ビジネスシーンでは必ずお世話になる方がいらっしゃるでしょう。その人と離れるときに感謝の言葉をしっかり伝えたいですよね。この記事では「お世話になりました」の意味や使い方、別の表現や英語での伝え方も一緒に解説します。
「お世話になりました」の意味とは?
「お世話になりました」は転勤や卒業など、自分が職場などを離れるとき、上司などにしてもらったことに対して感謝の気持ちを伝える言葉です。使うことの多い言葉のひとつかと思われますが、正しく使うため、ここでしっかりと意味を学んでおきましょう。
「お世話」の意味
「お世話になりました」の「お世話」ですが、複数の意味があります。それは、面倒を見ること、中に入って取り持つこと、手数がかかって面倒ごとなどの意味があります。別れの挨拶として「お世話になりました」というときは「面倒を見ること」に感謝の気持ちを込めたものです。
「お世話になります」との違い
「お世話になります」との違いは、使うタイミングにあります。「お世話になりました」は別れ際に使う挨拶の言葉です。それに対し、「お世話になります」はこれからお世話になるであろう人に向けて使う言葉であります。
余談ですが、「お世話になっております」といった表現もあります。これは、相手との関係が約束されて、現在お世話になっている状態の人に「お世話になっております」と使われることが多いです。
意味に大きな違いはないですが、時系列は意識したほうがいいですね。
「お世話になりました」の使い方と例文集
ここでは「お世話になりました」の使い方と例文について紹介します。主に、目上の人にも問題がないか、メールや手紙で使えるものか、使用のときの注意点はあるのかを中心に解説します。
「お世話になりました」の使い方
まずは「お世話になりました」の全般の使い方について紹介します。
目上の人にも問題なく使える
「お世話になりました」は目上の人に問題なく使えます。「お世話になりました」は丁寧な表現なので、上司の退職から自身の転勤まで、お世話になった人全員に使える言葉です。
ただ、よく面倒を見ていただいた上司や取引先に対してにお別れの挨拶をする場合は「今までお世話になりありがとうございました」と一言付け加えたり、「今後のご活躍をお祈り申し上げます」といった言葉も使用したりすれば、より丁寧な表現になります。
メールや手紙で使う場合
メールや手紙で比較的多く使われるケースが、職場の部署移動や退職のとき、使われます。口頭の挨拶と同じく、上司や目上の人にも使えるフレーズです。毎日取引するような相手なら、「いつもお世話になっています」から書き始めることもできますし、別れの挨拶では「いつもお世話になりました」と付け加えることで感謝の気持ちを伝えられます。
「お世話になりました」を使用するときの注意点
ここまで見ると「お世話になりました」は万能フレーズのように感じられますね。ただ、どこでも使っていいものでもなく、当然使用のときの注意点はあります。
初対面の人には使わない
当然ですが、「お世話になりました」は初対面の人には使いません。「お世話になりました」は別れの挨拶であり、初対面でいわれた側にとっては違和感しかないでしょう。また「いつもお世話になっております」も初対面の人には使いません。これからお世話になるかもしれない人には先述したように「これからお世話になります」と伝えるのがいいですね。
初めて会う人で、これからお世話になるかわからない人には「はじめまして」がふさわしいでしょう。
お世話様でしたは目上の人が使う
「お世話になっております」と同じ意味の言葉に「お世話様です」があります。「お世話様です」は「ご苦労様です」といったニュアンスが含まれています。そのため、目上の人に「お世話様です」を使ってしまうと、失礼な言葉づかいをしているとみなされてしまうでしょう。
「お世話様です」は目上の人が使う言葉であり、普段のわたしたちは、「いつもお世話になります」と使うのが無難です。
「お世話になりました」の例文集
「お世話になりました」の使い方を学んだところで、次は例文を紹介します。先述しましたがメールと口頭ではそれほど違いはありません。ですから、以下で紹介する例文はどちらの場面でも使って問題ないでしょう。
- この度、企画部へ異動になりました。営業部では大変お世話になりました。
- この度一身上の都合により、退職することにいたしました。在職中はお世話になりました。
- その節は大変お世話になりました。おかげさまで売り上げも好調です。
- これからお世話になります。普通科1年の渡辺です。よろしくお願いいたします。
- いつもお世話になっております。依頼されていた市場の調査が終わりましたのでサーバーに提出いたしました。お手数をおかけしますがご確認お願いいたします。
「お世話になりました」の類義語・言い換え表現
「お世話になりました」には似た表現もあります。ここでは似た表現として有名な3つを紹介します。
お力添えいただきありがとうございました
「お力添えいただきありがとうございました」は「お世話になりました」と同じように感謝の気持ちを伝えるときに使われます。手助けすること、協力することを意味する「力添え」に接頭語の「お」を加え、丁寧な表現にしたものです。
例文にすると以下のようになります。
- この度は会社の創立記念パーティー開催に際し、お力添えいただき、ありがとうございました。
- この度は被災地へのチャリティーイベント開催に際し、お力添えいただき、ありがとうございました。
ご愛顧頂きありがとうございました
こちらも顧客や取引先に対して使われる言葉です。「ご愛顧」とは目にかけてもらっている、贔屓にしてもらっていることへの感謝を意味します。「お世話になりました」よりも、かしこまった言い方とされています。
例文にすると以下のようになります。
- 普段からご愛顧いただきありがとうございます。この品は弊社からの気持ちです。
- いつもご愛顧いただきありがとうございます。感謝を込めたセールを開催いたしますので、お見逃しなく。
お引き立ていただき感謝しております
「お世話になりました」と比べて深い感謝が込められています。格別にお世話になったときに使われる表現です。
例文にすると以下のようになります。
- この度お引き立ていただき感謝しております。おかげさまで今月の営業成績1位を達成しました。
- セミナーの開催にあたって、お引き立ていただき感謝しております。無事に成功し、新規顧客も獲得できました。
「お世話になりました」の英語表現
「お世話になりました」は日本語独特の表現です。英語で表現する場合どのように表すのか疑問ですよね。ここでは「お世話になりました」の英語表現について紹介します。
「お世話になりました」は英語で訳せない
「お世話になりました」を直訳できる英語の言葉はありません。ですが、代わりに、何かをしてもらったことに対しての感謝のフレーズを伝えます。例えば、「これまでいろいろ助けてくれてありがとう」や「わたしのために尽くしてくれたことに感謝します」や「今まで、応援ありがとう」を英語に訳すイメージです。
Thank you~に続くように表現する
何かしてくれたことに「ありがとう」と人に伝える際、英語では「Thank you~」の後に続いて表現するのが一般的です。
例文にすると以下のようになります。
- Thank you for all your help this year.(今年はいろいろ助けてくれてありがとう。)
- Thank you for helping me move my company even though we are not in the same department.(部署違うのに会社の引っ越し作業を手伝ってくれてありがとう。)
お世話になった方にギフトを贈ってみましょう
人生で生きていく中でお世話になった人に「お世話になりました」と感謝の気持ちを伝えるのも大事ですが、同時に贈り物も添えると相手にいい印象を与えるかもしれません。そこで、お世話になった人に贈るものとして一般的なものを選びました。ぜひ参考にしてください。
・クッキーやチョコレートなど気軽に食べられるもの
・ハンドクリームや入浴剤などの消耗品
・常温で保存しても日持ちするもの
まとめ
「お世話になりました」とは面倒をかけたことに感謝の気持ちを伝える言葉です。丁寧な表現なので目上の人に使っても問題ありません。
万能なフレーズですが、時系列によって語尾を変えないと、不自然になってしまいます。
感謝の気持ちを伝えると同時に、贈り物の添えると印象がいいですね。
誰かの世話になることは社会人として避けられないので、いざというときに問題なく伝えられるようにしておきましょう。