「お大事にしてください」を正しく使えていますか?多くの人が間違ったまま使い続け、周りから悪い印象を持たれてしまうこともしばしば。ここではそんな「お大事にしてください」について、意味や英語表現・正しい返事もあわせて徹底的に解説します。
「お大事にしてください」の意味とは?
「お大事にしてください」の正しい意味を知っていますか?改めて聞かれると、多くの人が答えられないでしょう。ここでは「お大事にしてください」を分解して、しっかりと意味を分析していきます。正しい意味を知っているかどうかで、社会人としてのレベルは格段に変わりますよ。
「大事」の意味
「大事」には「大変なこと」「おおごと」「重大な事柄」という意味があります。
「お大事にしてください」の意味
「お大事にしてください」は「早く良くなりますように」などという意味です。「これ以上、大事になりませんように」という願いが込められています。
「お大事にしてください」の使い方
「お大事にしてください」はどんな場面に使う言葉なのでしょうか?意味を知っていたとしても、正しい場面で、正しく使えなければ意味がありません。間違って使ってしまうことによって、相手に不快な思いをさせてしまう可能性も。しっかりと使い方をマスターしておきましょう。
「お大事にしてください」の使い方
「相手の体をいたわる」意味が込められているので、見舞いに行ったときや、見舞いのメールなどでよく使います。また、相手の家族が体調を崩しているときにも使えます。「最近奥さんが体調が悪くて…」という話を聞いたら、「お大事にしてください」と伝えましょう。あなたの優しさや慈悲深さがしっかりと伝わるはずです。
「お大事にしてください」をメールで伝えるとき
「お大事にしてください」とメールや手紙などで伝えるときには「ご自愛ください」を使うようにしましょう。「ご自愛ください」は話し言葉では使わない表現で、書き言葉の結びによく使用されます。「お大事にしてください」と同じように「相手の体をいたわる」言葉です。より丁寧に表現したいなら、「くれぐれもご自愛ください」にするといいでしょう。
「お大事にしてください」の敬語・例文
実は「お大事にしてください」が敬語として正しくないことを知っていましたか?目上の人に「お大事にしてください」と言ってしまうと失礼にあたることがあります。それによってマイナスな印象をもたれてしまうかも。「お大事にしてください」の正しい敬語を知って、社会で使えるようにしましょう。
「お大事にしてください」は正しい敬語ではない
「お大事にしてください」は敬語として不適切です。それは「してください」の部分を命令口調に捉えられてしまう可能性があるから。話し言葉としてはわりかし受け入れられていますが、書き言葉としては広く受け入れられていません。「お大事にしてください」を目上の人に使うときには注意が必要です。
「お大事になさってください」が正しい敬語
目上の人に「お大事にしてください」と伝えるときは、「お大事になさってください」とするのがいいでしょう。ほかにも「お大事にお過ごしください」などの表現もできます。くれぐれも目上の人に「お大事にしてください」と使わないようにしましょう。
「お大事になさってください」の例文
「お大事にしてください」は以下のように使います。
- お体をお大事になさってください。
- くれぐれもお大事になさってください。
- 季節の変わり目ですので、お大事になさってください。
- どうかご無理をなさらず、お大事になさってください。
- 寒さがより一層強まってきました。お大事になさってください。
「お大事にしてください」の類義語・言い換え
敬語として相応しくない「お大事にしてください」ですが、類義語に言い換えることによって、目上の人に使うこともできます。ここでは5つの言い換えを紹介しましょう。
- ご自愛ください
- お労りください
- ご留意ください
- 養生なさってください
- 静養なさってください
すべて正しく使えるようになり、人間関係が大切な社会において優しさを見せられる大人になりましょう。
ご自愛ください
まず「お大事にしてください」の類義語として挙げられるのが、「ご自愛ください」です。「ご自愛ください」は主にメールや手紙などで結びの言葉として使われる言葉。
使い方としては「〇〇ですので、くれぐれもご自愛ください」という形が一般的。社会人になったら、メールの結びは「ご自愛ください」を使うように心がけましょう。
お労りください
「お労りください」も「お大事にしてください」の類義語。「労る」にはもちろん「気にかけて大切にする」という意味が込められているので、「お大事にしてください」と同じように使えます。
「お大事にしてください」よりもいっそう相手の身体をねぎらう気持ちが込められているのがポイント。しっかりと使い分けることによって、相手への気持ちの伝わり方も変わります。
ご留意ください
「ご留意ください」も「お大事にしてください」と同じように使われる言葉です。「留意」には文字通り「心にとどめておく」という意味があります。よって、「体調管理にご留意ください」「健康にご留意ください」のように使う必要があります。非常に丁寧な表現ではありますが、使うときには注意が必要です。
養生なさってください
「養生」には「健康の増進を図ること」や「病気の回復に努めること」という意味があることから、「養生なさってください」も「お大事にしてください」の類義語であるといえます。意味通り、病気などで休みをとっている人に向けてベストな言葉。目上の人に対して使っても問題なく、メールや手紙でも使えるフレーズです。
静養なさってください
聞き馴染みがないかもしれませんが、「静養なさってください」も「お大事にしてください」の類義語。「静養」は「病気や疲労の回復などのために、心身をゆったりと休める」という意味ですので、こちらも病欠している人に対するベストなフレーズです。
「お大事にしてください」を英語でいうと?
「お大事にしてください」を英語で表現すると、「take care」が最もしっくりくる表現です。しかし、「take care」では「お大事に」というラフな表現になってしまうので「please take care of yourself」と表現するほうがいいでしょう。
また、あわせて「Let me know if you need anything.(何か必要でしたらお声がけください)」などと伝えると、いっそう相手を想う気持ちが表現できます。
「お大事にしてください」を中国語でいうと?
「お大事にしてください」を中国語で表現すると「请保重身体」となります。「保重身体」が「お大事に」という意味で、「请」は目上の人に対して使うときにつけるものです。
「お大事にしてください」を韓国語でいうと?
「お大事にしてください」を韓国語で表現すると「몸조리 잘 하세요」になります。さらには「風邪に気をつけてください」という意味で「감기 조심하세요」を使うのもいいですね。
「お大事にしてください」の正しい返事
「お大事にしてください」と言われたときに正しい返事ができていますか?せっかく声をかけてもらったのに、返事も反応もなしにしていては相手に不快な思いをさせてしまいます。「お大事にしてください」と言われたら、以下のように返事をしましょう。
- ありがとうございます
- お気遣いありがとうございます
- ごお心遣いありがとうございます
声を発することがつらいほど体調を崩しているようだったら、会釈だけでもOK。とにかく、気を遣って声をかけてくれた相手に対して、感謝の気持ちを伝えることを意識しましょう。
「お大事にしてください」を正しく使えるようになろう
いかがでしたでしょうか?今回はお大事にしてくださいについて解説しました。
「お大事にしてください」は多くの人が間違ったまま使ってしまっている表現です。間違ったまま使っていると、相手の人に不快な思いをさせ、関係性が崩れてしまう危険性も。しかし、逆に正しく使えれば「この人はひと味違うな」と好印象を持たれること間違いなし。「お大事にしてください」の使い方にはくれぐれも注意しましょう。
最後に「お大事にしてください」のまとめです。
- 「大事」には「大変なこと」「おおごと」「重大な事柄」という意味があります。
- 「お大事にしてください」は「早く良くなりますように」などという意味です。「これ以上、大事になりませんように」という願いが込められています。
- 使い方は「相手の体をいたわる」意味が込められているので、見舞いに行ったときや、見舞いのメールなどでよく使います。
- 「お大事にしてください」とメールや手紙などで伝えるときには「ご自愛ください」を使うようにしましょう。
- 目上の人に「お大事にしてください」と伝えるときは、「お大事になさってください」とするのがいいでしょう。
- 「お大事にしてください」の類義語として挙げられるのが、「ご自愛ください」「お労りください」「ご留意ください」「養生なさってください」「静養なさってください」などです。
- 「お大事にしてください」を英語で表現すると、「take care」が最もしっくりくる表現です。
- 「お大事にしてください」を中国語で表現すると「请保重身体」となります。
- 「お大事にしてください」を韓国語で表現すると「몸조리 잘 하세요」になります。
- 「お大事にしてください」と言われたら、「ありがとうございます」「お気遣いありがとうございます」「ごお心遣いありがとうございます」のように返事をしましょう。