「包括的」の意味と正しい使い方|類義語・対義語と例文をわかりやすく解説

包括的
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「包括的」の意味とは?

「包括的」の意味とは?

「包括的」とはすべてを網羅し、一つにまとめることです。複数が集まってできたものの、全体をまとめるときに使われます。たとえば「包括的な解決策」とは、ある問題にだけでなく、すべての問題に適用できる解決策」をいいます。

「包括的」の由来・語源

「包括的」の由来・語源

「包括的」の「包」とは「ものを包んで中に入れること」、「括」は「複数のものをまとめる、束ねること」を意味します。それに性質をあらわす「的」が加わり、「ひっくるめたすべてのものを含んでいる様子」を表現しています。

「包括的」の類義語・言い換え

「包括的」の類義語・言い換え

「包括的」の類義語や言い換え表現を8つ紹介します。似ていても「包括的」と同じ文脈で使える言葉と使えない言葉とがあるので、それぞれの違いを知っておきましょう。

1.全体的

「全体的」とはあることがらの大体の様子や、複数の様子をひとまとまりにしてとらえることをいいます。「あの店は全体的にはいい洋食店だ」などと使います。

2.全般的

「全般的」とは、あることがらのすべてに関している、ものごとの全体についてのことです。「3月の生産高は全般的に回復基調にある」などと使います。

3.総括的

「総括的」と「包括的」はともに「ものごとをひとまとめにする」意味を持ちますが、「総括的」はまとめたものを締めくくる、結論を出す点が異なります。「これからの経済状況について、総括的に展望する」などと使います。

4.総合的

「総合的」とは、バラバラのものごとを一つにまとめることをいいます。「包括的」が同種のものをひとまとめにするときにも使えるのに対し、「総合的」は別々の種類のものをまとめるときだけに使える点が異なります。「包括的核実験禁止条約」はさまざまな場所での核実験を禁止する条約なので、「総合的核実験禁止条約」とはいえません。

5.一括

「一括」とは一つにまとめることとまとめたものをいい、複数のものや、一つのものの複数の性質をまとめるときに使えます。「包括的」よりも、「一つに」を強調している言葉です。先にまとめて支払う「一括払い」やまとめて管理する「一括管理」などと使います。

6.概括的

「概括的」とは、ものごとの大まかな内容を簡潔に要約することです。論理学では、さまざまなことがらに共通している性質を抜き出し、一つの概念にまとめることをいいます。「ミーティングで出た複数人の意見を概括的にまとめた資料」などと使います。

7.集約的

「集約的」とは、複数のものごとを一つにまとめて整理したさまをいいます。バラバラなものを集めておくだけでなく、まとめて効率的に使えるようにしておく点が「包括的」とは異なります。「情報を集約的に管理する」などと使います。

8.集中的

「集中的」とは複数のものごとが一か所に集まっている、集めることをいいます。「今回の会議では集中的に質問責めにあって困ってしまった」や、「今はバラバラになっているデータを、集中的に管理できるシステムを導入する予定だ」などと使います。

「包括的」の対義語

「包括的」の対義語

「包括的」の対義語を4つ紹介します。「まとめる」とは反対の意味をもつ言葉や、「限られたものだけをまとめる」意味の言葉などです。

1.限定的

「限定的」とは、ものごとが限られている様子をいいます。イベントやできごとによるほかのものごとへの影響がわずかであることや、ものごとの数量や範囲などの要素に、限りを設けることを意味します。「今回の大雨の被害は限定的な地域にとどまった」や、「テレワークを増やし、出社は限定的にする」などと使います。

2.個別的

「個別的」とは、複数のものがほかに関係せずにあるさまをいいます。複数の要素をまとめて扱わず、別々に向き合うことも意味します。「この問題は包括的でなく、個別的に扱う必要がある」や、「個別的な指導は生徒一人ひとりを尊重することにつながる」などと使います。

3.特定的

「特定的」とは、ものごとについてとくに「それ」と決まっていること、指定している様子をいいます。「はじめから特定的にとらえてしまうと、思考を狭めてしまうことがある」などと使います。

4.排他的

「排他的」とは、特定のものごとだけを優遇し、ほかのものごとを排除する様子をいいます。「包括的」はさまざまなものをまとめて含んでいる様子をいいますが、「排他的」は一部のものだけを受け入れる不寛容さや差別的な要素を含んでいるのが異なります。「Aさんは排他的な考えが目立ち、こちらのアドバイスを聞き入れてくれない」などと使います。

「包括的」を英語でいうと?

「包括的」を英語でいうと?

「包括的」の英語訳は、「inclusive」と「comprehensive」、「overall」です。「inclusive」と「comprehensive」には「包括的な」、「overall」には「総合的な」などの意味があります。

1.inclusive

「inclusive」には「包括的な」と「すべてを含んだ」、「包摂的な」や「包含的な」の意味があります。「inclusive community(多様な人を受け入れようとする地域社会)」や「inclusive approach(包括的なアプローチ)」のように使います。

  • inclusive of the day of return to the working place(勤務地に戻る日を含めて)
  • It’s a fully inclusive price.(それは全部込みの値段になります)
  • A team consists of 20 people, inclusive of the B.(AチームはBさんを含めてメンバーが20人います)

2.comprehensive

「comprehensive」には「包括的な」のほか、「理解力のある」や「わかりがいい」、「広い」の意味もあります。「a comprehensive explanation(包括的な説明)」や「a comprehensive mind(広い心、寛容な心)」のように使います。

  • In our company comprehensive income significantly decreased.(当社の包括利益は大幅減だ)
  • We have concluded the Comprehensive Partnership Agreement with A University.(当社はA大学と包括連携協定を締結している)
  • a report containing a complete and comprehensive digest(ひとまとめに説明している報告書)

3.overall

「overall」には「包括的な」の類義語である「全体的な」や「総合的な」と、「端から端まで」、「全部では」などの意味があります。「Overall, it’s a good room.(全体的にはいい部屋だ)」や「the overall cost(すべての費用)」と使います。

  • Our overall impression is favorable.(総合的な印象は好ましい)
  • compatible with the overall system(全体のシステムと互換性がある)
  • Relative to overall sales, that of A is insignificant.(全体的な売上を考えると、Aの売上は重要ではない)

「包括的」の使い方と例文集

「包括的」の使い方と例文集

「包括的」はビジネスシーンでもよく登場します。例文とともに使い方を知って、スムーズに使えるようになりましょう。

「包括的」の使い方

「包括的に考える」は「ものごとの全体をまとめて考える」、「包括的に見る」は「ものごとの一部だけを見るのでなく、全体的に見る」ことです。また、「包括的〇〇」のように、「〇〇」の名詞を修飾する形で用いられることは多くあります。「包括的自立支援プログラム」とは、ケアプラン(介護サービスのプラン)を計画するための介護記録である「アセスメントシート」の一種です。複数の介護施設団体が開発した様式で、介護老人福祉施設の約半数で採用されています。「包括的・継続的ケアマネジメント」とは、高齢者へ多方面から、継続して支援することです。かかりつけ医だけでなく、ケアマネージャーや関係機関と連携しながら行います。

「包括的」の例文集

「包括的」を使った例文を紹介します。

  • Aさんは視野が広く、問題を包括的に捉えられる
  • 今の状況を正しく把握するためには、包括的な調査をする必要がある
  • さまざまな家庭を、どのように包括的に支援するかが課題になっている
  • 新人教育のために、包括的なカリキュラムを策定した
  • 新しい解決策について、包括的に評価して決定しよう

まとめ

「包括的」とはすべてを網羅し、一つにまとめることをいい、「全体的」や「総括的」などと似た意味を持ちます。ビジネスではかしこまった文書で使われる場合が多い言葉なので、類義語との使い分けには注意しましょう。

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