「お伺いいたします」は正しい敬語?意味や使い方、類語・英語も紹介

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    「ご注文をお伺いいたします」「明日お伺いいたします」など、「お伺いいたします」を使う場面は多くありますが、果たして正しい敬語なのか、悩むことはありませんか?自信をもって話せるように、類似した表現や類語での言い換えなど例文を挙げて解説します。

    目次

    「お伺いいたします」の意味とは?

    「お伺いいたします」の意味とは?

    「お伺いいたします」と言うのはどんなときでしょうか?たずねるという意味なのですが、この言葉には漢字が2種類あり、「お伺いいたします」もそのそれぞれの意味をもちます。

    意味1 行く、訪問する

    一つ目は「訪ねる」という意味です。どこかに出かけること、相手方を訪問することを表します。

    意味2 聞く、尋ねる

    二つ目は「尋ねる」という意味です。相手に質問をすること、相手の意向を聞くことを表します。

    「お伺いいたします」は正しい敬語?

    「お伺いいたします」は正しい敬語?

    「お伺いいたします」という言葉は何となく違和感があります。「お、が付いているうえに、いたしますと結ぶのは何となくやりすぎな感じがする」という人は少なくないのではないでしょうか?結論から言えば「お伺いいたします」は、目上の方などに使っても問題はありません。その理由を説明します。

    「伺います」が正しい敬語

    「伺う」は訪ねる、尋ねるという意味の謙譲語です。つまり言葉一つで敬語表現となります。一般に敬語は丁寧表現で用いられますので、「伺います」が正しい敬語表現となります。つまり「明日5時に伺います」と言えば十分に敬語として成り立っています。「お伺いします」や「お伺いいたします」は、これに「お~いたします」と付いているので二重敬語です。一般的に二重敬語は誤用とされますが、2007(平成19)年2月の文化審議会答申「敬語の指針」の中で、「お伺いいたす」は、「お伺い申し上げる」などとともに、習慣化している二重敬語の例として挙げられており、許容範囲とされています。「伺います」で十分失礼ではないことになりますが、これはこれでそっけない印象ですので、「喜んで伺います」のように副詞を添える使い方もおすすめです。

    「お伺いさせていただきます」はNG

    「お伺いさせていただきます」も「伺う」に「お~いただく」が付いた二重敬語です。さらに「させて」という相手の許諾に基づくという意味の補助動詞も付いていていかにもくどい印象です。この表現は許容範囲にも含まれておらず、ビジネスシーンではくどすぎる表現として避けるべきです。「~させていただく」は相手を立てる印象から乱用されがちですが、使いどころを間違うと悪印象を与えることになりかねないので注意が必要です。

    「お伺いいたします」の類義語・言い換え

    「お伺いいたします」の類義語・言い換え

    「お伺いいたします」はそもそもの意味が大きく2つあるうえ、使う状況に応じてニュアンスも変化する言葉です。したがって類義語も多岐にわたり、状況に応じた使い分けが必要になります。逆に言えば、それらすべてを「お伺いいたします」で済ませられることは、この言葉の便利さを示していますね。

    「参ります」

    ・わたしが取引先までご挨拶に参ります。
    「行く」という意味で使う謙譲表現です。「お伺いいたします」とほぼ同義で使えますが、使う状況に違いがあります。「お伺いいたします」は訪問する相手に対して使う表現ですが、「参ります」は話題になっている訪問先に対する敬意を一般的に示すもので、必ずしも訪問相手に用いるとは限らないという点です。

    「お訪ねします」

    ・近くまで来ているので今からお訪ねします。
    訪問するという意味の訪ねるを「お」を付けることで謙譲表現にしています。「伺う」という謙譲語を用いていないので、ややフレンドリーな表現になります。親交の深い気を遣わないですむ相手などに使えます。

    「お邪魔します」

    ・月末のお忙しい中ですが、お邪魔してもよろしいでしょうか?
    お邪魔する、は相手を訪問するという意味の謙譲表現です。邪魔という迷惑をイメージする言葉を使うことで、申し訳ないという気持ちを込められます。本来訪問をはばかられるような状況で使用することで、対応をお願いしたいという姿勢を示せます。

    「参上します」

    ・こちらからは部長が参上する予定です。
    「参上する」は「伺う」と同じく、「行く、訪問する」という意味の謙譲語です。謙譲の度合いが「伺う」よりも強いので、よりかしこまった相手に対して使用できます。「参上」という言葉自体が謙譲語とは言えず、例えば「こちらから部長参上の予定です」など名詞とあわせて使うと、ふざけた表現となってしまうので気を付けましょう。

    「お尋ねします」

    ・御社のご要望をお尋ねしておきたいのですが?
    「質問する」という意味で使われる謙譲表現です。「お伺いいたします」が厳密には二重敬語であるので、それを避ける意味では使いやすい表現です。

    「お聞きします」

    ・事故の経緯についてお聞きします。
    聞くことを謙譲表現にした言い方です。一般的に話を聞く場合に用いられます。文書などでの書き言葉で使用することは少なく、日常会話の中でよく用いられる表現です。

    「拝聴します」

    ・外部の専門家の意見を拝聴したいと思います。
    拝聴、は文字通り拝んで聴くことです。拝むようにありがたく話を聞くという感謝の念を込めた謙譲表現です。目上の方の話を聞いたり、あえて意見を求めたりする場合に用います。

    「承ります」

    ・ご注文を承ります。
    承る、は聞くという意味の謙譲語で、その意味では「伺う」と同じ種類の言葉です。大きく違うのは、この言葉には「承認する」というニュアンスが含まれることです。「ご意見を承ります」と言えば、「お伺いいたします」と言うよりは、その意見を受け入れるという姿勢を示すことになります。重要な商談の際などには意識的に使い分ける必要があります。

    「お伺いいたします」を英語でいうと?

    「お伺いいたします」を英語でいうと?

    グローバル化の進む今日、外国の方を訪ねることは少なくないでしょう。会話の中で疑問を尋ねたいこともあると思います。英語でも「伺います」と言えるようにしておくとよいかもしれませんね。

    I will ask you

    ・I will ask you about your presentation.(プレゼンテーションのことでお伺いいたします)
    質問があるときの表現になります。I will ~という表現で、要望を伝える形になっていますので、丁寧な言い方になります。

    I’ll gradly go

    ・I’ll gradly go to your office.(喜んで事務所にお伺いいたします)
    訪問する旨を伝えるときの表現です。I will go ~だけでも訪問の意図は伝えられますが、gradlyを加えることでより丁寧な表現となります。このほかI shall call ~という表現もよく用いられます。

    「お伺いいたします」の使い方と例文集

    「お伺いいたします」の使い方と例文集

    「お伺いいたします」は2つの意味を持っていますので、文脈に応じてその意味をとらえることになります。もしも誤解を与えそうな場合には、お聞きします、参ります、のような意味が明確になる表現に言い換えます。例文も、その点を踏まえて利用してください。

    訪問の約束をする

    ・明日10時にお伺いいたします。
    ・来週月曜日に課長とともにお伺いいたします。
    相手方を訪ねる際に、時刻などを明確にするために「お伺いいたします」を用います。

    訪問の可否を問う

    ・御社にお伺いしてもよろしいでしょうか?
    ・今からお伺いしてもよろしいでしょうか?
    相手方を訪問しても差し支えないかを尋ねる表現です。2つ目の例文は「今から質問してもいいですか?」の意味にも取れます。このように誤解が起きそうな場合は、参上してもよろしいでしょうか、のように言い換える方が適切です。

    了解していることを伝える

    ・御社の部長〇〇様からお話を伺っております。
    ・お客様からお話は伺っています。
    事前に事情は聞いているという場合に用いる表現です。自分の身内から聞いた話の場合は「伺う」という謙譲語は用いずに、「聞いています」のように言い換えます。また了承しているという意味を強めたい場合は、「承っております」と言い換えると、ニュアンスが伝わりやすくなります。

    まとめ

    「お伺いいたします」は二重敬語として使わない方がよいという考え方もあります。一方で、相手への敬意をしっかりと示すためにあえて使用した方がよいという考え方もあります。大切なのは、訪問させていただく、お話を聞かせていただくという意思を的確に伝えることにあります。表現の正しさにとらわれすぎることなく、正しく意思を伝えることに重きを置いて真摯な態度で相手に臨むことが肝要ですね。

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