よく映画などのエンドロールやゲームなどに「スペシャルサンクス」という言葉が出てきます。主に、制作に関わってくれた人への感謝を表す時に使われている言葉ですが、ここでは「スペシャルサンクス」の意味や正しい使い方、英語表記について解説します。
「スペシャルサンクス」の意味とは?
「スペシャルサンクス」は、「特別な感謝」の意味であり、「心からの感謝」を伝える言葉として使用されます。特に、映画などの映像作品やCDなどの販売物において、感謝したい相手の名前を記載する際に使われています。
感謝を伝えたい相手になら誰にでも使えますが、どちらかといえば、作品制作の中心で仕事をしていた人ではなく、手伝いや協力をしてくれた人や応援してくれる人、お世話になっている人などに対して使われることが多いようです。
例文
「スペシャルサンクス」を用いた例文を挙げてみます。
- 知り合いが制作した映像作品に私物を提供したら、スペシャルサンクスとしてクレジットに入れてくれた。
- 映画のエンドロールで、近所のカフェの名前がスペシャルサンクスとして出てきた。
- スペシャルサンクスとして私の名前がパンフレットに載っていた。
- この作品の監督が、スペシャルサンクスとして○○監督の名前を挙げていた。
「スペシャルサンクス」の由来・語源
「スペシャルサンクス」は、英語の「Special thanks to ~」が由来になります。「Special thanks to ~」は「~に殊に感謝します」と訳されますが、これを簡略化したものがクレジットの1項目となり、「スペシャルサンクス」として使われるようになりました。
「スペシャルサンクス」の類義語・言い換え表現
「スペシャルサンクス」は、「心から感謝します」を意味する「Special Thanks to you」のように、丁寧な言い回しで感謝の気持ちを伝えるときに使いますが、この言葉単体を日常会話で使うことはあまりありません。
よって、「スペシャルサンクス」と同じ意味を持つ類義語はありませんが、近い表現での言い換えの言葉として、「○○さんに捧げる」があります。この言葉には、「慎みの心をもって、目上の人などに物をさし出す」意味があり、お世話になった人や作品にインスピレーションを与えてくれた人などへの慎みの気持ちを表すときに使われます。
「スペシャルサンクス」の使い方・例文
それでは、「スペシャルサンクス」はどのように使われるのでしょうか。「スペシャルサンクス」の使い方や例文などを紹介します。
映画での使い方
「スペシャルサンクス」の映画での使い方としては、主に3種類があります。映画の製作に携わった人や協力してくれた場所、そして作品に関わるきっかけに対して感謝の気持ちを伝える使い方を解説します。
協力者やスタッフ
映画を製作する際、協力してくれた人や応援してくれた人などに対して感謝の気持ちを表すために使います。作品の協力者や応援者、キャスティングを手伝ってくれたスタッフなどの名前を、作品製作の中心スタッフとは別に、「スペシャルサンクス:○○さん」のような形でクレジットに表記するのが一般的です。
協力してくれた場所や店
「スペシャルサンクス」は、映画制作に協力をしてくれた相手であれば、人だけでなくお店や場所などにも使われます。撮影場所として提供してくれたカフェや施設、撮影場所を提供してくれた商店街などに対して「スペシャルサンクス:○○店」のように表記します。
感謝している人
監督や総制作者などが自分の尊敬する人や影響を受けた人の名前を「スペシャルサンクス:○○監督」などとしてクレジット表記する場合もあります。直接、映画には関わっていない人の名前になりますが、この人が影響を与えてくれたからこの作品が生まれた、感謝の気持ちを表しているのです。
音楽CDでの使い方
音楽CDのジャケットやライナーノーツでクレジットされている「スペシャルサンクス」は、音楽制作に携わったスタッフや手伝ってくれた人に対して使われることが多いようです。また、映画の場合と同じように、ジャケット写真に使われたお店や場所に対しても使われます。
マンガでの使い方
マンガでの「スペシャルサンクス」は、スタッフや取材協力者などに対して使うことが多いです。特に専門的なテーマのマンガでは取材が必須なため、取材に協力してくれた人や施設などに対して感謝の意を込めてよく使われています。さらに、いつもお世話になっている担当編集者やアシスタント、読者に向けても使われます。
ファンへの使い方
映画、音楽CD、マンガそれぞれにおいて、日ごろから長い間応援してくれているファンに対して、感謝の気持ちと応援の継続願いの意味が込められた使い方をします。「スペシャルサンクス:いつも応援してくれるファンの皆さん」のようにクレジットされている場合が多いでしょう。
バンド名として
「スペシャルサンクス」には、「感謝」や「ありがとう」の意味があるので、その意味での「スペシャルサンクス」をバンド名として使っているバンドもあります。
2005年に結成された愛知県出身のポップ・パンク・バンド「SpecialThanks(スペシャルサンクス)」は、「スペサン」の愛称で知られる人気バンドです。「SpecialThanks」は、パワフルかつ可憐な女性ボーカルのMisakiを中心とした4人組バンドで、メロディックパンクやギターロックをサウンドの軸としており、昨今のライブシーンを大きく賑わせています。
歌詞やタイトルとして
「スペシャルサンクス」は、歌詞やタイトルとしてもよく使われています。下記に代表的な作品を挙げてみます。
- 沖縄県出身の人気ロックバンド「MONGOL800」が2008年にリリースしたシングル「special thanks!!」
- 函館出身の人気ロックバンド「GLAY」が2000年にリリースしたシングル「SPECIAL THANKS」
- 沖縄出身の人気バンド「オレンジレンジ」が2004年にリリースしたアルバム「musiQ」の中の収録曲「SP Thanx」
このように、表記は異なりますが、タイトルが「スペシャルサンクス」の楽曲があります。また、多くの楽曲の中で「スペシャルサンクス」として「みんなに向けた特別な感謝」が表現されています。
「スペシャルサンクス」の書き方
それでは、「スペシャルサンクス」はどのように書いたらよいのでしょうか?ここでは、「スペシャルサンクス」の正しい書き方を紹介します。
エンドロールやクレジットでの表記
「スペシャルサンクス」は、最後まで楽しんでくれたことに対しての感謝の意味も込められています。エンドロールやスタッフロール、あとがきなどのクレジットで、コンテンツのラストに「スペシャルサンクス:○○」のように名前とともに表記されることが一般的です。
たとえば、エンドロールで「スペシャルサンクス:○○さん」「スペシャルサンクス:○○町商店街」などと表記して感謝の気持ちをアピールします。基本的に、「スペシャルサンクス」を表記するのは主なスタッフの名前の後になります。
英語での表記
英語で「スペシャルサンクス」を表記する場合は、「Special thanks to ○○」のように表記します。「to」の後ろに感謝する相手の名前を入れて謝意を表す形になるので、たいへん使いやすいのではないでしょうか。
また、「My special thanks are due to Professor Higgins」(ヒギンズ教授に対して特に謝意を表します)のように「My」をつけて自分の感謝を強調するような使い方もしますので、覚えておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はスペシャルサンクスについて解説しました。
「スペシャルサンクス」は、特別な感謝を意味する言葉です。映画やドラマ、音楽CDや本、ゲームに至るまでさまざまな作品やイベントなどにおいて感謝したい人の名前を記載するときに、名前の前につけます。主に、協力してくれた人や応援してくれた人に対して使うことが多いですが、制作者が作品を作る上で影響を受けた人物などにも使います。
また、人に限らず、感謝したい相手なら店や場所などに対しても使えるので便利ですが、制作における微妙な立場などにも気をつけながら使うようにするとよいでしょう。
最後に「スペシャルサンクス」のまとめです。
- 「スペシャルサンクス」の意味は「心からの感謝」を伝える言葉として使用されます。
- 「スペシャルサンクス」は、英語の「Special thanks to ~」が由来になります。
- 「スペシャルサンクス」と同じ意味を持つ類義語はありませんが、近い表現での言い換えの言葉として、「○○さんに捧げる」があります。
- 書き方は、コンテンツのラストに「スペシャルサンクス:○○」のように名前とともに表記されることが一般的です。
- 英語で「スペシャルサンクス」を表記する場合は、「Special thanks to ○○」のように表記します。