「年の瀬」の正しい使い方を知っていますか?「年の瀬の挨拶」などで社会人になるとよく耳にする言葉です。この記事では「年の瀬」の使い方や意味・英語・類語を解説します。社会人としてのマナーですので、覚えておきましょう。
「年の瀬」の読み方
「年の瀬」は「としのせ」と読みます。漢字をそのまま読めばいいので、非常に覚えるのがかんたんなものです。しかしながら、日常会話においてずっと使われるようなものではないため、忘れてしまうかもしれません。しっかりと頭に入れて、知識を定着させておきましょう。
「年の瀬」の意味とは?
「年の瀬」の意味を知っていますか?「年の瀬」は非常に意味があいまいな言葉です。ここでは「年の瀬」の正しい意味を解説します。「年の瀬」はビジネスシーンでもたびたび使われる言葉。ビジネスパーソンには必須の言葉ですので、確実に覚えておきましょう。
「年の瀬」の意味は「年末の忙しい時期」
「年の瀬」は「年末の忙しい時期」のことを意味している言葉です。単に「年末」のことを指すのではなく、「年末の忙しい時期」を指しているのがポイント。非常に使う時期や状況が限られている言葉ですので、間違って使ってしまわないように気をつけましょう。
「年の瀬」は具体的にいつから?
「年の瀬」は「年末の忙しい時期」を表現している言葉ですが、具体的にはいつからいつまでのことを指すのでしょうか?実は「年の瀬」が具体的にいつごろのことを指すのかの定義は決まっていません。しかしながら、12月の前半を指すのは早すぎるでしょう。指すならば12月も終わりにさしかかってきている時期。具体的には12月中旬から31日までを指すと考えておきましょう。
「年の瀬」の由来・語源
「年の瀬」の由来・語源は江戸時代の掛け売りにあったとされています。「掛け売り」とは「商品を買うときの代金を後回しにして、盆と暮れにまとめて清算すること」という意味の言葉。その清算ができるのかどうかに焦って慌ただしくなる時期が「年の瀬」だとされていたのです。よって、「年の瀬」の由来・語源は江戸時代の後払いに焦る時期なのです。
「年の瀬」の類義語・言い換え
ここでは「年の瀬」の類義語・言い換えを紹介します。「年の瀬」でも同じ意味は伝わるのですが、状況や相手によっては「年の瀬」を言い換えたほうが伝わりやすいことも。相手に伝わりやすく話すことはコミュニケーションのマナーです。「年の瀬」の類義語・言い換えもマナーだと思って覚えておきましょう。
「年の瀬」の類義語1「暮れ」
「年の瀬」の類義語1つ目は「暮れ」です。「暮れ」とは「ある期間の終わり」を指す言葉。たとえば、「1日の終わり」「1年の終わり」「季節の終わり」などのことを指します。日常的にも使う言葉ですので、ぜひ覚えておきましょう。
秋の暮れの頃に私は大切な友人を亡くしてしまった。
「年の瀬」の類義語2「年の暮れ」
「年の瀬」の類義語2つ目は「年の暮れ」です。「年の暮れ」は「1年の終わりの頃」という意味をもつ言葉。前述した「暮れ」の対象が明確になっているものです。このように「〇〇の暮れ」や「〇〇暮れ」とすることによって、「そのものの終わり頃」を表現できます。
年の暮れには親戚たちが集まって楽しく過ごす。
「年の瀬」の類義語3「年末」
「年の瀬」の類義語3つ目は「年末」です。「年末」も「1年の終わり頃」を指す言葉。具体的には12月の半ばから、大晦日までのことを指すことが多いです。12月の終わりに近づけばスーパーなどでもよく「年末セール」「年末大特価」というようによく見かけるものです。
今年の年末にはどんなものが安くなるだろうか。
「年の瀬」の類義語4「歳末」
「年の瀬」の類義語4つ目は「歳末(さいまつ)」です。「歳末(さいまつ)」も「1年の終わり頃」を表現する言葉であり、具体的には12月中旬から大晦日までを指します。あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、確実に覚えておく必要がある言葉です。
歳末になると、新しい年がやってくることにドキドキする。
「年の瀬」の類義語5「歳暮」
「年の瀬」の類義語5つ目は「歳暮」です。「歳暮」は「さいぼ」もしくは「せいぼ」と読みます。「お歳暮」という形で「年末に贈り物をすること」という意味を表していることで、聞いたことがあるひとも多いでしょう。「歳暮」は「年末に贈り物をする」のほかにも「年末」という意味もあるのです。
歳暮にはいとこと会えるので、非常に楽しみだ。
「年の瀬」の対義語・反対語
ここでは「年の瀬」の対義語・反対語を解説します。「年の瀬」は「1年の終わり頃」を指している言葉ですので、対義語は「1年のはじまり」を指しているもの。「1年のはじまり」という意味を伝えたいのに、言葉がわからないなんてことにならないように、「年の瀬」の対義語・反対語は覚えておきましょう。
「年の瀬」の対義語1「年始」
「年の瀬」の対義語1つ目は「年始」です。「年始」は「年の初め」や「新年のあいさつ」「新年を祝うこと」を意味している言葉。「1年の終わり頃」を指している「年の瀬」とはまったく逆の意味をもった言葉です。
年始にはいつも初売りに行っている。
「年の瀬」の対義語2「年頭」
「年の瀬」の対義語2つ目は「年頭」です。「年頭」は「ねんとう」や「としがしら」と読む言葉。どちらの読み方をしても「年の初め」という意味はあるのですが、「としがしら」と読んだときにのみ「仲間のなかで最も年長であること」を指します。
年頭では1年の目標を決め、それに向かって突き進むことを決意する。
「年の瀬」の使い方と例文集
「年の瀬」の意味や類義語・対義語を覚えていても、実際にどのようにして使うのかがわからなくては意味がありません。ここでは「年の瀬」の使い方、使うときの注意点、例文について解説します。ここでしっかりと「年の瀬」の使い方をマスターして、実践でも使えるようにしておきましょう。
「年の瀬」の使い方
「年の瀬」は「年の瀬を感じる」「年の瀬が近づく」などの使い方をよくされます。「年の瀬」はビジネスにおいてもよく使われる言葉で、紹介した「年の瀬を感じる」「年の瀬が近づく」などは年末のあいさつの一部として使われるのです。ビジネスパーソンにとって「年の瀬」は非常に忙しいもの。相手を労う意味も込めて「年の瀬」を使うのです。
「年の瀬」を使用するときの注意点
「年の瀬」を使うときには「使うタイミング」に注意しましょう。「年の瀬」を使うときに注意しなくてはならないタイミングは2つあります。1つは「12月のはじめ」であり、2つ目は「相手が正確な日程を求めているとき」です。「年の瀬」が「1年が終わる頃」を指しているので、もちろん12月のはじめに使うのはNG。さらには「年の瀬」は具体的な日程が決まっている言葉ではないので、「相手が正確な日程を求めているとき」もNGです。「年の瀬」を使うタイミングには十分注意しましょう。
「年の瀬」の例文
「年の瀬」を使った例文は以下のとおりです。
- 年の瀬になると自分だけではなく周りも忙しそうにするものだ。
- 年の瀬には祖父母と久しぶりに会えることが私の唯一の楽しみだ。
- 大型の音楽番組を見ると年の瀬を感じる。
「年の瀬のあいさつ」の例文
「年の瀬」は「12月の忙しいころのあいさつ」の一部としてよく使われます。「年の瀬のあいさつ」の例文は以下のとおりです。
- 年の瀬を感じる頃となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
- 年の瀬も押し迫り、世間もだんだんと慌ただしくなってまいりました。
- 年の瀬が近づき、今年の業務についてまとめる時期となりました。
「年の瀬」を英語でいうと?
「年の瀬」を英語で表現すると「the year end」や「end of the year」となります。具体的な使い方は以下のとおり。
- The year end is a very busy time for everyone.(年末は誰もが非常に忙しくなる。)
- The end of the year is a very busy time for everyone.(年末は誰もが非常に忙しくなる。)
まとめ
「年の瀬」は「1年の終わり頃」を指している言葉。具体的にいつからいつまでを指しているという定義はありませんが、基本的には12月中旬から31日までを指すとされています。日常的な場面においてもビジネスシーンにおいても使える言葉ですが、時期があいまいな言葉ですので「相手が正確な日程を求めているとき」には使わないほうがいいでしょう。「年の瀬」を使うときには時期と状況を考えましょう。