「於いて」の意味や使い方とは?「置いて」との違い、読み方・例文も解説

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    「於いて」は、ビジネス文書などでもよく使われる言葉です。少しかしこまって伝えたいときに使う「於いて」という言葉には、さまざまな意味がありますが、ご存じでしょうか?今回は「於いて」の正しい意味や使い方、語源などについても見ていきます。

    目次

    「於いて」の読み方

    「於いて」の読み方

    「於いて」の読み方は「おいて」です。「於」の字は「お」や「よ」と読みますが、「於て」と書いて「おいて」と読むこともできます。

    また「於」と漢字一文字の場合は、後に続く言葉を補足する記号として使われているため、読む必要はありません。たとえば「於 〇〇ホテル」で、「〇〇ホテルで行う」という意味を表しています。

    「於いて」の意味とは?

    「於いて」の意味とは?

    「於いて」は、前に来る言葉によって複数の意味を持ちます。前の言葉を補足する形で少しずつ意味が変わりますので、見ていきましょう。

    意味1,「場所」を表す意味

    「於いて」には、場所を表す意味があります。「体育館に於いて」など、具体的な場所の後につけて「~(の場所)で」や「~にて」の意味を表します。「第一会議室に於いて取締役会議を行います。」という文章の場合は「第一会議室で取締役会議を行います。」という意味です。

    場所を表す「於いて」は、招待状や冠婚葬祭など、かしこまった場面で使用されることが多い表現です。

    意味2,「時間」を表す意味

    「於いて」は、時間を表し、「~のときに」や「~の時点で」の意味があります。「過去に於いてこのような事例がありました。」という文章の場合は、「過去のときにこのような事例がありました。」という意味です。「〇月〇日に於いて実施していることが条件です。」のように使用します。

    意味3,「人物」との関連を表す意味

    「於いて」には、人物との関連を表す意味があります。ビジネスシーンでよく目にする「貴社に於かれましては~」はこの意味で使用しており、「~に関して」や「~について」という意味です。

    「他人にとっては大したことではないが、彼に於いては大変な苦痛を伴う行為だった。」のように使用します。

    意味4,「事柄」との関連を表す意味

    「於いて」には、事柄との関連を表す意味があります。「~に関して」や「~について」の意味を表し、「業務の処理能力に於いてほかの人とは比べものにならないほど高い。」のように使用します。

    意味5,「仮定条件」を表す意味

    後ろに「は」を伴った「於いては」の形で、仮定条件を表します。「~の場合には」という意味の表現です。

    「雨天時においては、さらに気温が下がることが予想されるだろう。」と言った場合には、「雨天時の場合には、さらに気温が下がることが予想されるだろう。」の意味を表します。

    「於いて」の語源・由来

    「於いて」の語源・由来

    平安時代以降に漢文の「於」を「おきて」と訓読したことが、現在の「於いて」の語源だといわれています。

    もともと「おきて」は、「置く」に助詞の「て」が付いた「置きて」からきています。この「おきて」が、発音しやすいように「おいて」に音変化し、「於いて」と書いて「おいて」と読むようになりました。

    「於いて」の敬語表現

    「於いて」の敬語表現

    敬語で「於いて」を使用したい場合は、どのように表現したらよいのでしょうか?「於いて」はフランクな会話で使用する言葉ではなく、フォーマルな場でのスピーチや、ビジネス文書で使われることが多い言葉です。「於いて」の敬語表現を理解し、ビジネスシーンで使いこなせるように覚えておきましょう。

    「於いて」は敬語?

    「於いて」は、敬語表現ではありません。「於いて」は、口語で使用することはあまりなく、かしこまった文章で使われる表現です。敬語で使用する機会が多い言葉ですので、必要に応じて敬語表現に変換して使用しましょう。

    「於いて」を敬語にすると?

    「於いて」は「於く」に助詞の「て」が付いた言葉です。「於く」を丁寧語にすると「於きます」、尊敬語にすると「於かれます」となります。これに助詞の「て」を付けたものが丁寧語の「於きまして」、尊敬語の「於かれまして」です。

    「於かれましては」は尊敬語ですので、「お客様に於かれましては~」のように敬意の相手を前において使用し、自分には使えません。一方で「於きましては」は丁寧語のため、「当社の製品に於きましては~」のように、自分や自社にも使用できます。

    「於いて」の使い方と例文

    「於いて」の使い方と例文

    「於いて」の使い方や注意点を説明します。例文も紹介しますので、「於いて」をスピーチやビジネス文書などで使いこなす際の参考にしてくださいね。

    「於いて」の使い方と注意点

    「於いて」を使うときに、「置いて」や「於て」と書かれているのを見ることがありますが、間違いなのでしょうか?正しい書き方や間違っている理由もあわせて説明します。間違えて恥ずかしい思いをしないように、注意が必要な点を覚えておくとよいでしょう。

    「置いて」と書くのはNG

    「於いて」の読みは「置いて」が音変化したものからきていると説明しましたが、「置いて」と表記するのは間違いです。「置いて」に「於いて」と同じ意味はありません。間違えて「置いて」と表記しているケースを見かけることがありますが、漢字の意味で使い分けができるように覚えておきましょう。

    「於」は常用漢字ではない

    「於」の文字は常用漢字ではありません。常用漢字とは、一般の社会生活で使用する漢字の目安として示されているものです。公用文は誤解を予防する観点から常用漢字の使用が定められています。公用文以外の文書では使用しても問題はありませんので、日常生活で神経質になる必要はありません。

    しかし、ビジネス文書はわかりやすく、誤解がないような表現を求められるため、公用文の表記を参考に書かれることも多いです。そのため、ビジネスシーンで使用する際は「おいて」とひらがなで表記するとよいでしょう。

    「於いて」と「於て」はどちらが正しい?

    「於いて」の送り仮名については明確な決まりがないため、「於いて」も「於て」もどちらも間違いではありません。パソコンなどで入力すると「於いて」と「於て」の両方の変換が出てきますし、辞書によっては両方表記されている場合もあります。

    文化庁が発表している「送り仮名の付け方」を参考に、少し詳しく解説します。

    「送り仮名の付け方」によると、「活用語尾以外の部分に他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る」とあります。「於いて」はもともと「置く」からきているため、「置いて」と同じように送り仮名を「於いて」とするのが正しいと考えられます。

    しかし、同じく「送り仮名の付け方」には、「読み間違える恐れのない場合は、活用語尾以外の部分について送り仮名を省くことができる」ともあるため、「於て」の表記も間違いではありません。

    そのため、「於いて」と「於て」、どちらの表記も間違いとはいえないのです。もし、どちらを表記するか迷った場合は、ひらがなで「おいて」と書いてもよいでしょう。

    「於いて」の例文

    「於いて」を使った例文を紹介します。

    ・〇〇ホテルに於いて創業50周年の記念祝賀会を開催いたします。
    ・今月に於ける彼の営業成績は、過去に例を見ないほど素晴らしいものでした。
    ・新人の彼に於いては大変難しい業務だったに違いない。
    ・この機械は安全性に於いて、旧式のものに比べ劣ることがわかっている。
    ・災害などの非常時に於いては、落ち着いて行動することが大切だ。

    まとめ

    「於いて」は、前に来る文章により複数の意味を持ち、場所や時間、人物や事柄との関連、仮定条件などを表す言葉です。敬語で使用したい場合には、丁寧語の「於きましては」や、尊敬語の「於かれましては」を使用しましょう。「於いて」は、「於て」と書くこともできます。しかし「置いて」と書くのは、意味が異なるため間違いです。

    また、「於」の文字は常用漢字ではありません。漢字で「於いて」と書いても間違いではありませんが、ビジネス文書で表記する場合は「おいて」とひらがなで表記するとよいでしょう。

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