「今日日」という表現は聞いたことはありますか?「今日日」は最近あまり聞かれない表現ですが、ふいに会話の中で出てきたときに意味を理解できていないと辛いです。今回は「今日日」の意味や使い方、由来、類語・英語表現についても紹介します。
「今日日」の意味とは?
「今日日」という言葉の意味について解説します。最近はあまり聞かれない表現になりましたが、その意味を知っておいて損はありません。日常的な会話の中でもたまに聞かれる表現であるため、その意味を正確に理解しておきましょう。
「今日この頃」
「今日日」という言葉は「今日この頃」という意味を表す言葉になります。この表現を用いる場合、昔の物事と現在を比べて懐かしむニュアンスが含まれています。やや古い印象を持つ言葉で、最近はあまり用いられていません。書き言葉よりも話し言葉として用いられることが多く、「今時」のような言葉で言い換えられます。
「今日日」は方言?
「今日日」という表現は、比較的関西方面で用いられることが多いことから、関西弁であるという考え方もあります。しかし関西の方で用いられている「きょうび」が果たして「今日日」と表記できるのかについて明らかになっていないため、正確なところはわからないのが現状です。
現在はほとんど使われていない?
「今日日」という表現は、日常生活においてあまり頻繁に使われることはありません。しかし昔は日常的に使われていた言葉だったことから、この言葉は死語であるという解釈もされています。ただ実際のところ、日常生活においてもたまに使われることはあり小説や川柳などにおいても使われていることから、まだ死語ではないと判断すべきでしょう。
「今日日」の読み方
「今日日」は「きょうび」と読みます。「日」という漢字が重複しているため珍しい言葉のようですが、畳語という言葉に分類されるれっきとした日本語です。畳語にかんしては後ほど解説します。
「今日日」の由来・語源
「今日日」という言葉の由来は正確には明らかにはなっていません。「日」という漢字を重ねていることから、「今日」すなわち「現在」を強調するために生まれた言葉であると考えられます。単に「今日」や「今」と表現するよりも「今日日」という表現の方が「いまここ」にスポットライトをあてられる表現になります。
「今日日」の類義語・言い替え
「今日日」の類語や言い替え表現について紹介します。ここで紹介するのは「目下」「近頃」「ここんとこ」の3つの言葉です。近い言葉の意味を知ることで、日本語の語彙力を増やすことにつながります。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
「目下」
「今日日」の類語表現として「目下」があります。この言葉は「もっか」と読み、目の前やすぐ近くという意味を表し、「只今」、「現在」というニュアンスを持つ言葉になります。「目下」という表現も現在に焦点を当てた表現の仕方になりますので、「今日日」の類義語であるといえます。また、「めした」と読む場合は若干意味が変わり、地位や年齢などが自分よりも下である人のことを表現する言葉です。同じ表記の仕方でも読み方によって意味合いが変わってくるので、言葉の使い分けには注意が必要です。
「近頃」
「近頃」とは、最近の事情やこの頃の世間の事情という意味を表す言葉になります。このことはもう「今日日」とニュアンスの近い言葉になり、過去と比較する際に現在を表現するときによく用いられます。例えば「近頃の若者は礼儀がなっていない。」というような使われ方をし、この言葉の裏には「昔の若者」との比較があります。このように過去と現在を比較して物事を話す際によく使われる表現になるので、使い方やニュアンスと共におぼえておきましょう。
「ここんとこ」
「ここんとこ」も「今日日」の類語になります。かなりカジュアルな表現になるため、仲のよい友人といったような間柄では使えますが、ビジネスシーンやフォーマルな場では使うことはできません。この言葉は「最近」という意味を持ち、非常によく使われる言葉になります。「ここ最近のところ」という表現を省略したもので、ビジネスシーンやフォーマルな場面でふと口にすることがないよう注意しましょう。
「今日日」は畳語
「今日日」は「畳語」という言葉に分類されます。あまり聞き覚えのない「畳語」ですが、日常生活においてよく使われている言葉も「畳語」に含まれています。どういった言葉が情報に含まれているのかについても、詳しく解説します。
畳語とは?
「畳語」は日本語における表現技法のひとつです。同じ単語や単語の一部を重ねて一つの言葉とした複合語のことを指します。役割としては、意味合いを強調したり複数形であることを示したり、動作の反復や継続を表現したりするときに用いられる言葉になります。「今日日」という言葉も「日」という表現か重ねられているため、畳語の1つだといえます。今日という言葉を畳語にすることで得られている効果として「意味合いの強調」があります。日本語にはこのような表現技法があることも覚えておくと教養の一つになりそうです。
代表的な畳語の例
その他の代表的な畳語の例としては「我々」や「泣き泣き」「知らず知らず」などがあげられます。思いの外、日常の中にも畳語表現が浸透していることがわかります。「我々」という表現は「我」という漢字を重ねたものであり、意味合いとしては「私たち」を表します。つまり「我々」は畳語表現にすることで、複数性を表現しています。また、「泣き泣き」は意味を強める効果を持ち「知らず知らず」は反復性を表現しています。このように一つ一つの言葉にもその構成にきちんとした意味合いがあるのは、日本語としては非常に面白いポイントになります。
「今日日」の敬語
「今日日」という言葉はビジネスシーンにおいても日常会話においてもあまり頻繁に使われる言葉ではなくなりました。しかし、相手に失礼な印象を与える言葉ではないため、ビジネスシーンにおいても使うことは問題ではありません。「今現在」という意味合いを強調したいときに「今日日」という表現を用いてみるのもよいでしょう。「今日日」という表現には敬語にするという概念がないため、そのまま用いて問題ありません。
「今日日」を英語でいうと?
「今日日」という言葉の英語表現はどのようなものがあるでしょうか?ここでは、 「today」と「nowadays」の2つの言葉について解説します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
「today」
「today」で「今日日」という意味を表す英語表現になります。「I arrived in Japan today.」で「今日日、日本に着きました。」という意味になり、today」は「今日」を意味する英単語です。
「nowadays」
「nowadays」も「今日日」の英語表現として適切です。「Things are tough nowadays.」 「今日日厳しい世の中だ。」という意味の英文になります。
「今日日」の使い方と例文集
「今日日」という言葉の使い方や例文について紹介します。あまり使わなくなった言葉といえども、完全に消失したわけではありません。それぞれの役割について、しっかり見ていきましょう。
「今日日」の使い方
「今日日」という言葉は今日という言葉の強調語であるといえます。そのため、今現在というニュアンスを強調したい時に用いられます。現代においてはあまり頻繁に使われる言葉ではありませんが、比較的に意味は浸透している言葉になるのでタイミングを押さえていれば積極的に用いても問題ないでしょう。
「今日日」を使用するときの注意点
「今日日」という言葉は、話し言葉でよく用いられることからわかるように比較的フランクな言葉になります。そのためビジネスシーンで使う際は、プレゼンのときやフォーマルな場で使うのは控えておいて、日常会話において使う程度にとどめておくとよいでしょう。
「今日日」の例文
「今日日」という言葉を用いた例文を紹介します。
- 今日日、ブラウン管テレビは淘汰されてしまった。
- 今日日スマートフォンを持っていない人なんてほとんどいない。
まとめ
「今日日」は「今日この頃」という意味を持つ言葉です。最近あまり用いられなくなった言葉ではありますが、日常的な会話の中でふと出てくることがあるので知っておいて損はありません。「今日日」は畳語に分類され、他の畳語には「我々」や「知らず知らず」などがあることもおさえておきましょう。