お手数の意味や使い方は?読み方・類語・ビジネス例文を解説

「お手数」の意味や使い方は?読み方・類語・ビジネス例文を解説
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「お手数をおかけします」や「お手数ですが」など、ビジネスシーンでよく使う「お手数」を解説します。「お手数」に続く言葉や類語、英語表現などを例文で紹介。あらためて「お手数」の意味や使い方を確認したい人は、必読です。

目次

「お手数」の読み方

「お手数」の読み方

「お手数」の読み方は、いくつかあります。もっとも一般的な読み方は「おてすう」です。また、「おてかず」と読む場合もあります。ビジネスメールなどの「お手数をおかけします」は、「おてすう」または「おてかず」のどちらも正しい読み方です。よく使われるのは「おてすう」です。「お手数」は、「手数」に丁寧語の「お」をつけた、敬語表現です。「手数」と表記する場合は、「でず」とも読みます。「でず」は、「お手数」とは違う意味で使う言葉です。

「お手数」の意味とは

「お手数」の意味とは

「お手数」の意味は複数あり、「手数」の読み方によって違います。読み方ごとに解説します。

「てすう」と読む場合の意味

「てすう」と読む場合は、「他人のために、ことさらにかける手間のこと」の意味でよく使われます。また、「何かをするために要する作業、動作の数」の意味も表します。

「てかず」と読む場合の意味

「てかず」と読む場合も、基本的には「てすう」と同じく「他人のためにかける手間」や「必要な作業、動作の数」の意味です。加えて、「てかず」には「囲碁や将棋といった勝負を詰めていくのに要する駄目の数」あるいは、「ボクシングのパンチを出す回数」の意味もあります。「駄目」とは、「囲碁でどちらのものにもならない場所」です。これらの「てかず」は、「手数が多い」や「手数を読む」などと使います。

参照:Weblio辞書「手数」

「でず」と読む場合の意味

「でず」と読むと、「相撲技」の意味です。江戸時代の相撲技を解説した本に「手数(でず)」と記されています。

「手数」と「手間」の違いは?

「手数」と「手間」の違いは?

「お手数」の意味の1つが「他人のために、ことさらにかける手間」であるように、「手数」と「手間」は類語にあたります。違いは、「手数」は他人のためにおこなうことに対して使う点です。自分のために必要な面倒ごとには、「手数」を使いません。一方、「手間」は何かを自分のためにする場合も他人の場合にするためにも使えます。

「お手数」を使う場面

「お手数」を使う場面

ビジネスシーンなどでは、「お手数ですが」とワンクッション入れるために「お手数」をよく使います。どんな場面に「お手数」がふさわしいのか解説します。

依頼

「お手数ですが、ご確認ください」や「お手数ですが、メールのご返信をおねがいいたします」など、依頼の場面で「お手数」を使います。頼みたいことの前に「お手数ですが」などと前置きすると、柔らかい印象の依頼になります。「お手数」は、頼まれる相手の負担や事情を慮る役割です。

謝罪

「お手数をおかけして、申し訳ございませんでした」など、謝罪の場面で「お手数」を使います。たとえば、自分のミスで相手の仕事を増やしてしまった場合です。ただ謝るのではなく、「自分のために、余分な仕事をさせてしまった」申し訳なさを伝えられます。

「お手数」の使い方・言い回し

「お手数」の使い方・言い回し

「お手数」を使った言い回しについて解説します。ビジネスメールなどで「お手数」を使うときの参考にしてください。

「お手数ですが」

前置きする、ワンクッション入れるために使う言い回しが「お手数ですが」です。「お手数ですが」のあとには、相手にしてほしいことが続きます。たとえば「お手数ですが、資料をご一読ください」などです。「恐縮ですが」のニュアンスに近い言い回しです。「お手数」は「手数」の頭に丁寧語「お」がついた敬語表現なので、そのまま目上の方に使っても失礼にあたりません。「お手数ですが」は目上の方にも使える、「お手数」の簡潔でかんたんな言い回しです。

「お手数をおかけします」

「お手数をおかけします」は、「お手数ですが」より丁寧で柔らかいニュアンスにしたい場合に使います。ビジネスメールのやりとりでは、最後に「お手数をおかけしますが、お願いします」や「お手数をおかけして申し訳ありません」、あるいは「おてすうをおかけして恐縮です」などと締めくくります。ただ「よろしくお願いします」よりも丁寧で、相手への配慮が感じられる印象になります。

より丁寧な表現にするには

「お手数ですが」を「お手数ではございますが」とすると、より丁寧であらたまった表現になります。「お手数をおかけします」を「お手数をおかけいたします」としても同様です。も、よく使う言い回しです。さらに、「ご多忙の折、お手数をおかけいたしますが」と相手の都合を思いやる表現と組み合わせると、より柔らかいニュアンスを醸し出せます。

「お手数をかけさせる」は誤用

「お手数をおかけしますが」とはいいますが、「お手数をかけさせますが」とはいいません。「させる」は使役の表現なので、目上の方には不適当です。誤用なので注意が必要です。

「お手数」を使った例文

「お手数」を使った例文

「お手数」を使った例文を挙げます。

使い方・例文
  • お手数ではございますが、一度ご確認の上、折り返しご連絡ください。
  • お忙しいなか、お手数をおかけしました。おかげさまで助かりました。
  • もう一度、原稿を提出しなおします。再度、校正のお手数をおかけしてしまい、申し訳ありません。
  • お手数ですが、こちら2カ所に押印をお願いします。

「お手数」の類義語と言い換え表現

「お手数」の類義語と言い換え表現

「お手間」以外で「お手数」と言い換えられる表現、類語を紹介します。

「ご面倒」

「ご面倒(ごめんどう)」は、「お手数」と言い換えられます。「面倒」で、「手間がかかったり、かんたんに解決できなかったりする、わずらわしいこと」や「世話」の意味です。「お手数ですが」は「ご面倒ですが」、「お手数をおかけします」は「ご面倒をおかけします」にそれぞれ言い換えられます。依頼のワンクッションとして、謝罪の意を表すなど、用途も「お手数」と「ご面倒」は共通です。

「ご迷惑」

「ご迷惑(ごめいわく)」の「迷惑」は、「ある行為によって他の人が不利益をこうむったり、不快な気持ちになったりすること」または「どうしたらよいか迷って困る」という意味です。相手に余計な手間をかけて謝罪する場合は、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と「お手数」の代わりに使えます。

依頼の場合、「ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」や「ご迷惑をおかけします」といえますが、「ご迷惑ですが、ご確認ください」は不自然な言い回しになります。「ご迷惑」には「お手数」よりも厄介で面倒、ネガティブなニュアンスがあるため、後ろに続く言葉によっては面倒を押し付けるような印象になる点に要注意です。また、相手にかける面倒の種類も「ご面倒」は手間だけに限りません。損害を与えてしまった、失礼なふるまいをしてしまった場合も「ご迷惑」にあたります。したがって、「お手数」の言い換えになる場合とならない場合の見極めが大切です。

「ご足労」

「足労(そくろう)」は「足を疲れさせる、足を運ばせる」意味です。「ご足労(ごそくろう)」は「足労」に接頭語の「お(御)」をつけた敬語表現で、「相手を敬って、わざわざ出向いてもらったこと」を表します。「本日はご足労いただき、恐縮です」や「ご足労をおかけしました」などと使います。手間をかける意味は「お手数」と共通ですが、「ご足労」は手間の内容が「足を運ぶ」だけに限定されている点が異なります。「ご足労賜る(たまわる)」は、より丁寧な表現です。

「お手数」の英語表現

「お手数」の英語表現

「お手数」を表す英単語は「trouble(やっかいごと)」または「bother(悩ませる)」です。「お手数をお掛けして申し訳ありません」は、「I’m sorry to trouble you.」や「I’m sorry for bothering you.」と言います。また、「inconvenience(不便、不都合)」を使って「I’m sorry for your inconvenience」とも表現します。「お手数ですが」と依頼にワンクッション入れるための英語表現なら、「appreciate(感謝)」を使って「I appreciate your help.(お手数ですが、お願いします。)」です。英語には「お手数」そのものを表現する単語はありませんが、「I’m sorry 」や「I appreciate」と組み合わせて「お手数ですが」などのニュアンスを表現できます。

まとめ

「お手数」は「相手のために、ことさらに手間をかける」意味です。ビジネスシーンでは依頼や謝罪、ワンクッション入れて柔らかい印象を与えるために「お手数」がよく使われます。さまざまなパターンの言い回しを習得して、日々のコミュニケーションに活用したいですね。

「お手数」の意味や使い方は?読み方・類語・ビジネス例文を解説

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