接客で使う「よろしかったでしょうか」は間違い?正しい敬語や言い方は?

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    ファミリーレストランや居酒屋などの店員が注文時確認でよく使っている言葉「よろしかったでしょうか」に、違和感をもつ人は多くいます。俗に「バイト敬語」と呼ばれますが、「よろしかったでしょうか?」を使うのは間違いなのでしょうか?

    目次

    「よろしかったでしょうか」に違和感

    「よろしかったでしょうか」に違和感

    お店の接客で「よろしかったでしょうか」と聞かれて、違和感を覚えたことはありませんか

    「バイト敬語」と呼ばれる「よろしかったでしょうか」

    ファミリーレストランや居酒屋などで注文をした時、確認のための復唱の最後に「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」と聞かれた経験ありませんか?

    他にも、商品購入時に目の前で見せて「こちらでよろしかったでしょうか」と確認をお願いされる場面もよくあると思います。

    ビジネスで携帯電話を使っていると、「◯◯様の携帯でよろしかったでしょうか?」と聞かれたり、もしかするとつい使ってはいませんか?

    本来使うべき「よろしいでしょうか」という言葉があるのに、「よろしい」が過去形の「よろしかった」になるから、この言葉に違和感を覚えるという方は多いようです。

    「よろしいでしょうか」は、ファミリーレストランや居酒屋、コンビニエンスストアなど、フランチャイズの店員がよく使っていたため、俗に「バイト敬語」と呼ばれる言葉の一つです

    気になる「バイト敬語」は他にも

    「よろしかったでしょうか」以外にも、違和感を覚える・気になる「バイト敬語」はいくつか挙げられます。

    会計時にお札を受け取った際の「~円からお預かりします」であったり、商品を提供する際の「こちら~になります」や「~のほうをお持ちしました」といった表現です。

    接客用語としてマニュアル化している企業もあったことから、これらは「マニュアル敬語」とも呼ばれます

    企業も正しい言葉遣いを指導へ

    「バイト敬語」に対して違和感を覚えるという顧客の声を受け、企業側も対応して適切な言葉遣いの指導に乗り出しています。

    「接客係の言葉が聞き苦しい」というクレームが相次いだファミリーレストランチェーン・ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスでは、2003年に5種類の「バイト敬語」を正すように「正しい言葉遣い5項目」をポスターを作って指導しています

    同様に牛丼チェーンやコンビニエンスストアチェーンでも、「バイト敬語」を使わないよう指導をする動きがありました。

    「よろしかったでしょうか」の正しい敬語表現

    「よろしかったでしょうか」の正しい敬語表現

    「よろしかったでしょうか」を気にならないように言うには、どのような言葉にすればいいのでしょうか

    「よろしかったでしょうか」は何と言えば違和感がない?

    では、「よろしかったでしょうか」を何と言えば、違和感がなくなるのでしょうか?

    その答えは、「よろしいでしょうか」になります。「よろしいですか」でも意味は同じですが、目上の方に使う場合は威圧的な印象を持たれるので注意が必要です

    さらに丁寧に表現する場合は、「よろしゅうございますか」となります。

    確認の「よろしいでしょうか」に対する返答・返信は、「問題ございません」でOKです。「ご連絡いただいた通りで問題ございません」のようにすると、さらに丁寧な表現になります。

    「よろしいでしょうか」を他の言葉で言い換えるなら

    事柄の確認の意味での「~でよろしいでしょうか」を言い換えるなら、次のような言い回しになります。

    ・~でお間違いないでしょうか
    ・~で問題ごさいませんでしょうか

    また相手に許可を得る意味での「~してもよろしいでしょうか」を言い換える場合は、次のような言い回しがあります。

    ・~しても差し支えございませんか
    ・~しても構いませんでしょうか

    「よろしいでしょうか」が使いにくいと感じる場合は、これらに言い換えてみてはいかがでしょうか

    「よろしいでしょうか」を英語で言うと

    「よろしいでしょうか」を英語で言うと

    相手に確認する「よろしいでしょうか」を英語ではどう言えばいいのでしょうか

    「ご注文は以上でよろしいでしょうか」を英語で言うと

    「よろしかったでしょうか(よろしいでしょうか)」はレストランや販売店での注文確認時によく使われている言葉です。

    英語で「ご注文は以上でよろしいでしょうか」と確認するためによく使われるフレーズは「Will that be all?」で、カジュアルに言う場合は「Is that all?」です

    直訳すると「これで全部ですか?」になり、「これだけでいいですか?」と訳されることもあります。

    注文がそれで合っていた場合の返答は、単に「Yes」とだけ答えてもいいですし、「That will be all.」と答えてもOKです。

    事柄を確認する「よろしいでしょうか」を英語で言うと

    目の前の事柄に対して、これでよいでしょうか・大丈夫でしょうか・問題ありませんでしょうか、という確認するための「よろしいでしょうか」を英語で言うと、「Is this all right?」になります

    より丁寧な表現にしたい場合は、「with you」を付けて「Is this all right with you?」にするといいでしょう。

    同様のフレーズに「Is that be OK with you?」や、それをより丁寧にした「Would that be OK with you?」もあります。

    「よろしかったでしょうか」はいつ頃から広まった?

    「よろしかったでしょうか」はいつ頃から広まった?

    「よろしかったでしょうか」は1990年代には広まっていて、新聞の投書には批判的な意見が寄せられていました

    1990年代には広まっていた「よろしかったでしょうか」

    「よろしかったでしょうか」や「~円からお預かりします」などの表現を批判する投書は、1990年代から見られています。

    その後も新聞への投書やコラムでの批判は続き、現在でも論争は続いています。

    「バイト敬語」が広まった要因には、レストランチェーンやコンビニエンスストアチェーンなど、フランチャイズ店で学生などの若者を多く使うようになったことが挙げられます

    ただし、学生を対象にした調査によると、職場でマニュアルや研修指導で「バイト敬語」を教えていた事例は少なく、ほとんどの学生は、バイト仲間やバイトの先輩の言葉を真似たり、普段から客の立場で聞き慣れているから「バイト敬語」使ったという結果が出ています。

    また「よろしかったでしょうか」は、北海道ではよく使われている方言の一つで、使いやすさと言いやすさから広まっていったとの説もあります。

    文化庁も1990年代から調査

    文化庁が平成7年度から毎年行っている「国語に関する世論調査」では、平成8年度(1996年度)に「千円からお預かりします」「お会計のほう、1万円になります」などの言い回しが気になるのかを調査しています

    平成8年度の調査では、「千円からお預かりします」「お会計のほう、1万円になります」のどちらも「気にならない」が「気になる」を上回る結果でした。

    しかし平成14年度(2002年度)に行った同じ調査では、どちらも「気になる」が「気にならない」を逆転、平成25年度(2013年度)の調査では「気になる」と答えた人の割合がさらに増えています。

    また平成14年度の調査結果を年代別で見ると、30代以下は「気にならない」が多く、逆に40代以上は「気になる」が多いという結果になっていました。

    「よろしかったでしょうか」は間違い?

    「よろしかったでしょうか」は間違い?

    中高年以上を中心に「よろしかったでしょうか」が気になる人が多いのは事実ですが、これは日本語として間違った言葉なのでしょうか

    相手の判断を確認するなら「よろしいでしょうか」

    「よろしかったでしょうか」に違和感を覚える原因は、今した注文に対して確認のためなのに、「よろしい」の過去形「よろしかった」を使って聞かれるためです。

    現在目の前で起きている現在進行系の事柄を確認をするなら、「よろしい」をそのまま使って「よろしいでしょうか」を使うのが適切です

    過去の事柄を確認する場合なら間違いではない

    ただし、「よろしかったでしょうか」は文法的に間違っているわけではありません

    過去の事柄を確認する場合なら「よろしい」の過去形「よろしかった」を使って聞いてもおかしくありません。

    例えば「先週お届けした報告書、内容はよろしかったでしょうか」と確認を取る場合などでは適切な使い方です。

    「よろしかったでしょうか」は間違いではない?

    「よろしかったでしょうか」は間違いではない?

    「バイト敬語」は賛否両論あり、日本語の専門家の中には肯定的な意見をする人もいます

    「よろしかったでしょうか」は間違いではない?

    「よろしかったでしょうか」は、「聞き手への気配りにから生まれた表現」で、間違ってはいないとする日本語の専門家もいます。

    「よろしいでしょうか」だと相手が間違えていないかを確認する意味になりますが、「よろしかったでしょうか」は、自分が承った内容が間違えていないかを確認する意味になり、相手への配慮を示しています。

    つまり「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」は、「承ったご注文を私はこのように聞き取りましたが、よろしかったでしょうか」という、自分側の事柄を確認する表現になっているのです。

    同様に、「◯円から~」や「~のほう」などのバイト敬語も間違いではないという意見があります。

    ただし、「~のほう」などは漠然とした表現であるため明瞭さに欠け、聞いた側に不快感が生じるのも事実であり、これらを推奨しているわけではありません。

    文化庁の見解は

    「バイト敬語」を始めとして、若者を中心に近年よく聞かれる言葉の調査を行っている文化庁では、「正解は一つとは限らない」として間違い・誤用と決めつけてはいません。

    また、文化庁の文化審議会国語分科会が出した報告では、ある言い方や考え方が「適切である」ことは、それ以外が全て「不適切である」という意味ではなく、伝統や標準のみを正しいと思わない寛容さが求められる、としています。

    まとめ

    「よろしかったでしょうか」を始めとする「バイト敬語」は、はっきり日本語として間違い・誤用と言い切れるものではありません。

    しかし、違和感を覚える・気になると感じている人が多いのも事実であるため、より適切な表現の「よろしいでしょうか」や、他の言葉を使った方がベターです。

    他の「バイト敬語」も同様に、特に接客業ではお客様に不快感を与えないように気をつけ、より適切な敬語を使うように心がけてくださいね

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