値とは等しくなるはずだ。

4.「累計」と「総計」との違い

「総計」とはすべてをまとめて合計すること、全体の合計のことをいいます。「小計」を集計したものが「合計」、さらに「合計」を集計したものが「総計」です。たとえば一日ごとの売上は「小計」でひと月ごとの売上が「合計」、一年間の売上が「総計」にあたります。「総計」はその時点までの集計結果である「累計」のような途中結果とは違い、最終的な集計結果となります。

例文
  • 集金額は総計〇〇万円となった。
  • 歳入の総計は〇〇億円で、内訳は右記の通りです。

5.「累計」と「延べ」との違い

「延べ」とは、重複しているそれぞれの要素も含めて集計することをいいます。たとえばイベントの来場者数は、同一人物が複数回来場した場合にその複数回をカウントする「延べ」人数で集計します。「累計」もその時点までの数を足し合わせた数なので、この場合の「延べ」とは似た意味になります。

例文
  • 今回の販促イベントでは、延べ〇〇人の集客があった。
  • このプロジェクトの参加企業は、延べ数100社にものぼった。

「累計」を英語でいうと?

「累計」を英語でいうと?

「累計」の英訳は「total」です。「total」には「総計」の意味もあり、「grand total(総計、累計)」や「sum total(総額)」の表現もあります。また、「total」は「合計」と訳す場合もあるので、「累計」とどちらが適当かは文脈から判断するとよいでしょう

例文
  • The series has sold a total of 5 million copies.(そのシリーズの累計販売部数は500万部です。)
  • I am glad to inform you that the total number of sales has reached 300 million.(おかげさまで、累計販売数が3億個を突破しました。)

「累計」の使い方と例文集

「累計」の使い方と例文集

「累計」の使い方と、例文を紹介します。ビジネスシーンで使われる機会が多い言葉なので、戸惑わずに使えるようにしておきましょう。

「累計」の使い方

「累計発行部数」とはある作家やあるシリーズの本の、これまでの出版数の合計をいいます。たとえば3冊がシリーズになっており、これまでの出版数は書籍Aが10万部、書籍Bが25万部、書籍Cが8万部とすると、シリーズの「累計発行部数」は43万部となります。「累計売上」は、「小計」を順次加算して算出します。たとえば3月1日の売上「小計」は12万円、3月2日は5万円、3月3日は10万円とすると、3月1日から3日までの「累計売上」は27万円になります。

「累計」を使った例文

「累計」を使った例文を紹介します。

例文
  • 当社のA製品の販売台数が累計〇〇台になった。
  • これまで8カ月間の売上の累計を見ると、今年度の目標達成は難しく思える。
  • 新サービスはリリース当初は好調に推移したが、ここ3カ月間の累計利用者数は頭打ちだ。
  • 月間売上の進捗度合は、毎日集計する累計売上高から求められる。
  • 〇〇年までの災害支援金の累計は、10億円を突破しました。
  • 累計5年間ほど、彼は出勤前のマラソンを続けています。

ビジネスシーンでの「累計」の使い方

ビジネスシーンでの「累計」の使い方

ビジネスシーンでは「累計」を使う場面が頻繁にあります。事業と数字は密接な関わりがありますし、毎日業務を進める上では「累計」を含めた数字を把握することが大切だからです。ビジネスシーンでの「累計」の使われ方を知り、日々の仕事に活かしましょう

全体像をつかむための「累計」

「累計」は、今やっていることの全体像をつかむために用いられます。たとえば毎日の生産個数や売上額の「累計」は、全体でどれだけ生産や売上があったかを確認する指標になります。

進捗具合を測るための「累計」

「月合計」の売上目標がある場合、毎日「小計」とともに「累計売上」を出していると売上目標との差をかんたんに計算でき、進捗度がわかりやすくもなります。たとえば1日から15日までの「累計」結果が、月目標の半分以上になっていれば、進捗状況は順調といえます。「累計」をこまめに出していると大幅に目標を下回る前に軌道修正ができますし、進捗が良い場合は目標の上方修正も可能です。

エクセルで使われる「累計」

エクセルでは「小計」や「合計」のほか、「累計」を表示させるのにSUM関数を用います。集計表の作成などビジネスシーンでは活用の機会が多くあるでしょう。

SUM関数を使って「累計」を表示させる

エクセルの表に「累計」を表示させるためには、SUM関数を使いましょう。「累計」を表示させたいセルを選び、「=SUM(」を入力します。そして足し合わせたい複数セルのうち一番上のセルをクリック、セルのアドレスが「=SUM(」に続いて表示されたら、「:」を入力するとその後にも同じアドレスが自動で入ります。そうしたら「)」で閉じて数式を完成させましょう。ですがこのままではセルのアドレスが相対参照で、数式をほかのセルにコピーしても「累計」は表示できません。先ほどのSUM関数の「:」の前のアドレスをドラッグし、F4キーを押して絶対参照に変えてからほかのセルにもコピーしましょう。

オートSUMで「累計」をかんたんに計算する

エクセルのオートSUMを使うと、累計をかんたんに計算できます。累計を表示させたいセルを選び、「ホーム」タブ内の「オートSUM」をクリックしましょう。「=SUM(C3:C3)」などと数式が入力されたら、最初のセルアドレスC3を絶対参照に変えると、累計を表示したいほかのセルにもコピーできます。

まとめ

「累計」とは数を順次加算していくことをいいます。「累積」や「延べ」、「小計」と「合計」、「総計」などの類義語と混同しないよう、それぞれの意味を把握しておきましょう。数を集計したとき、どの言葉が適切かを判断しながら使うことが求められます。

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